鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

早春の両毛路-鍋島と伊万里の美術館(2)

2016-02-29 22:29:29 | 藝術
普通の年より、1日多い閏年の調整の日は、夕刻より雨・・・。


勾配のある広い山林の中に立つ収蔵品1万点という陶磁器の栗田美術館。

個人の収蔵で、数の多さでは、稀な美術館なのだと思う。

名称だけは、知っていたけれど、コレ程とは・・・。
まだ冬の残る寒い早春で、土曜日の午後3時少し前。
お客さんは、数える程。

花々の盛りには、まだ少し時間のあるゆるりとした土曜日。

伊万里は、輸出品で、鎖国当時の日本が唯一交易をしていた長崎に近い。
意匠は、日本由来の草花などが多いけれど、オランダ人を模した蘭人の絵付けは、カステラのパッケージを連想させるので、私達は、カステラ・デザインと呼んでいる。カステラは、スペインのお菓子だけれど、南蛮・・・ヨーロッパの風情が、エキゾチックな・・・そして、なんともレトロな感じ。


職員の方々も、閉館時間には、まだ少し間があるし、ギャラリーは、いないし・・・ということで、御片付けの時間らしかった。巨大な1メートルを超える現代の有田焼の大壺の展示フロアーでは、カーペットに掃除機をかけていた・・・。

大壺は、5点くらいの位置から、てぐす糸で固定してあるものの、触ろうと思えば、触れる・・・ガラスのケースの中の収蔵品ではない・・・そこで、掃除機などかけて、万一、なにかのアクシデントで、ぶつかったりしたら、割れるんじゃないだろうか・・・といらぬ心配をしてしまう。
一事が万事、ガサツなワタシなら、間違いなく、掃除機をぶつけてしまうだろう・・・それくらいマジかにある展示品。

私達が入館したので、折角始めたお掃除を中断させるハメになってしまった。
申し訳ない・・・と思うのは、入場料金が、1000円(インターネット割引)という安価さからで、お腹が一杯になるほどの鍋島・伊万里の陶磁器を見て、敷地内の里山風情を楽しみ、花を愛でて、館内の純粋?な日本家屋の中で、お食事が出来て(現在は、休業中)、お弁当持参でくれば、ピクニック気分にもなれるし、安価に、そして教養や審美眼を高められるには、絶好の場所である。
これから春の花盛りを迎えて、歴史の街でもある足利は、花の街でもある。



資料館の6階からは、真向かいに、藤の名所・あしかがフラワーパークを臨むことができる。
小高い山林からの展望は、両毛の平野を眺めながらも、足許には、可憐な福寿草が、小さな明るい黄色の花を咲かせていた。

閉館マジか。ゲート隣接の阿蘭陀館で、普段使いの陶磁器や、ちょっと手が出ない高額な商品なども見て回り、ご飯茶碗を購入。

高台は、明るい緑色に白い花の意匠。
中には、うさぎ。
そして、伏せてみると高台のうらにも、跳ね飛ぶうさぎの絵付け。

970円(税込)也。