朝起きてカーテンを開けたら、新雪をかぶった美しい景色があった。
「きれいだなぁ」と思ったのもつかの間、急いで寝ている長女を起こしに行った。
というのも今日は長女が仕事に行く日であり、こんなに雪が積もったのでは、きっとバスが遅れるだろうと思った。
早いバスに乗らないと間に合わないかもしれない。
いつもより一時間早いバスに乗ることにして、またバスが来なかった時を想定して、私も一緒にバス停まで付いて行くことにした。
バス停までの道は50センチほどの雪で埋まっており、前を歩いた人の足跡通りに歩いても長靴の上から雪が入ってくる。
そしてやっとバス停に着いたものの、いくら待ってもバスは来る気配なし。
30分ほど待って、あきらめて家に戻ろうかと思った時にやっと一台のバスが来た。
ところがバスの行き先が違う地名になっている。
運転手さんに状況を聞こうとバスに向かって歩き出したら、運転手さんがわざわざ降りて走って来てくれた。
「今、道が渋滞でひどいことになってるんだわ。どこまで行くの?
ああ、そっちへ行くバスだったら来ないかもしれないよ」
除雪が間に合わず道幅が狭くなって、どこも渋滞で車が進まないのだという。
「途中の大通りで降ろしてあげるから、そこで待った方がいい」と運転手さんはご親切に言ってくださった。
しかしお金も持たずに来てしまったし、長女一人で行かせるにはハードルが高い。
このまま諦めて仕事を休ませるか、それとも他の方法はないかと考えた結果、一か八か車で地下鉄駅まで行くことにした。
バスの運転手さんが教えてくれた通り、しばらく行くとすぐに渋滞で進まなくなってしまったが、頼りになるグーグルくんが空いている道を教えてくれたので、渋滞を避けながら地下鉄駅までたどり着くことができた。
地下鉄に長女を乗せたらひと安心。あとは雪には関係なく時間通りに目的地へ連れて行ってくれる。
自然の景色もいいけど、やっぱり地下鉄沿線はいいなぁ。冬にバスが止まると尚更そう思う。
今度住むなら地下鉄沿線だな・・・と思ったが、現実的にはもう地下鉄沿線に住むことはないかもしれない。
この年になると、除雪問題を考えても住み替えは一軒家ではなくてマンションという選択になるが、今、市内のマンションの価格は高騰しており、簡単に住み替えを考えることができなくなってしまった。
これは街の中心部に限らず、郊外でも値段が上がっているそうだ。
「30年前に中古で買ったマンションが、今も買った時の値段で売れるみたい」と、地下鉄沿線のマンションに住んでいる義理の姉たちが教えてくれた。
しかし値段が上がっているのはマンションだけではない。
宅地を含めて不動産全体は、二年前より1・4倍値上がりしているそうだ(銀行の人が教えてくれた)
特に宅地は、すでに札幌市内にはないのだとか。
そこで宅地を求めて人が近郊の町へ流れるため、近郊の町も値段が上がっているそうだ。
札幌は以前から子どもを頼って高齢者が地方から移り住んでくると言うので人口が微増していたが、宅地がないというのはちょっと意外だった。
誰も住んでいない実家のような中古住宅ならあるのではないかと思うけど、新築用の宅地だとないのかなぁ。
「この値上がりの状況は、少なくても今年の夏までは間違いなく続くと言われています」と銀行の方は言っていたが、なぜバブル時代でも無いのに不動産の値段が上がるのだろうと思う。
聞いてみればよかった、、、
それはさておき夕方になってさらに雪と風が強くなってきた。
バスは動いているのか、いつでも迎えに出られるようにスタンバイしている。