今日は富士山が綺麗でぱぽっかぽっかの一日でした。
補正予算含め予算議会は40日以上にわたる緊張感あふれる展開でした。特に、上下水道庁舎建設めぐる二回にわたる反対討論と「南アルプスとリニア新幹線」と「上下水道庁舎」の二つをテーマとしためぐる総括質問は久方ぶりに充実しました。
緑の党グリーンズジャパンの会員で一人の会派で市長・職員機構への影響力をどのように確保できるのだろうかと自問自答が続いています。それを支えるものは市民の直接的な運動であり、政策・政治状況分析における群を抜いた質問力です。
「南アルプスとリニア」「上下水道庁舎」問題は議会が終了し議会内での「市長ー議会」の緊張関係はいったん棚上げになります。次の議会までの間に市民活動のダイナミックな展開や運動・政策レベルでの技術・理論の深化が問われています。
※反対討論原稿 実際は原稿通りでなかったり色々変化します。
2014年2-2月予算議会反対討論 2014年3月20日
今議会に提案されております議案、消費税もからみたくさんの議案に緑の党の立場から、以下の議案に反対の立場で討論を行います。
政策的観点で、第25号議案一般会計、第40号議案病院事業会計、第41号議案水道事業会計、第42号議案下水道事業会計、126号議案高校入学費等徴収条例に反対。
消費税及び公共の施設の料金改定関連で第32号、33号、38号、40号、41号、42号、44号、51号から53号、55号から77号議案、84号、85号、87号から115号議案、117号から120号議案、122号、123号、129号から133号、137号、138号について反対します。
「1」 市長は、所信表明において、アベノミクス効果を評価し「まち
磨き戦略プラン」を仕上げるに当たり「地域経済の活性化」と「安心安全な民生の拡充」の両立めざし、一般会計において 2762億円、特別会計2078億140万円、企業会計において963億8700万、全体で5803億8840万を計上しました。そして第3次総合計画策定にあたって「連携の深さ」と「世界を意識した発想」の視点を示しながら41億円から65億円財源不足が見込まれる一般財源の現状を踏まえ、「3次総」「財政計画」「行財政改革」の三位一体化、行財政改革推進審議会答申を踏まえてアセットマネジメントなど新たな取り組みを表明しました。
田辺市長は、静岡市の人口推計を行い、政令市の中で最も人口が少なくなった静岡市、この現実を大胆にも国レベルの人口減少化社会のトレンドに重ね合わせ、三次総をこれからの日本の自治体の将来像を示す普遍的存在に高めています。静岡市の人口減少が政策の失敗であるのか、トレンドであるのか、ここの議論は残りますが、斬新な提起であります。そして、第2回三次総策定講演会における千葉大学広井良典教授の主張する「人口減少時代の都市・地域構想」―「物質的生産の量的拡大」から創造的福祉社会を受け入れるその姿勢には注目するところであります。ただ、その問題意識を持ちながら、一方で、政府が進めている「デノミ脱却」という名の異次元の金融緩和策、莫大な借金による公共事業の推進による、一時的な経済活況を無前提に評価するかのようにもみえる所信表明には違和感を持つところであります。
「デノミとは何か」「里山資本主義」を公表している藻谷浩介氏の「現在のデノミは、人口減少化社会、生産力人口減少に不動産、車、家電、安価な食品など過剰な供給を行っている低価格競争大量商品生産システムから脱却できない一部企業がもたらしているもの」「森林国日本の地域資源を活かした地域経済、マネー資本主義でなく里山資本主義」の勧めは、広井氏の主張に重なっており、人口減少を踏まえた脱成長型の地域経済活性化戦略として三次総にいかしていただきたいものであります。
もう1点は、所信表明において、「南アルプスユネスコエコパーク」については今年中の登録をめざし、山梨県、長野県の世界遺産をめざす10の自治体との連携する、更に、私の総括質問答弁においても、大井川水系に関わる静岡県中部の首長からの要請に強いリーダーシップを発揮するとの姿勢であります。生物多様性国際条約、環境省の南アルプスの国立公園拡大構想、そして市議会決議を踏まえた市独自の環境調査への取り組みに大きな期待をするものであります。3月13日参議院国土交通委員会における吉田忠智参議院議員の大井川水量問題への質問に政府参考人は「対策を講じない場合に毎秒2tの水量が減るが対策はすれば大丈夫」とJR東海と同じ認識を示しております。工事着工前の問題解決に全力を尽くしてほしいと考えます。
「2」 さて、政策分野での反対討論であります。
第一は、上下水道庁舎問題であります。
反対理由の第一は、上下水道庁舎の防災拠点の早期完成の必要性を理解しつつも33億→59億、25億4000万の増額、防災拠点がもう一か所を建設できるほどの増額に市民はまだ納得していないという点です。市民は、一般会計における41億円から65億円の不足という事態とこの庁舎建設の増額、消費税・公の施設の料金改定などを一体的なものとして理解しており、チラシやホームページだけでなく、直接の説明を求めています。
反対理由の第二は、基本構想、基本設計、実施設計過程について契約前として議会に対しても資料提示に基づく説明が不十分である点です。
① 当初「液状化に基づく地盤改良費」との説明は、1回目、2回目ボーリング調査結果の食い違いや7メートル地点の液状化の部分的地層は掘削によってなくなるとの私の指摘に、「高度な専門的分野であったために説明が不十分であった」と事実上、撤回しました。果たして高度な専門分野の問題でしょうか。
② そして「実は液状化対策でなく地下水対策として重石としての地盤改良であった」との新たな説明です。10階建てのビルの重量があれば地下水浮力対策としての重石は必要ありません。ウエルポイント工法で地下水を排出しながら工事は可能であります。何故、3メートルのコンクリート地盤が必要なんでしょうか。
