国政・外交に関わるテーマは市議会議会運営委員会で審議されることになっており本時10:00からの委員会で審議されました。「沖縄を語る会」の事務局長の富田英司さんの意見陳述は2点。第1は、日本で経験したことのない深さ70メートルの軟弱地盤工事の困難性、第2は、静岡市が進めるSDGsの14番(海の環境)、15番(自然生態系)の目標からすれば辺野古新基地は建設を中止しなければならない。議会運営委員の寺尾昭議員の質疑、オブザーバーの安竹議員が質疑をしようとするも「委員会で多数決」質問させず。丹沢運営委員長として異例な強硬姿勢。まつやから「自分は請願の紹介議員であるので質問はしないが、これまでの少数意見を尊重してきた議会運営委員会の運営とは違っている」ことを指摘しました。しかし、不採択。午後の本会議で共産党の望月賢一郎議員と緑の党としてまつやが賛成討論行いましたが否決となってしまいました。2472名もの方々の気持ちを議会利枝受け止めて欲しかったですが残念な結果です。「沖縄を語る会」の皆さん、ご苦労様でした.
※発言骨子※
沖縄の辺野古新基地建設の中止を求める請願賛成討論
2019年2月21日
只今上程されています「沖縄の辺野古新基地建設の中止を求める」請願に緑の党として賛成討論を行います。
既に望月賢一郎議員の賛成討論において重なる点もありますが補足する意味を含めてあらためて討論を行います。
この請願が沖縄での辺野古新基地建設をめぐる県民投票のさなかに2472名の方々によって市議会に提出されていることは大変に意義深いことであります。
この請願に賛成する理由は
第1に、沖縄県の辺野古基地公有水面埋立の許可の撤回に、本来、私人の行政処分への不服審査制度であるにもかかわらず沖縄防衛局が国土交通省に不服審査委請求を行うなどの行為は、その違法性、中立性において法治国家としてあるまじきこと
第2に、沖縄県民は翁長知事選挙においてもその後の国政選挙、更に玉城デニー知事選挙において「辺野古基地にノー」の民意を示しており政府が無視して基地建設を進めていることは地方自治の本旨に外れていること、また国・地方係争委員会においても審議すら行わないことは2000年の地方分権法の趣旨を逸脱していること
第3に、そもそもこの工事を強行するとしても沖縄県によって公表された軟弱地盤補強工事に2兆5000億円、工事期間も「埋め立て工事」に5年、「軟弱地盤改良工事」に5年、「埋立て後の施設整備」に3年、13年を要すること
第4に、安全保障における米軍基地の在り方に関する問題であること
第5に、本土と沖縄の歴史的差別構造がその背景にあること
第6に、SDGsの14、15番目の目標の精神からすればこの辺野古基地は認められないこと
以上でありますが、私たち自治体議会として沖縄の辺野古基地建設を考える上で非常に考えさせられる東京都小金井市議会での意見書がありますので紹介と沖縄の歴史について触れることで討論を進めたいと考えます。
小金井市議会の意見書の表題は「辺野古新基地建設の中止と、普天間基地代替施設について国民的議論を深め、民主主義及び憲法に基づき公正に解決することを求める意見書」とあります。意見書の元になる陳情は小金井市に住む沖縄の30歳の青年、米須清真(きよさね)さんから昨年8月に4点の陳情として提出されました。
1、新基地建設中止と普天間運用停止。
2、普天間基地代替施設の候補地を全国の自治体に。
3、米軍基地が必要か国民的議論を。
4、候補地を公正・民主的に決めること。
市議会の多数で可決したものの、この意見書では「米軍基地の容認になる」として共産党会派が賛成を撤回し宙に浮いていました。その後、議員間の様々な討議が行われ共産党会派も加わり11月議会で可決されたものです。
前文において沖縄県議会が「普天間基地の海兵隊について沖縄駐留を正当化する軍事的理由や地政学的理由が根拠薄弱であり国外・県外に移転すること」とする決議を何度も採択していることや、「国土の0.6%の沖縄に70%以上の米軍専用施設が集中する」という実態は、「8割を超える国民が日米安全保障条約を支持しておきながら、沖縄にのみその負担を強いるのは、本土側の『差別』ではないか」ということを指摘しています。
そして、沖縄県内への新たな基地建設を許すべきではなく、「普天間基地の代替地について沖縄県外・国外移転を、当事者意識を持った国民的な議論によって決定するべきである。安全保障の問題は日本全体の問題であり、普天間基地の代替施設が国内に必要か否かは、国民全体で議論するべき問題である」としています。そして、「国民的議論において普天間基地の代替施設が国内に必要だという世論が多数を占めるのなら、民主主義及び憲法の精神にのっとり、一地域への一方的な押付けとならないよう、公正で民主的な手続きにより決定することを求めるものである。なお、この意見書は米軍基地の国内移設を容認するものではない」としています。この意見書において「世界で一番危険な普天間基地」を無くするために辺野古新基地という説明は実にまやかしであるということがわかります。
そして、何故、沖縄に米軍基地が集中してきたのかその差別の歴史的経緯について私たちはもう一度振り返っておく必要があります。沖縄と本土・ヤマトとの間には400年にわたって4度の琉球処分としての差別・従属の歴史があるとの歴史学者の指摘があります。
徳川の時代に薩摩藩が琉球王国に侵攻したのは1609年です。これが第一次琉球処分。琉球王国は世界の大交易時代に商業国家として繁栄してきましたが、中国との冊ぽう体制と徳川幕藩体制の二重の支配を受けながら差別と従属の体制にありました。そして明治維新を経て1872年に琉球王国は薩摩藩となり1879年に沖縄県となり、琉球王国は滅びます、これが第二次琉球処分。そして1945年日本の敗戦、1952年のサンフランシスコ条約により沖縄はアメリカの統治下に置かれます。この時期に「銃剣とブルトーザーで米軍基地」が作られました。これが第3次琉球処分。そして1972年、秘密協定による核つき沖縄返還となる第4次琉球処分。この400年間にわたる差別と従属の歴史、戦後の朝鮮半島の分断と沖縄の米軍基地化を前提に日本の平和憲法が形作られてきた歴史を振り返る必要があります。
2015年に翁長知事とお会いしたときに知事は「沖縄の民主主義は米軍統治という異民族の支配に抵抗しながら形作られたものであり柔ではない。イデオロギーよりアイデンティティと沖縄の総意として普天間基地の撤去、辺野古への移転に反対する」と述べていました。
街中で辺野古新基地、世界で一番危険な普天間基地について語りかけると割りと多い意見が「沖縄の人には同情するがアジアの安全保障のことを考えるとあそこに基地は必要だ」があります。しかし、沖縄の人々の犠牲の上に守られている日米安保条約、安全保障は何であるのか、私たちはあらためて考える時期にあります。沖縄で県民投票が行われ最中にこの請願が議題となっていることの意味をかみ締めていただき是非ともここにいらっしゃる議員の皆さんの総意で可決していただけることをお願いして賛成討論を終わります。