外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

アンマンのペットクリニックとしみちゃんの受難~連行編~

2014-10-17 17:30:59 | ヨルダン(猫中心)


先日、しみちゃんを獣医さんに連れて行った。

しみちゃんは幼い頃から、よく目の上や耳の後ろ、アゴなどをしきりに引っ掻いてハゲを作っていた。
最近は治ってきたようだと安心していたら、
ある日思いっきりアゴを引っ掻いて、皮膚がズルむけになってしまった。
ピンク色のお肉が露出して、周りの毛は血まみれ。
かなりオソロシイ状態だ。
2、3日しても、治るどころか悪化していくばかり。
さすがに、これを放っておくわけにはいくまいよ。

というわけで、私はようやく重い腰をあげ、ペットショップで猫用のカバンを買ってきて準備を整えたのだ。
参考(アンマンのペットショップで猫用カバンを買う

猫を獣医さんに連れて行くのは、今回が初めて。
どこがいいかネットで調べ、評判がよかったアブドゥーン地区の「PetCharm Clinic」を選んだ。
ここはムアイイドさんという、英語が話せる穏やかな青年獣医師が一人でやっていて、電話予約に応じて診療所を開ける形を取っている。

11日の土曜日の午後、まず「今から行きます」と電話で予告した。
それから、しみちゃんをとっ捕まえて、おニューの猫カバンにいれる。
はずだったのだが。

ぜんっぜん入ってくれない。
しみちゃんたら…カバンのデザインがダサいのがお気に召さなかったのか。



中にエサを入れておびき寄せようとしても、絶対に入ろうとせず、
首を伸ばして顔だけ突っ込んで食べる。
無理やり抱きかかえて突っ込んでも、一瞬で飛び出る。
こういうのは2人がかりでやったほうがいいんよね、一人暮らしって大変だわあ…
などとぼやきつつ、何回試したがダメだった。

結局連れて行くのは諦めて、一人で診療所を訪問した。
診療所はビルの2階にあり、予想よりも広くて清潔でピカピカしている。
さすがお金持ち地区アブドゥーンのペットクリニックという印象だ。

待っていてくれた先生に、しみちゃんの傷の写真を見せて事情を説明したら、
小さな白い錠剤をひとつ渡してくれた。
「これはトランキライザーです。
エサに混ぜて猫に食べさせたらぐったりおとなしくなるから、
簡単に運べますよ。明日の午後にでも来てください」

家に帰ったら、しみちゃんはひとりでベッドにだらだら寝そべっていた。
邪魔をしそうな母猫ふぁーちゃんは留守。
「明日の午後連れてきてください」と言われたが、今が毒を盛る(薬だろう)チャンスかも!
善は急げとばかりに、再度先生に電話をかけて予約した。
そしてしみちゃんを寝室に隔離し、缶フードに薬を埋め込んで、ドキドキしながら差し出した。

しみちゃんはあっさりそれを食べた。

10分ほどして、ややだるそうな様子を見せたが、
眠り込むことはなく、捕まえてカバンに入れようとしたら、ピョンと逃げるのだった。

…あかん。
これもう、薬の効果をあてにせず、無理やり連行するしかないと私は覚悟を決めた。

しばし思考した結果、今回はカバンではなく、ダンボールを利用することにした。
ダンボールの方が大きいし、フタを閉めやすいのだ。
そもそもあのカバンは、どう考えてもしみちゃんには小さすぎる。
「役に立たなさそうだな~、役に立たないかもな~」と思いつつ買ったが、やっぱり役に立たなかった。
あのペットショップの呪いにかかったのか、それとも私の安物買いの性分が災いしたのか…(後者だろう)

しみちゃんにエサを追加してあげ、満腹になって油断しているところを背後からはがいじめにして、
最終的に、ダンボールに閉じ込めることに成功した。
なんと、人間やればできるものだ。