③ また、第三次被害想定でも第四次被害想定においても地震動は変わらず県の耐震構造指針も変わらない、にも関わらず、9億8000万の耐震費用の増額の根拠が未だ釈然としていません。建築センターとの事前協議や審査過程の担当技術者や協議情報の公表が求められます。
反対理由の第三は、補正予算が可決したとして2月24日には、参加資格は3社のJV、総合評価方式で3月13日締切り、4月17日開札との入札公示を行いましたが、「市民説明と再発防止」の議会付帯決議は契約事務の進行の前に「有名無実化」のおそれが出ている点であります。
① 入札の公正さを求める意味で、33億が59億になった経緯を確かめる意味でも事業者に示されている現場説明要綱書は直ちに公開していただきたいと考えます。積算額の妥当性を市民と共に検証する必要があります。
私がこのような意見を述べるのは、この上下下水道庁舎問題では、ていねいな「市民説明」を怠ってしまった場合に、田辺市政批判に発展する要素をも抱えていることを懸念しているわけであります。事態の推移を市民の皆さんと共に厳しく監視していきたいと考えております。
第二は市立病院の独立行政法人化の問題であります。この問題は、前市長の時代、2010年7月~12月の「市立病院経営形態最適化検討会」を踏まえ、「公営企業法の全部適用」決定したにもかかわらず、昨年8月に「独立行政法人化」に転換したという経過があります。9月議会、11月議会、この予算議会と様々な観点からの議論が行われてきました。未だ、全部適用では市の基幹病院としての高度専門医療の提供や、医療水準の提供、医師確保など人材の確保や病院機能の向上が困難であるとの納得できる説明はないと私は理解しています。この問題は、市民や職員に十分な説明はなされておらず、また、議会の関与、病院行政へのチェック権が制限されていくことになります。この2年間の準備過程をつぶさに監視し続けていきたいと考えます。
第三は、総務局を軸に進められる社会保障・税番号制度移行の準備の問
題であります。「行政手続きにおける特定の個人の識別に関するための番号の利用等に関する法律」など関連法の施行に伴って、法の第9条第1項関係で人事課など30課、9条の第1項以外で、病院医事課など22課においてシステム整備が行われます。11ケタ番号のついた住民基本ネットは破綻しています。新たに12ケタともいわれる番号を国民一人ひとりに通知しカードを発行、2016年から社会保障、税、災害対策分野で活用しようとするものであります。番号制度先進国アメリカや韓国では、ハッキングやなりすましによる大量の個人情報が流失、不正、犯罪が多発しています。番号制度後進国の日本が、今のこの制度を導入してどのような成果が期待できるのでしょうか。
第四は、子宮頸がんワクチン、予防接種の問題であります。子宮頸がんワクチンは小学校6年生から高校1年生を対象に接種されてきましたが、多発する副作用、事故で現在勧奨が中止されております。静岡市が予防接種行政においては過去の重篤な副作用事故により全国的に見ても安全性、有効性、必要性について厳しい対処をしてきました。有効性も一部のパピローマウイルスにしか効果がなく、必要性についても大きな疑問があり子宮頸がんワクチンは廃止すべきであります。
第五は高校の教科書無償化に所得制限がかかる問題です。基本的に子ども手当てや教育費は無償化し、高所得者の方々には納税によって税の再配分に貢献していただく仕組みを維持すべきであります。
「3」 次に消費税関連、公の施設の料金改定についてであります。
民主党政権の時代に成立した消費税は、政権交代により給付き税額控除や最低年金制度など社会保障制度の協議は先延ばしとなり、社会保障制度改革国民会議から民主党が離脱したことで事実上の「税と社会保障の一体的解決」は遠のきました。一方で、消費税関連法において景気条項が埋め込まれており、防災・減災のための国家強靭化法の財源になりうるあいまいさも残されています。「コンクリートから人へ」が「人からコンクリート」に転換されたと批判されるゆえんであります。社会保障制度改革の財源は、累進課税の強化と消費税の組み合わせにならなければならないわけであります。こうした中での4月消費税の8%を前提にした使用料などの値上げに反対であります。自治体ではどうかなるテーマではありませんが立場表明であります。
また、受益者負担原則に基づく使用料の改定は、その制度上の理念は共有しますが、例えば「ゆらら」の年間の料金改定は施設の名称通りに健康増進という観点に立てば、部分的に値下げがあるとはいえ、年間利用料の12000円アップは大幅であり、市民合意に問題があり反対します。
「4」 厳しく監視の必要性がある分野については4点。
第一は、国保財政。大幅値上げにより41億円の基金、更には2013年度決算では更に20億もの余剰が予測されている中で、1回の値下げは十分に可能であります。2017年度からの県広域化までの大幅な値上げを行わないとするその姿勢が継続するかどうか、監視しなければなりません。
第二は、東静岡の開発整備について、いったんはつぶれたはずのアリーナ構想がPFI手法という選択によって可能となるかのような流れもでてきており、反対の立場で監視したいと考えます。
第三は、スクランブル交差点、LRT交通政策については、少しずつしか進展していない中で、掲げている政策理念を全面的応援する立場ですので、推進のための監視を続けたいと考えます。
第四は あさばた遊水地の整備については私の地元でもあり、三島市の源平川を復活させたグラウンドワーク三島の渡辺豊博氏らの関与については、応援する立場で監視し続けたいと考えております。
以上、述べまして反対討論を終わります。