60年、北海道に住んでいても行ったことが無い場所がまだまだある。
根室市もその一つ。
根室の近くの知床は何度も行ったのだけど、根室は行ったことがなかった。
そこで今回は初めて根室へ行ってみることにした。
その前に中標津町で有名な観光スポット「開陽台」へ寄り道。
開陽台(かいようだい)が有名になったのは、「振り返れば地平線」という佐々木譲氏の小説で、北海道をバイクでツーリングする話だそうだが、その中で開陽台が登場するのだとか。
見渡せばぐるりと330度の大平原が広がる雄大な眺望が、ライダーの口コミで広まり、北海道を旅するライダーに聖地と呼ばれた所だそうだ。
それにしてもつい数年前までライダーをやっていた夫が、この小説を読んだことがあるのか無いのか、、、開陽台へ行っても何のコメントも無かったので、多分読んだことが無いのかもしれない。
せっかく夫自らバイクをやめる決断をしたので、小説の話はしないでおこうと思う。
焼けぼっくいに火がついてはいけないので(笑)
開陽台の展望台から見た景色。
地平線が見える雄大な景色を見ていると、日常生活の悩みなど、ほんの小さなことに思える。
ところで開陽台近くの道路に立っている標識が珍しかった。
動物に注意の「牛」の絵はまだわかるとして、馬に乗った人の絵というのは初めて見た。
開陽台付近には、ライダーのほかにカウボーイもいるのだろうか、、、
というわけで、開陽台を後にすると根室へ向かった。
根室に入って感じたのは、北方領土返還という看板がやけに多いことで、同じ北海道でも、他の地域では北方領土返還をあまり目にすることが無い。
根室がこれほど多いのは、北方領土が肉眼でも見えるくらい近くて、国境の海では漁船がロシアに拿捕されるなどの事件が相次いでいることもあるのだろうか。
本土最東端の「納沙布岬」
納沙布岬からは、北方領土である歯舞群島の貝殻島や水晶島がすぐ近くに見える。
望遠鏡を使って見ると、水晶島にロシアの監視塔やレーダー施設を確認できて不気味さを感じる。
写真には映らなかったが、この海の先に水晶島が見える。
「北方領土モニュメント四島(しま)の架け橋」
アーチ状のモニュメントの向こう側に見える塔火台には、昭和47年5月に祖国復帰を実現した沖縄県波照間島で自然発火し、青年団体によるキャラバン隊により太平洋、日本海の両コースを通って各都道府県庁に立ち寄って根室納沙布岬まで運ばれた「祈りの火」が「北方領土返還運動の火を絶やすな」という合言葉のもとに、現在も燃え続けている。
モニュメントを見学している時に、見回りに来た地元の方とお話することができた。
今年になって二度も、モニュメントに「奪還」と大きく落書きをされて、監視カメラを付けるのと同時に見回りもしているそうだ。
これは大きなニュースになったので知っていたが、地元の方は大変怒っていらした。
まったくどういうつもりで二回も同じ落書きをするのかと思うが。
「祈りの火は、四島すべてが戻って来るまで燃やし続けるんだ」と、地元の方が話しておられた。
北方領土はいつの日か戻ってくるのだろうか?
先祖が北方領土に住んでいた人は特に、北方領土の返還が悲願であろうと想像できる。北方領土は、あまりに不条理にロシアに奪われた。
そして私も返して欲しいと思うが、それと同時にアイヌ民族のことが頭に浮かんだ。
北海道開拓のために、アイヌ民族が住んでいた土地を奪うことがあっただろう。
また言語も明治政府の同化政策によって、それまで使っていたアイヌ語から日本語にしたという経緯がある。
そのような事を思いながら、最東端から海を眺めてきた。
この後、帯広へ行き美味しいスイーツをお土産買ったのだけど、それを書きだすとブログ記事が終わらないので、この辺にしておきます。。。