鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『桜の森の満開の下:坂口安吾・著』

2008-03-27 21:01:13 | Weblog
今年も、桜の季節の到来です。

新聞広告で、ホテル・ニューオータニの宿泊プランを見たのですけれど、紀尾井町の満開の桜を眼下にみながら、花冷えの夜に、暖かいお部屋で、お花見プラン・・・。お食事も特製ちらし寿司やらお花見向けのルームサービスのようです。
いいなぁ・・・。今の季節、昼間は、暖かいですが、夜は、まだまだ寒いもんね。
お値段、お一人様31,000円だそうで・・・。


この桜の季節、いつも読みたくなる本があります。
坂口安吾の『桜の森の満開の下』。
この本を読むきっかけとなったのが、野田秀樹さんの『贋作・桜の森の満開の下』という演劇を見たので、改めて、原作を読んでみようかな・・・と思った訳です。
2000年前後だったと思いますが、新国立劇場で堤真一さん、深津絵里さんの主演。
原作の『桜の森の満開の下』と同文庫本に収録の『夜長姫と耳男』を合成して、1本の戯曲に再構築しての上演で、野田秀樹さんの旗揚げした『夢の遊民社』での上演に続いて2回目?だったと思いますが、違っていたら、すみません。

桜の森の満開の下で、盗賊の男は、いつも考えています。
もう少しで、何かがわかるような気がするのだけれど、いつもわからないまま・・・桜の季節が終わってしまいます。

桜は、人を狂気に誘う・・・坂口安吾のフォークロアな世界と幽玄さ、繊細な感覚が溢れた短編です。

満開の桜の下には、死体が埋まっているんだよ・・・梶井基次郎もそんなふうに書いておりますし、やはり桜は、美しい狂気に満ちています。

アドルム中毒だった坂口安吾の狂気の世界・・・。

ことしも桜が、咲き始めました。