ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

借りたもの

2023-02-13 14:07:23 | 日記

知人の女性が、旅行へ行って来たと話してくれた。

女友だちと二人で行ったそうだ。

写真を見せてもらいながら「よかったね、楽しかったでしょう」と言うと、少し困った顔をして言った。

「うんまあ楽しかったことは楽しかったのだけど、友だちがちょっとお金にルーズで、、、」

彼女曰く、旅行中に食事などの支払いをする時、後ろに他のお客さんが並んでいると、個別に払っていては迷惑になると思い「まとめて払ってあとで精算しよう」と提案したそうだ。

まとめてお金を出すのはいつも彼女の方だったが、友だちはそのあと自分の分を出そうとしないそうだ。

何度かは催促して貰ったものの、あまりうるさく催促するのもケチだと思われるのが嫌で黙っていたら、結局返してもらうことなくそのままだったという。

「彼女に悪気はないと思うのだけど」とフォローしつつ、「今度彼女と一緒の時は、個別に払うことにする」と言っていた。

せっかくの楽しい旅行が、その一点で後味の悪さが残ってしまったのだとしたら残念なことだと思う。

でも彼女の話を聞いて「あ〜そういう人いるなあ」と思った。私も何度か似たような経験がある。

千円程度なら奢ってあげたと思って仕方ないかと思うけど、こういうことは金額に関係なく、出した方はちゃんと覚えているものだ。

これはお金に限らず、物に関しても言える。

借りた方はすっかり忘れているかもしれないが、貸した方はいつ返してくれるのかとずっと気になっているかもしれない。

この知人の話を聞いて思い出したことがある。

ある男性の話だが、一人暮らしの部屋でくつろいでいると背後に人の気配を頻繁に感じるようになったそうだ。

振り返っても誰もいない。でも誰かにずっと見られているという感覚は消えない。

最初は気のせいだと思っていたが、そのうちにだんだん気配を強く感じるようになり、また時を同じくして、なぜか仕事が上手くいかなくなっていき、次第に身体も心も病んで仕事を休みがちになってしまった。

会社に行かなければ、、という気持ちはあって、無理して出社するのだけど、あまりの体調の悪さに上司から「帰って休め」と言われる。

それならば自分の仕事を同僚に頼もうと、周囲に声をかけるのだが、誰一人引き受けてくれる人がいなかった。

そうこうしているうちに会社から退職勧告を受けて、体調が戻らないまま退職することになったそうだ。

それまで暮らしていた部屋も出て行くことになり、一人で引越しの準備をしていたら、これまで人から借りた数々の品が出てきたそうだ。

借りたことはすっかり忘れていたが、その中には会社の同僚たちから借りていた物があって、中には「いつ返してくれるのか」と再三言われていた物もあった。

「そのうちに返そう」と思いながら、まだ返していなかったと、その時やっと気づいたそうだ。

もし彼が借りた物をちゃんと返していたら、どうだっただろう。

同僚らは、具合の悪い彼のために仕事を引き受けてくれたのではないだろうか。

そしたら会社を辞めるまでは行かなかったかもしれない。

借りた方はすっかり忘れていても、貸した方はずっと覚えていることが多い。

一度そういうことがあると、「あの人はルーズな人だ」という悪いイメージが付いてしまい、いざという時に手を貸そうと思ってくれる人が居なくなる可能性がある。

その男性は、最後に借りた品々を返してから会社を辞めようと思い、返せる人たちには漫画本一冊であっても謝りながら返して歩いたそうだ。

そして新しい部屋に移った男性は、もう背後に人の気配を感じることがなくなり、体調も戻ったそうだ。

視える方によると、男性の部屋の人の気配というのは、部屋に憑いていた霊ではなくて生き霊なのだとか。

彼が謝って返したことで、体調が戻り気配も無くなったのだという。

信じるか信じないかはあなた次第。。。

でも生きている人の念は、凄まじく強いものだ。

これからも借りたものは、忘れずに(お礼を言って)返さねばと思う。

 


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