久しぶりに妹とライン。
実は妹に知らせたいことがあってラインをしたのだけど、用事は一瞬で済み、あとは近況報告など他愛もない話をした。
その中で妹が気になることを言った。
「そういえばお彼岸に不思議な事があってね、、、旦那さんと二人で、亡くなったお父さん(私と妹の父)のことを話していたら、突然お父さんの匂いがし始めたんだよ。これは旦那さんも感じて、びっくりしたー。お父さんのことを話していたから、きっと来たんだね」
この話を聞いて思い出したのは、お盆の時に義父母のいた部屋でご飯を炊く香りがしたことで、それを話したら妹が言った。
「やっぱりさ、霊界体験ツアーみたいなのがあったとして、え〜こんな感じの所だったの?悲しんで損した〜!みたいな所に死んだら行くのかもね」
霊界体験ツアーって、、、思わず笑ってしまったけど、悲しんで損した〜っていう所っていうのは、あながち間違いではないのかもしれない。
魂は生き通しだから、特にまだ死んで間もない魂なんかは、現世に近くて、現世と似たような場所にいるのかもしれない。
ただそこはゴールではなくて、その先まだ行かなければならない場所があるような気がするのだが、、、
でも、とりあえず霊界と呼ばれる場所まで行った魂はまだいいと思う。
そこまで行っていない魂は、どうしているのか。
先日の旅行で、夕方の高速バスに乗った時のことだった。
高速バスなので、ほとんどノンストップで走り続ける。
途中で一度だけ、トイレ休憩でパーキングエリアに停まった。
パーキングエリアに着いた時にはもう辺りは真っ暗で、そこは期待していたお土産屋さんのある大きなパーキングエリアではなくて、トイレと飲み物の自動販売機があるだけのちょっと寂しいパーキングだった。
「10分間、停車します」という運転手さんの言葉に急いでトイレへ行き、また急いでバスに戻った。
席に座って出発を待っていたら、すぐ横の通路を人が通った。
バス前方の乗車口から入って、後ろの方の席へ歩いて行ったその人を見て、とても違和感を感じた。
年の頃は20代か30代くらいの女性。
チャック柄の襟のあるシャツを着てズボンを履いていた。
ここまでは何もおかしくないのだけど、違和感を感じたのは、女性の身体がまるで透けて向こうが見えるくらい薄かったことで、例えるなら、映写機で空中に映像を映したような薄さだった。
もちろん、この世の方ではないことはすぐにわかった。
あの女性は、いつもこうして停車したバスに乗ってくるのだろうか?
バスに乗って、どこへ行こうとしているのか?
いつまで繰り返すつもりなのだろうか、、、そんなことを考えてしまった。
肉体が無くなったことも分からず、この世にとどまることは苦しいだろうと思う。
だから、生きている間に出来るだけ執着を無くす努力をしなければいけないのではないかと思う。
そして、一日一日を悔いなく生きる。
毎日はできなくても、せめてそう思って生きているだけでも、少なくとも幽霊にはならないような気がする。
「コロナが怖くて、あんまり外に出ていない」という妹に「出来るだけやりたいことをやろうよ。楽しもうね」と話した。
そういう私も、他人の迷惑にならない限り、やりたいことはやろうと思う。人生は短い、、、
帰ってから、バスの女性にはお線香をあげさせて頂いた。
どうか行くべき場所へ行けますように。