外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

エジプト・カイロ滞在記・2010年3月末~2010年9月末(6)最終~バハレイヤ・オアシスの白砂漠編~

2021-02-07 19:11:36 | エジプト

 

今回は2020年9月下旬、エジプト出国の少し前に西部のバハレイヤ・オアシスに旅した時の話。

 

早朝にカイロから長距離バスに乗り、約5時間後にバハレイヤ・オアシス観光の拠点となっている村に到着した。バスを降りたら、オアシス観光ツアーの客引きさんたちが我先に寄ってきたので、一緒に行った友人たちと相談しつつ交渉し、ガイド付きの4駆を借り切って1泊2日で見どころを回るツアーを選んだ。夜は砂漠でキャンプ。夕食と朝食はガイドの男性が作ってくれた。翌日の昼頃に村に戻って、車でカイロ行きのバス乗り場に送り届けてもらう予定だった。

 

車は広大なバハレイヤ・オアシスの砂漠を疾走し、火山岩の玄武岩からなる「黒砂漠」、水晶のかたまりが小さな丘状になっている「クリスタルマウンテン」、温泉の足湯スポットのようなところなど、点在する観光名所を何か所か回ってくれたのだが、その中で私が写真に撮ったのは、石灰岩の奇岩がニョキニョキ生えている「白砂漠」だけだった。白砂漠があまりにステキすぎて、他のものにはあまり目がいかなかったの・・・

 

「白砂漠」はこれ。 ステキじゃないですか??

 

現代美術のアーティストが気まぐれで作ったメレンゲのようで、なんとなく美味しそうでもある。きっとサクサクで甘いのよね。(妄想) 岩の周りの地面も雪が積もったみたいに白くなっていて、これまたハートわしづかみだ。

 

白砂漠の1番の見どころはここ。「キノコとめんどりの対話」と名付けたい情景だ。

 

白い石灰岩のキノコとめんどり。キノコくんが「雨が降ったりすると、少しづつ顔が剥がれ落ちていくんだけど、どうしたらいいだろう」と相談して、めんどりさんが「宇宙の全てのものがいずれ形を失って消えていく運命だから、気にしないでいいのよ」とか言ってそう。(妄想2)

 

夕暮れ時の砂漠。清少納言がこの風景をみたら何と言っただろうか。

 

 

 

 

静かに夕陽に沈みこんでいく岩山と砂漠。薔薇色の空から次第に光が失われ、薄闇の中に小さな星が輝き始める。ああ、遥々ここまで来てよかった、うっとりこ・・・となる私。しかし、こういう場所でキャンプをすると、トイレに困るのもまた事実である。美しいものには棘があるものよね・・・

 

 

ガイドをしてくれたのは地元の若い男性で、ネグリジェのような伝統的な男性の衣装ガラベイヤを着ていた。彼が車を運転し、説明し(多くは語らなかったが)、焚火を熾して食事やお茶を用意し、テントを張るなど、なんでもこなしていた。

 

 

 

夜はどこからともなく彼のお友達が現れて、焚火を囲んでお喋りしていった。ガイド仲間とのことだった。

 

 

砂漠のキツネも登場し、ペットボトルに用意された水を飲んでいった。星の王子様の世界だ。

 

夕食は、鍋でトマトやジャガイモなどを炒め煮したものと、その鍋で炊いた米という簡素なものだったが、びっくりするくらい美味しかった。焚火のせいか、素材がいいのか、砂漠のマジックか。肉料理もあったかもしれないが、よく覚えていない。お茶も美味しかった。翌日の朝食は、パンと卵の焼いたもの等だったと思う。(たぶん)

 

朝、村に戻る道中で立ち寄った観光スポットで私たちがのんびりして、長い時間を過ごしても、ガイドの彼は全然急かそうとはせず、やりたいようにやらせてくれた。その結果、村に戻るのが遅くなり、カイロ行きの公共バスに間に合わなくなるという事態が発生してしまった。とりあえずホテルで昼食を取って待機。結局、ツアーを催行した会社がミニバスを出してカイロまで送ってくれることになった。大きい公共バスよりも快適で楽なので、私たちは得をしたわけだが、ガイド氏はボスからかなり怒られたと思われる。気の毒な事をした。コロニャで今は仕事がないと思うが、彼や他の村人はどうやって暮らしているんだろうか。

 

(参考)

エジプトの秘境バハレイヤ・オアシスは在住歴9年の私が教えたくない絶景が待っている

https://tabippo.net/bahariya-oasis/

 


エジプトにある一面真っ白な砂漠の風景『白砂漠』

https://wondertrip.jp/11581/

 

 

これで、2010年3月末~2010年9月末のエジプト・カイロ滞在記は終わり。ここまで読んで下さった忍耐強い方、どうもありがとうございました~

 

(終わり)

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする