※写真は、本日、議会事務局が資料として配布してくれた産経新聞の市長選挙分析です※
マニュフェストと確認団体チラシの比較は性格が違っているとの指摘を受けました。田辺氏は既に完成、高田氏は金曜日に公表、松浦氏は未定という状況なので、まず「女性の市民税ゼロ、100万都市実現」チラシの検証から始めます。
1、人口減少は「衰退」とイコールなのでしょうか。
2、70万人(2025年人口推定65万人から5万人増)、80万人(2025年人口推定65万人から15万人増)目標の自然増、社会増の数値はどのように設定されているのでしょうか。
3、自然増にかかわる2025年の合計特殊出生率はいくつ(2015年1.4 人口維持していくためには2.08が必要)と想定しているのでしょうか。
4、女性の市民税ゼロは地方税法第6条1項、2項における「公益上その他の事由」に該当するのでしょうか。所得600万世帯以上は徴税、以下は市民税ゼロの「公益上その他の理由」は何にになるのでしょうか。
5、女性の市民税94億円(2014年度)が減税されると、市中にお金が回ると人口増加、消費拡大、雇用創出につながるのでしょうか。
6、94億円の一般会計2825億円への影響は、投資的経費445億円、補助金135億円、時間外手当39億円の調整でなくせるのでしょうか。
7、所得制限600万世帯、給付金世帯300万世帯はどのように特定するのでしょうか。
8、高田氏、松浦氏は、議決された田辺市長のもとでの第三次総、総合計画の中での子育て支援施策は前提にするのでしょうか。
1、2、3について、私は『人口減少社会という希望ーコミュニティ経済の生成と地球倫理』(著者 広井良典 朝日出版社)での広井氏の主張に賛同しています。氏は、人口がずっと減少し続けることを好ましいとは考えていないが、減少すると経済がダメになるという拡大・成長型の発想からの成熟・持続型への転換、人口はある程度まで減り、やがて均衡化する、社会のありようをもう一度考える、必要があると考えています。
70万人、80万人の人口推計はどのように計算されたのでしょうか。内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局が示す人口動態・推計手法は、2015年の5歳ごとの人口を、5年後、10年後として計算します。その数式はX(1+5)=X(1)×《(1-死亡率)+(転入率ー転出率)》です。問題は、5年後、10年後の0歳~4歳の生まれる子供の数をどのように設定するかで将来人口が決まります。様々な施策でこの合計特殊出生率をどう想定できるかがカギです。
2015年70万人の現在の人口は、出生率が2.1で計算しますと、2025年約671000人、3.0で約69万3000人、5.1で約74万2000人、7(2011年統計でニジェールの数値)で80万人。田辺氏は3.0、高田氏は7を想定すれば目標は達成できます。しかし、現状は1.4。世界の順位は、ニジェールが7でトップ、アメリカが2.1で114位、フランスが2.0で122番目、日本は1.4で179番目。不可能に近いですが仮に2.1が想定できたとして、70万人で2万9000人、80万人で12万9000人の社会増が必要になります。因みに政府は2025年の合計特殊出生率を1.6としています。
合計特殊出生率は、30年単位の子育て施策があって伸びていくものです。私は、田辺氏の70万人目標について質問しました。答えは「わかりやすい目標だから」。今年度の長期戦略策定の中でその具体的根拠を示していくことになっていますが、高田氏の80万目標がいかに荒唐無稽かがわかります。田辺氏であれ、高田氏であれ、松浦氏であれ、拡大・成長の論理から転換してほしいと考えます。田辺氏は、3:11を経験して拡大・成長型から転換を示しているだけに70万人口論にこだわるのか理解に苦しみます。高田氏が、3:11をどのように受け止めているのか、是非示していただきたいと思います。松浦氏がどのような見識を持たれているか、今はわかりません。