七夕。
九州地方、豪雨災害。2年前の利根川氾濫のときのことなど思いだし・・・。
一昨日(5日)、相方と隣々市のシネマ・コンプレックスへ『忍びの国』を鑑賞に。
大野智さん演ずる伊賀の天才忍者・無門。
彼の前には、門がない。
彼を阻むことは誰も出来ない。
殺伐とした忍びの国。
責めかかる織田信長の大群を相手に、獣の心しかない伊賀の民の不思議な倫理。
虎狼の輩。ひとでなし軍団。
国の団結でもない。
人情でもない。
戦略でもない。
彼らを動かすのは、カネの為、喰うため。
ヒトの命なんか、紙切れ1枚より軽い。
普通の人間には、理解できない世界なのだけれど、現代社会の根幹???伊賀の人獣のDNAに支配されているのが、現代社会なのか???
織田の軍勢に打ち負かされても、滅びることが無い人獣たち。
敗戦で散らばった人々は、権力者の目を掠め、しぶとくはびこる。
彼らの根幹は、『ただ、生き抜くこと』
私は、公開前のコマーシャルフィルムを見たときに、期待してしまった。
戦略と忍者の映画だと勘違い?してしまった。(確かに、戦略と忍者の映画なのだけれど、私の想像していたものとは、かなり違っていたのでした!)
大野智さん演じる無門が、何故か、不思議な乾いた魅力があった。
無味乾燥な・・・何も考えていないような・・・とにかく、思想がない。ある意味、ものすごく、透明で、クリア?(←訳のわかんない日本語ですかね?透明でクリア?)
でも、そんな感じ・・・。
彼には、苦しみも喜びも・・・感情そのものがないような・・・ただ、お国(石原さとみさん)以外は???
奥さん???のお国さんも乾いてましたね。ニコリともしない・・・。
彼女も所謂『カネ』なのだけれど、それだけでは、ないような・・???
不思議な乾燥がココにも・・・???
オジさん俳優さんの力量が、凄い。
國村準さん、立川団春さん、でんでんさん、きたろうさん・・・とってもとっても、老獪な厭らしさ全開。
いい味出し尽くし。
或る意味、コッチの方が、面白かったな、私は・・・。
映画後半の無門と平兵衛(鈴木亮平さん)の対戦シーンは、見もの。
日置大膳(伊勢谷友介さん)の不思議な存在感といい・・・。
真っ先に思い出したのが、『カムイ外伝』(伊勢谷さんにカムイやらせたらよいかも???なんて思ってしまったり)。
非情な忍者の非情な世界。
無味乾燥?な美学?????????