終了後、田辺市長曰く「まつやさんもどこか会派に入ってくれたら答弁できる」!
二元代表制度に対する基本認識に欠けた田辺市長、しっかりしてほしい!
2月―3月予算議会反対討論 修正案賛成 3月18日
2月24日のロシアによるウクライナ侵略に心を痛めておりましたが、3月16日、一昨日、宮城県、福島県での震度6強の地震、コロナ感染の高止まり傾向の中で、常に防災対応をおこたってはいけないことを痛感しました。地震で亡くなられた方々のご冥福を祈るとともに、1日も早い復旧を願っています。
ただいま上程されています2022年度議案中第26号一般会計年度予算に緑の党として反対、創生静岡からの修正案に賛成の立場で討論を行います。田辺市長は、17ページにわたっての施政方針において岸田首相の「新しい資本主義」を時代の趨勢とらえ、本市と縁のある渋沢栄一翁をも媒介に、さらに「デジタル田園都市国家構想」においては故大平首相をも取り上げ、4次総を語り、自らの政治思想を披露しました。
その政治姿勢を問いたいと個人質問をさせていただきましたが市長答弁はなく「たかが48分の1の議員にすぎない、と人を見下す為政者の姿勢」を感じました。確かに、岸田首相の「新しい資本主義」はアベノミクス路線とどう違っているのか、国会での所信表明では明確な姿勢でしたが、その後は曖昧で松野官房長官をして「そろそろ明確にしてはどうか」と発言される次第です。にもかかわらず、田辺市長はあえて「新しい資本主義」「デジタル田園都市国家構想」に思い入れした施政方針を書き上げたわけです。アベノミクス礼賛をしていた市長が、これまでの市政運営を大きく転換するのか、期待した質問でした。市長答弁もされなかった「政治に関わるものどおしの信頼を失わせしめる」対応に失望の念を禁じえません。
施政方針で示された2022年度予算は一般会計3378億、特別会計2397億、企業会計765億、 計6541億 これらはある意味で田辺市長12年目の3期目の最後の年、三次総の仕上げの年、そして4次総への助走の年となる予算です。コロナ禍への対応や2030年温暖化防止実行計画準備などなど多くの点で賛成している分野もありますが以下の分野で賛同しがたく反対討論を行います。
2030年を最終年とするデジタル化推進プランに基づき行政のデジタル化として補正予算で自治体オンライン手続き事業6000万、地域のデジタル化としてのスマートシティ推進事業2040万が計上されています。デジタル化一般については、「情報リテラシー能力向上支援事業」「窓口におけるキャッシュレス化決済導入事業」などは当然に必要な事業です。
補正予算マイナンバーカードカード活用システム整備への反対討論でも指摘しましたが、昨年の5月に成立したデジタル化改革関連法案の全体像は、
第1に個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法の3本の法律を1本の法律に統合するとともに、地方自治体の個人情報保護制度についても統合後の法律において全面的な共通ルールを規定し、全体の所管を個人情報保護委員会に一元化する、つまり国に一元化する
第2に、個人情報の定義等を国・民間・自治体で統一するとともに、行政機関等での匿名加工情報の取り扱いに関する規律を明確化、するもので、「個人情報の保護」を緩和し「データの流通」を促進し成長経済に結び付けようとするものです。こうした国による個人情報の一元管理は一方で監視国家のはじまり、個人情報の漏洩の拡大、サーバー犯罪の多発など、経済社会に大きな転換をもたらすものであり十分な議論が必要です。
そこで大きな壁となるのが、静岡市をはじめ全国の自治体の個人情報保護条例制度になります。
4月以降に国から「自治体の条例改正に関するガイドライン」が示され、市としては9月議会で改正案を示したいとのことです。では、何が改正されるのか、されないのか。例えば、死者の個人情報の取り扱い、個人情報の本人から取得原則、目的外利用・提供に個人情報保護審査会の存在、50ページにわたる個人情報開示の際の取り扱い要綱、オンライン結合の制限、個人情報コントロール権をどういう扱いにするのか。「デジタル関連法」制定の際の国会質疑、付帯決議、日本弁護士会声明においても、条例改正にあたって「地方自治の本旨を侵さないこと」が明言されています。しかるに、静岡市デジタル化推進プランにはそうした姿勢は垣間見られず、国の指示待ち、というより国の「個人情報保護」規定に抵抗しようという姿勢をみることはできません。
