鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

真珠夜話⑦月の流した涙色

2017-01-28 04:45:54 | 宝石

旧正月、そして、新月。


宝飾品について書くのも久しぶりです。
なんか、嬉しいな・・・。

真珠については、2012年頃、何度か書いていますが、あの頃は、真珠ばっかり買ってましたね。
今は、手許不如意なので、宝石には、縁がございません。

本日の画像(相変わらず、下手ですが・・・)

去年(・・・といっても先月)の誕生日に、相方のコレクションから、ひとついただきました。
アンティークの域には、達しませんが、18Kの台座の周辺に、ミニパール5個を配した可愛いデザイン。

真ん中のパールは9mm珠くらいでしょうか。

現在のデザインなら、ミニパールをあしらうというよりは、メレダイヤなどを象嵌するのだと思います。
ダイヤでも可愛いいかな・・・。でも、ミニパールだと雰囲気が、もっと可愛い気がしますね。

優しい月のいろ。

ルースは、3年くらい前にいただいたもので、画像だと小さく見えますが、ふたつとも殆ど、同じ大きさなので、リングの真珠が傷ついたときは、交換してもらおうかな・・・と思っています。

真珠は、デリケートなんで、ガサツな私には、不似合の宝石です。

このリングを頂く前に、相方の(御父上の所持品だったもの)コレクションを100点ばかりみせていただきました。
その中から、気に入ったものを・・・ということで、いただいたものです。
(実は、もっと欲しいものがあったんです。ルビーとかダイヤモンドとか・・・。でもかなり高価そうだったので、こちらにしました)

『どれも、宝飾品としては、あまり価値がないもので、高く売れないし。ヘタに宝石がついているものよりも、金、プラチナだけの地金の方が、売却しやすいし・・・。』

そういうものなのですね・・・。

宝石類は、買ったときの1/2以下・・・大抵は、1/10くらいの値段になるのが相場みたいです。
(ダイヤモンド、ルビー、エメラルド以外は、あまり値段がつかず、金地金の重量での取引になるものが多いようです。もちろん、宝石の質にもよるそうですが・・・)

真珠のリングは、淡水ミニパールの安物しかもっていないので、コレは、嬉しいプレゼントでした。

私が、自分で買ったものは、ちゃちで、チープな換金もできないようなものばかりです。




遊色(3)恐竜オパールと骨

2016-03-23 05:24:57 | 宝石

オパールの遊色は、閉じ込められた水によるものであるらしい。
乾燥には、著しく弱いから、密閉できるような宝石箱での保管が望ましい・・・とのことで、結構、神経質な宝石のようだ。

数万、数十万、数千万年の時の経過の中で、地熱と圧力と地殻の様々な物質の含有量で、その美しさが決まるのが、宝石。

ダイヤモンドは、無色透明、亀裂や内包物がない物が、高値で取引されているけれど、中には、様々な美しい色をもつダイヤモンドもあったりする。

ルビーとサファイアもほぼ同じ成分でできているけれど、銅だか、アルミニウムだかの含有率の違いで、赤いものだけが、ルビーとなり、その他は、サファイアと分類される。

偶然が生み出す神秘の宝石。
だから、ヒトは、宝石に魅了されるのだろうなぁ・・・。

数回に渡って、オパールについて、アレコレ、ど~でもよいようなことを書き綴ってきたけれど。

オパールの取引で、高額な値段がつくのは、やはり、遊色による色の変化のうち、『赤』い色が、表れるものが、最高とされるようだ。

私は、少し青味がった乳白色の石の中に、鮮烈な青や紫が、でるものが好きだ。
恐竜オパールでも、燐光というか、青味がかっているものが、一番神秘的で、綺麗だと思っている。


死して、オパールになる・・・という夢は、実現しそうにないけれど、やはり、自分の骨が、オパールになったらいいのに・・・という幻想を捨てることが出来ない。

無理なものは、無理なんだけれど。

私がしつこく、オパールになりたい・・・と言いづつけたモノで、相方は、もう呆れかえって、このバカは、どうしようもないと思ったのか、代替案を出してきた。

『オパールは、自然産物ですから、望んでオパールになることはできませんが、死んだときに、火葬する灰で、陶磁器を作るってのはどうですかね?ボーン・チャイナというか・・・あの吸い込まれるような白さは、絶品ですよ。マイセンかドコカに頼んで、作って貰ったらどうですか?自分の骨が、陶磁器になって残りますよ?』

・・・オパールは、諦め、死して、陶磁器になる・・・か。

それもいいかもしれないな・・・。

どれくらい(価格)で、できるんだろうか・・・?と、また、バカなことを考えている春の一日。





遊色(2)恐竜オパール

2016-03-22 05:25:50 | 宝石

最近は、オパールになりたい・・・と思っている。

人間的にどうの・・・というのではなくて、死んで、土に埋められて、骨か化石化して、オパールになる。自分の骨がオパール化したら、いいなぁ・・・などと夢想している。

『・・・だからさ。火葬しないで、どっか土に埋めて貰ってさ。』

例の如く、相方は、憐れむように言った。

『大根じゃあるまいし、なんでもかんでも、埋めればいいってもんじゃないよ。あのね。カルシウムとかが、オパール化するには、地熱だとか、火山とか、圧力だとか、物理的な要因が重ならないと、そういうふうにはならないんだよ。』

そういうことらしい。
骨が、オパール化するには、我家の裏の雑木林では、ダメなようだ(もともと、他人様の土地だしな)。

オパールの産地と言えば、オーストラリア、メキシコなんかが有名なところだから、あのあたりに、埋めて貰えば、何万年後か、何十万年後か・・・オパールになることが出来るだろうか?

