ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

今年最後に

2013-12-31 15:41:17 | 日記
昨日、パートでホームヘルパーの仕事をさせて頂いている事業所から電話があり、「明日、大晦日だけど仕事に出られますか?」と言われた。

私が担当している80代の男性が、ここ1ヶ月あまり入院をしていた為、ずっとヘルパーの仕事が休みになっていたのだが、年末に退院できたため、担当のヘルパーである私に来て欲しいとのことだった。

うちの掃除や料理はおおかた終らせてあるので、1軒くらいのお仕事なら大晦日でも大丈夫。

なにより、久しくお会いしていなかったおじいさんの様子が気になっていたので、すぐに「行けます」と返事をした。

そして今日、一ヶ月ぶりにおじいさんの家へ行ってきた。

チャイムを押すと奥様が出てこられ、ご主人であるおじいさんが肺炎を起こして大変な状況だったと話してくださった。

居間に入ると、おじいさんはいつもの椅子に腰掛けていたが、ずいぶん痩せてしまったように見えた。

「おはようございます」と声をかけると、振り返って「おぉ、あんたか。逢いたかったよ」と言って、笑顔で両手を差し出してこられた。

すぐにその手を握ってあげると、「もうだめかと思った。あんたにも、もう会えないかと思ったよ」とおっしゃって涙を浮かべられた。

その後、入院中のことや体調のことなどお話をされ、そのあとは、私の父や家族のことを聞きたがった。

もちろん、おじいさんは私の父にも家族にも会った事はない。

なぜ、私の父や家族の話を聞きたがるのかと言うと、多分、娘や孫がいたらどのような暮らしをしていたのか、私の父を自分に置き換えて、想像しているのではないかと思う。

おじいさんは私の父と同じ年齢だった。

それを知ったおじいさんは、よく「お父さんはどうしてる?元気か?」と聞いてくれるようになった。

そして、私の子どもたちの事も「元気か?」と聞いてくれるようになった。

おじいさんは、2度の結婚をしたが、結局お子さんには恵まれなかったそうだ。

だから、私を見ると、もしも娘がいたらこんな感じだったのかと思っているのだと思う。

また私の子どもの事も、もしも孫がいたら、これくらいの大きさになっているのかと思っているのかもしれない。

仕事を終えて挨拶をすると、おじいさんはとても優しい笑顔で見送ってくれる。

だから、仕事の帰り道は、私の方まで優しい気持ちになれるような気がする。

帰宅途中、事務所に寄ると「喜んでくれたでしょ?」と同僚に言われた。

「おじいさん、ずっとあなたに逢いたいと言っていたそうよ。やっと逢えて、きっとすごく喜んだんじゃない?」

そう言われて、先ほどのおじいさんの涙ぐんだ顔が目に浮かんだ。

週に一時間だけの短い時間だが、そんな風に待っていてくれる人がいるというのは、仕事をさせて頂く上で、最高の贈り物かもしれない。

それと同時に、私などにそう思っていただけるとは・・・と、もったいなさもある。

そして、やはり物やお金じゃないんだよなあ~と思う。

もちろん仕事で頂くお金は嬉しいが、その嬉しさもずっと続くことはない。

お金や物は、いざ自分の手に入ってしまうと、その嬉しさが徐々に薄れていってしまう。

だから、いくらあってもキリがないのだと思う。

でも、他人から受けた優しさや温かい心は、その嬉しさがずっと続く。

ずっと、ずっと私の心の奥が喜んでいる。

こんな風に嬉しい気持ちで、今年を終えることができて本当に幸せだと思う。

家族を始め、周囲の多くの人たちに感謝して、新しい年を迎えたいと思います。






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