スマートシティ推進事業においては、デジタル化による便利さが中山間地と都市部の格差をなくすこととして強調されていますが、移動、行政のオンライン化、AI活用の医療・介護・教育情報、銀行決済、防災、防犯など生活情報をデータ連携基盤として住民の個情報が管理機関に集中することになります。2020年、カナダ・トロント市におけるスーパーシティ構想が中止になった理由は、情報管理を担当するGoogle社への不信からでした。裾野市でのトヨタ「ウーブンシティ」未来都市の実験はどう展開するのか。デジタル田園都市国家構想の夢ばかり語られますが、まずは静岡市が「個人情報」の取り扱い、個人情報保護条例に毅然とした態度を示せるかどうかにかかっています。
反対分野の第二は、アベノミクス路線としてのPFI手法による公共施設建設分野です。その筆頭は「(仮称)海洋・地球総合ミュージアム」169億6000万の債務負担行為、関連経費1329万、2019年5月にコロナ禍で棚上げされた全く同じ内容で提案されています。総事業費240億、債務負担行為169億、その内訳は100億の整備費、57億の15年間管理運営費、12億の施設改修費、従来手法と比較したVFMは10% 建設費で10億円、運営費で7億円、計17億円の効果、可能性調査におけるVFMの半分は非正規アルバイト体制による人件費削減でした。そして今回、蔓延防止等重点措置は解除されますがコロナ感染の高止まり傾向、続く経済停滞、ロシアのウクライナ侵略による政界経済不安、インフレによる資材高騰も想定せず、経済波及効果は中部横断道とクルーズ船再開を前提にしなかった600億をそのまま踏襲、再分析もせずプラスアルファがあるはずと楽観的な思い込み、10%超えた収益変化にプロフィット・ロスシェア、1年前と全く同じ内容です。債務負担額の変更が将来に提案されることは必至で、このようなずさんな提案でいいんでしょうか。東海大学、JAMSTECの教育的要素というのであれば、直営、あるいは規模縮小、ダウンサイズなど改めてゼロベースで再検討が必要です。創生静岡から提案されている修正案には賛成です。
清水庁舎については大規模改修の選択しか残されていない中でデジタル化庁舎構想への拘泥、東静岡における多目的アリーナにおいても民間に任せるといいながら、参加意思示す企業は公的財政負担の要望、周辺住民からの合意手続き批判との報道です。もっとじっくりと計画を練り直す必要があるのではないでしょうか。
反対分野の第三は、新年度から子宮頸がんワクチンの積極的な勧奨によるワクチン接種を再開するとして小学校6年生から高校の女子生徒1万4000人、接種の機会を失っていた24歳までの女性2万8000人合わせて4万2000人を対象に8億1831万の予算計上についてです。子宮頸がんワクチンによる副反応に対して集団訴訟原告団は、「いまも重篤な副反応に苦しんでいる全国の多くの被害者らを置き去りにした再開」と批判をし、以下の5点、
1, 厚生労働省の作成リーフレットを単に配布するだけでなく公平な立場で正確な情報の提供、
2, 個別接種前の不安や接種後の症状に対する相談・支援・医療・救済体制を整備し、情報が提供できる体制ができるまで個別通知を行わない、
3, 予診票は一方的に送らず保健所からの十分な説明の後、接種を希望する人に渡す、
4, 接種後の健康状態を実施し、調査結果を公表する、
5, ワクチンには子宮頸がんにつながるヒトパピローマウイルス15種類の2種類だけであり子宮頸がん予防に極めて大きな効果を表す検診の必要性の周知徹底、を求めています。
実際に静岡市において2020年度に接種をした小学校6年生から
高校生733人のうち一人に副反応があったとして2021年に厚生労働省に救済申請が行われています。
こうした声は、5歳から11歳の児童へのコロナワクチンの接種においても、強制とならないよう多くの保護者から不安の声も挙げられており子宮頸がんワクチンと重なるところがあります。私自身、コロナワクチンを接種しておりますが5歳から11歳の子どもたちへのワクチン接種に慎重さを求めながらワクチンの安全性、必要性、有効性についても再検証していきたいと考えております。
第一、脱炭素社会に向けた環境省先行地域提出プランの更なる拡大で温暖化防止実行計画削減目標は60%を超える必要があること
第二、リニア問題は南アルプスの自然、大井川の水に加え3大都市圏構想から分散型社会移行の観点で是非を論じる必要があること
第三、多くが女性であるケア社会を支えるエッセンシャルワーカーの社会的待遇の改善にジェンダー観点で議論する必要があること
第四、MASSへの実践展開においては、市の補助金含め静岡鉄道のバス路線の収益構造の情報共有から始める必要があること
第五は水道局における老朽化、耐震化の事業計画が毎年繰越される実情改善に入札制度上中小企業保護観点の検討が必要であること
以上で第26号反対討論、修正議案賛成討論を終わります。