TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

たすきがけを使わない因数分解3

2008年09月11日 18時03分29秒 | 数学
たすきがけの因数分解の公式
acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)
をよく見てほしい。
我々は、真ん中のxの項をうまい2項に分けることを考えればよい。
すなわち、数adとbcを見つけることを目指す。

 ところでx^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)という公式を思い出して欲しい。
真ん中の数は2数の和であり、最後の定数は2数の積であった。
ここに目をつける。

真ん中の2数adとbcの積はad×bc=adbc=acbd=ac×bd
すなわちx^2の係数acと最後の定数bdの積であることが分かる。
これで決まりだ。

1例をあげよう

2x^2+7x+5を因数分解する。
2x^2+7x+5=acx^2+(ad+bc)x+bdより

ac=2、 bd=5
ad+bc=7

である。これをもとに2数adとbcを見つける。

ac×bd=10=ad×bcであるから、2数ad、bcは
和が7、積が10である。

すなわちad、bcは2と5であることが分かる。

因数分解するぞ!

2x^2+7x+5=2x^2+(2+5)x+5
     =2x^2+2x+5x+5
     =2x(x+1)+5(x+1) 共通因数(x+1)が見つかった!
     =(2x+1)(x+5)

こんなのも楽勝!

6x^2-x-12

ac×bd=6×(-12)=-72=ad×bc

つまりadとbcは、積が-72、和が-1の2数だから・・・8と-9

では・・・。
6x^2-x-12=6x^2+(8-9)x-12
     =6x^2+8x-9x-12
     =2x(3x+4)-3(3x+4) 共通因数(3x+4)が見つかった!
     =(2x-3)(3x+4)

 たすきがけはかなり試行錯誤を要するが、これは確実だと思う。ただ、式の変形の力が必要だ。
 慣れれば結構計算力も付くと思う。
コメント
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