では自然数の2乗和を求めることを、中学レベルでやってみます。
これにはいろいろな方法があって、立体を作って模型で見せる方法や、数を正三角形に並べる方法など、あちこちの本で読んだことがある。
三角形にするやつはたしか「算数・数学をやり直す本」にのっていた。(技術評論社 宮口祐司著 P.160)
ここでは図を使わず、計算によって公式を見つけることを試みる。
1の2乗から順に計算をする。
1^2=1
1^2+2^2=5
1^2+2^2+3^2=14
1^2+2^2+3^2+4^2=30
1^2+2^2+3^2+4^2+5^2=55
1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2=91
以下これを20まで続けると、和の性質が分かってくる。
国家の品格の著者である藤原正彦氏の著作からヒントをいただいて、
和を素因数分解してみると
すなわち、1乗和のとき
1+2+3+・・・+n=n(n+1)/2 であったから、和はnの多項式の積で
表されるだろうと予想し、和を素因数分解してみる。
n --+ 2乗の和 + 素因数分解
----+-------+--------
1 1
2 5
3 14 2*7
4 30 2*3*5
5 55 5*11
6 91 7*13
7 140 2*2*5*7
8 204 2*2*3*17
9 285 3*5*19
10 385 5*7*11
11 506 2*11*23
12 650 2*5*5*13
13 819 3*3*7*13
14 1015 5*7*29
15 1240 2*2*2*5*31
16 1496 2*2*2*11*17
17 1785 3*5*7*17
18 2109 3*19*37
19 2470 2*5*13*19
20 2870 2*5*7*41
このデーターからnまでの2乗和を求める式を見つけよう。
素因数分解をみるとnが素数のときには、素因数分解の素因数にnが表れることから
公式の因数にnがあることが予想される。
では、n+1が因数にあるかを見ると、ある。n+1が素数であるnは
4、6、10、12、16、18などであるが、素因数分解の素因数に
5、7、11、13、17、19が見つかる。
ところで、素因数分解の一番大きい素因数に着目すると
5、 6、 8、 9、11、14、15、18、20でそれぞれ
11、13、17、19、23、29、31、37、41
となっている。
これは2n+1が素数となる場合だと分かる。
すると2乗の和の公式は(ある数)*(nの式)*n*(n+1)*(2n+1)
と予想される。
そこでn(n+1)(2n+1)を計算してみると
n n(n+1)(2n+1) 2乗和
--+--------+-----
1 6 1
2 30 5
3 84 14
4 180 30
5 330 55
6 546 91
7 840 140
8 1224 204
9 1710 285
10 2310 385
この結果を見ると n(n+1)(2n+1)はどれも2乗和の6倍となっていることが分かる。
こうして(自然数の2乗和)=n(n+1)(2n+1)/6 と予想される。
中学生なら、証明はなくて良いだろう、Excelで表を作って確かめれば良い。
高校生では数学的帰納法を使って証明すればよい。
2乗和は角錐や円錐の体積を求積法で求めるときに表れる。
(錐の体積)=(柱の体積)×1/3 の1/3の根拠を教えたかった。
選択の授業では、私は求積法で中学生に教えたことがある。
そのときに2乗和の公式をどうやって教えようかということで、高校の教科書を調べたところ、数学的帰納法で証明されていた。中学生には難しいと感じたので、公式を与えて説明した。どうやったら中学生にも分かるように公式を導くか考えた末、この方法を思いついた。
2乗和はExcel。素因数分解は10進Basicでプログラムを作ってあるので、パソコンを使いながらの選択の授業でこのアイデアは使えそうだ。
次は3乗和、4乗和の話題に移る予定。
これにはいろいろな方法があって、立体を作って模型で見せる方法や、数を正三角形に並べる方法など、あちこちの本で読んだことがある。
三角形にするやつはたしか「算数・数学をやり直す本」にのっていた。(技術評論社 宮口祐司著 P.160)
ここでは図を使わず、計算によって公式を見つけることを試みる。
1の2乗から順に計算をする。
1^2=1
1^2+2^2=5
1^2+2^2+3^2=14
1^2+2^2+3^2+4^2=30
1^2+2^2+3^2+4^2+5^2=55
1^2+2^2+3^2+4^2+5^2+6^2=91
以下これを20まで続けると、和の性質が分かってくる。
国家の品格の著者である藤原正彦氏の著作からヒントをいただいて、
和を素因数分解してみると
すなわち、1乗和のとき
1+2+3+・・・+n=n(n+1)/2 であったから、和はnの多項式の積で
表されるだろうと予想し、和を素因数分解してみる。
n --+ 2乗の和 + 素因数分解
----+-------+--------
1 1
2 5
3 14 2*7
4 30 2*3*5
5 55 5*11
6 91 7*13
7 140 2*2*5*7
8 204 2*2*3*17
9 285 3*5*19
10 385 5*7*11
11 506 2*11*23
12 650 2*5*5*13
13 819 3*3*7*13
14 1015 5*7*29
15 1240 2*2*2*5*31
16 1496 2*2*2*11*17
17 1785 3*5*7*17
18 2109 3*19*37
19 2470 2*5*13*19
20 2870 2*5*7*41
このデーターからnまでの2乗和を求める式を見つけよう。
素因数分解をみるとnが素数のときには、素因数分解の素因数にnが表れることから
公式の因数にnがあることが予想される。
では、n+1が因数にあるかを見ると、ある。n+1が素数であるnは
4、6、10、12、16、18などであるが、素因数分解の素因数に
5、7、11、13、17、19が見つかる。
ところで、素因数分解の一番大きい素因数に着目すると
5、 6、 8、 9、11、14、15、18、20でそれぞれ
11、13、17、19、23、29、31、37、41
となっている。
これは2n+1が素数となる場合だと分かる。
すると2乗の和の公式は(ある数)*(nの式)*n*(n+1)*(2n+1)
と予想される。
そこでn(n+1)(2n+1)を計算してみると
n n(n+1)(2n+1) 2乗和
--+--------+-----
1 6 1
2 30 5
3 84 14
4 180 30
5 330 55
6 546 91
7 840 140
8 1224 204
9 1710 285
10 2310 385
この結果を見ると n(n+1)(2n+1)はどれも2乗和の6倍となっていることが分かる。
こうして(自然数の2乗和)=n(n+1)(2n+1)/6 と予想される。
中学生なら、証明はなくて良いだろう、Excelで表を作って確かめれば良い。
高校生では数学的帰納法を使って証明すればよい。
2乗和は角錐や円錐の体積を求積法で求めるときに表れる。
(錐の体積)=(柱の体積)×1/3 の1/3の根拠を教えたかった。
選択の授業では、私は求積法で中学生に教えたことがある。
そのときに2乗和の公式をどうやって教えようかということで、高校の教科書を調べたところ、数学的帰納法で証明されていた。中学生には難しいと感じたので、公式を与えて説明した。どうやったら中学生にも分かるように公式を導くか考えた末、この方法を思いついた。
2乗和はExcel。素因数分解は10進Basicでプログラムを作ってあるので、パソコンを使いながらの選択の授業でこのアイデアは使えそうだ。
次は3乗和、4乗和の話題に移る予定。