私はダンボールを縦に抱え込み、フタ部分をお腹でブロックした状態で家を出て、
再びタクシーに乗ってペットクリニックへ向かった。
暗闇に閉じ込められた気の毒なしみちゃんは、「ああ~ん、あお~ん」と盛大に泣き叫んでいる。
タクシーの運ちゃんは、「猫をダンボールに入れるなんて…ちゃんとケージで運べば」といらぬおせっかいを焼く。
ああ私、心労で老けるかも…

診療所に足を踏み入れて扉を閉め、しみちゃんを解放してから、
私はカメラを家に忘れたことに気づいた。
痛恨である。

ムアイイド先生は、診療所内で逃げまくるしみちゃんを見て、
「なぜこの猫はこんなに元気なんだろう。薬を飲ませなかったんですか?」と不審な顔をした。
飲ませたのに効かなかったんです~

窓辺の隅っこで怯えているしみちゃんに、先生は忍者のようにしのび寄り、サクッと麻酔注射を打った。
15分ほども経過した後、しみちゃんはようやく意識を失った。



しみちゃんとアゴの傷



痛々しいけど微笑んでいるところがシュールでしょ













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庭のカメさんと猫たち(2)

2014-10-17 01:57:46 | ヨルダン(猫中心)


以前、「庭のカメさんと猫たち」という記事を載せましたが、今回もカメと猫の写真です。

庭で放牧(?)されているカメ(大家さんたちが飼っている)と、その近辺を徘徊する猫。
彼らの間には、特に心の交流はみられない。
クールな関係なのだ。


よく庭を散歩しているカメ。いつ冬眠に入るのか



ルーコラをあげてみたら、食べなかった…新鮮なやつなのに、ショック。やっぱりキュウリのほうがいいのか



そこへ、ストミケが突入し、私にすり寄る



ストミケとは、ストーカーっぽいミケ猫を意味する。
この三毛は私をマークしていて、窓辺や玄関口で待ち伏せし、
一日に何度となく食べ物を要求するのだ。
体をすりつけて甘えるので可愛いんだが、ちょっとストーカーっぽい。

隣人のインド人男性(彼も猫好きで、よく猫たちにエサを振舞っている)もそれに気がついたようで、
「この猫、いつも君を待ち伏せしてるよね」と言っていた。

話は猫と亀からそれるが…

私はろくに近所づきあいをしない引きこもり体質なので、このインド人男性ともめったに会話を交わさないのだが、
たまに立ち話をすると、必ず仕事や移民の話になる。
彼はアンマンのロレックス支店の顧客センター勤務で、修理を担当している。
しかし、「ヨルダンは給料が低いから、どこかにまた移民したい。できればイギリスかカナダに」と考えているようだ。
そして、無職の私を気にかけて、仕事情報をくれたりもするのだ。
「夏に研修に行ったスイス(ロレックスの本場ですね)に、日本人の社員がいたよ。
 電話番号を教えてあげるから、連絡してみれば?
 なにか仕事がもらえるかもしれないよ」
いい人なのだ。
こういう話をしていると、「アジア移民同士の連帯感」を感じて妙に楽しい。


インド人男性のアパートの前のストミケ



そうこうしているうちに、うちのしろちゃんも登場。



ちなみに、空のペットボトル容器を散らかしたのは大家さんたちだ。
インド人の彼は綺麗好きだから、よく家の周りを掃除している。
私なんて家の中でさえ2週間に1度しか掃除しないし、家の外に至っては…


庭の鳩用の容器から水を飲むしろちゃん。うちにも水おいてるのに



しみちゃんもやってきて、オリーブの木陰に寝そべる。しみちゃんはどこにでもすぐ寝そべる



ストミケは食べ物のことしか考えていないと思う




昨日の夕食
トマトとほうれん草のペンネ
アンチョビと塩をニンニク、レモン汁で味付け。
トマトペーストと唐辛子ペーストも入っている。
これはまっとうなイタリア料理なのではないだろうか、私としたことが…





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