『だから・・・そういうことじゃなくて。宝石は、ダイヤモンドにしろ、ルビーにしろ、偶然の条件がかさならないと宝石にならないんだよ。ダイヤモンドだって、ダイヤモンドにならなければ、只の炭素。墨と同じ。埋めるにしても、相当、深く、掘らないと、ダメだから。』

残念・・・。

(↓恐竜オパールの画像集です)

http://www.google.co.jp/search?q=%E6%81%90%E7%AB%9C%E3%82%AA%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AB&nord=1&rlz=1W1SNJB_jaJP443JP444&biw=1222&bih=519&site=webhp&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0ahUKEwjVzbfYoNHLAhUCLaYKHd1UBAIQsAQIIg

オパールになった恐竜や鳥の骨、貝類・・・太古に、確かに、生きていた者たちが、美しい燐光を放ちながら、宝石になる・・・。

なんだか、とても、憧れる。

自分が生きた証拠が、宝石になる。

いいなぁ。いいなぁ。オパールになりたいなぁ・・・。


本日の画像(恐竜オパールではありませんが)




昨日と同じく、過去に相方からいただいて、宝石箱の片隅にいたメキシコ(ウォーター)オパール。

銀細工。
朱色と緑色の遊色の小さなもの(1カラットくらいかも)。

オパールは、不吉なイメージがあるのも、遊色が浮かんでは消え、消えては浮かび、その本質が見極められないためだという。西洋では、忌み嫌われているようだけれど、日本人には、人気が高いと聞く。

そういえば、家人もオパールが好きで、所有していたオパールは、私が、借りて、出先で失くしてしまった。
現在、やっとオパールの美しさが、解る?年齢になったのかもしれない。
家人は、最近、宝石など見向きもしない。


それにつけても・・・やっぱり、死んだら、オパールになりたいよなぁ(←しつこい!)。





遊色

2016-03-21 05:21:05 | 宝石

相方の死蔵品(・・・というか、御父君の形見)の宝飾品のうちのいくつかは、私の所有するところとなっている。

誕生日だとか・・・贈り物だったり、別に普通の日だったり・・・脈絡もなく贈られたりして、数も少し増えた。

『アンティークというには、新し過ぎるし、かといって、今風の意匠じゃないから、時代遅れの感が強いし、まぁ、あまり価値のあるものでもないのだけれど。でも、少なくとも、金やプラチナなんかの地金の分だけは、現在の取引価格に相当するくらいにはなるでしょう。宝石は、ダイヤモンド以外は、ほとんど価値がないものばかりだから。』

全て、見せて貰った訳ではないので、あとどのくらいあるのか・・・。

彼にとっては、役に立たない・・・まさに、死蔵品らしい。

昭和の中頃。
相方の御父君は、時計・宝石商をしていて、宝飾品は、業者から仕入れいたようだけれど、お店で、売る気はあまりなかったようで、その時々の趣味?というか、単なるコレクターくらいの感覚でしかなかったらしい。

・・・本日の画像。

      

昭和中期のオパールリング。

このデザインは、如何にも・・・という感じで、私の指には、緩すぎるし、地味だし・・・。

和服など着る方にはよさそうなのだけれど、あまり気に入っていなかったので、宝石箱の片隅に追いやられていた。

ところが・・・在る日、取りだして、蛍光灯の光のしたで、シミジミ眺めていると、物凄い遊色の石だったと知った。

写真では、上手く撮れなかったのだけれど、とにかく、オレンジ色が物凄い。
更に、紫、青、黄、ピンク、赤、緑・・・様々な色が、浮かんでは消え、消えては浮かび、見ていて飽きない。

こういうものが、本物の宝石というのだろうか・・・と思った。

相方から、贈られた時に、

『7色出ますから、数えてみて。』

と言われていたけれど、もともとオパールは、あまり好きな宝石ではなかった。

一寸見、だだの乳白色で、カタチものっぺりしていて、時々、朱色が見えるものの・・・。

宝石は、ルビーとかサファイアとかの透明感があるものしか好きじゃなかったから。

オパールは、不吉な石と言われている。太陽光の下では、死んだように輝かない。

夜の人工的な光の中で、様々な色を浮かび上がらせ、ミステリアスに輝く。

恐竜の骨が化石となって、そこに生まれるのが、オパールらしい。

公式の場には、タブーな宝石であることも知った。