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2021.12.02 私の中の、カメラの変遷


今年の4月にiphone12に買い替えた。
(スマホは2年で買い換えるべきという友人がいるが、私は、その倍の年数使っている。)
今度のカメラが、どのように進化しているか、楽しみにしていた。

私がまだ勤めていた最後の頃、カシオのデジタルカメラが出現した。
確か画素数が、10万画素ではなかったかと思う。
続いて、30万画素のものが出たが、いずれも画素数が荒くて、富士山を写すと、山の
稜線がギザギザに再現される荒さだった。
色彩も、鮮やかな真紅の被写体が、朱色に映ったりして、失望が重なり、とうとう、
自分は絵は描けないと思っていた私が、思い余って、パソコンで絵を描き始め、コン
ピューターグラフィックを齧ることになった。
その後、人の勧めで、50日間のグラフィック作品展を開催することになった。
あまりにも早く、あれよあれよと言う変化であった。
一番驚いたのは、私だったと思う。
パソコンというのは、なんでもありの世界だと私は思っていたが、その通りだったと
意を強くした。

パソコンという凄いものの出現を見てしまった私は、定年で勤めを辞めた時、こんな
世界があるんだと言う衝撃が大きく、定年後、自分の残りの人生を、この世界に掛けて
みようと決心して挑戦した。
しかし、自分は、芸術性、特に絵画の描写力に欠けていると思っていた私が、そうだ、
このまだ使い物にもならないカメラだけど、そのまさに黎明期から、その進歩に付いて
いけば、私でも何かができるのではないかと思った。
退職後に、買ったのは、ソニーの一眼レフ的なカメラで、中にフロッピーディスク
を挿入して、それに記録すると言う形で、誰も持っていない画期的なものだった。
40万画素だったと思う。真四角な形がオシャレだった。

その後、国内で販売する最後の機種ということで、大変な優れもののデジタルの
一眼レフを買った。
16万のものが8万になっていて、電気店のお兄さんが、これを絶対買うべき、二度と
手に入らない、自分も買うのだと言っていて、私も真似て思い切ってそれを購入。
そのころ、報道写真家が、デジタルカメラに切り替えていたが、彼らが肩に担いでいる
デジタルカメラは、300万すると言う話だった。
個人では、まだデジタル一眼レフを持っている人はいなかった時代で、そのカメラは、
さすが!おすすめの言葉通り素晴らしいものだった。
素人の私が撮ったのに、これは雑誌のグラビヤ写真かと思われるほど、深みのある写真
が撮れた。
十年前、兄弟三人で、上海旅行をしたが、このカメラのお陰で、素晴らしいアルバムが
出来上がった。
そのアルバムは、NHK・BS放送の「地球街歩き」の番組で放映された。
その放映の中で、アルバムの中に映っている私の兄の写真を見た、兄の古い友人が兄に
連絡してきたこともあった程で、いかに鮮明な写真かと思ったものだった。

その優れもののカメラも、使い勝手はまだまだで、すぐにスイッチが切れるので、
肝心のショットを撮るのに間に合わず、悔しい思いをしたことが何度もあった。
特に夜景の場合、映像もぼやけていたが、それよりも、夜景モードに切り替えて、
写そうとする設定段階で、制限時間一杯となり、スイッチが切れてしまう。
間に合わないので、写せるはずもなかった。
やがてそのカメラも寿命が来たので、スマホのカメラを使うようになり、その後、
スマホ3〜4台目となった。その後、毎回、その性能に期待することとなった。
今回はどうかと、iPhone12 の写真性能向上に期待していた。


遠くの夜景、綺麗だ。
これなら、なんとかいけるかなと、胸がときめいた。


街中も、綺麗。


東側は、奥の大阪方面が明るく輝いて、なかなか良い。



最後に、北側を撮る。これに期待していた。
え〜?これはアカン!
我が家の来客は、一様に驚きの声を挙げられる、素晴らしい光景である。
でも、写真では、ぼやけている。メリハリがない。光不足か。

十五年前の引っ越し準備の時、故のばらさんが、ここからの景色を初めて見て、
大歓声を上げた。「わ〜!おーちゃん、きれいよ〜!」と。
のばらさんは、引っ越しが決まった10月頃から、12月の引っ越し日の、その後ずっと
後まで、自分の仕事のない日は、3〜4ヶ月間と言うもの、毎日必ず、車で来てくれた。
だから、この夜景も彼女が先に見つけた。
その時、目に飛び込んできて、二人で感動したあの美しさは、今回のIPhone12では、
再現できなかった。
私にとって、iphone のカメラは、まだ発展途上にある。
あれほど感動していた緑色や青色の照明などが、ほとんど再現できていなかった。
つまり、いまのiPhoneでは、赤い色は再現できても、緑やブルーは、まだなのだと分かった。
期待値が大変高く、私は、いつも、新機種が出るたびに期待していて、更なる発展を
待ち続けているところである。

でも、カメラはまだでも、現実には 今も毎日、目視できるので、自分の目で見ること
はできる。
この夜景をみて、のばらさんを偲ぶことができる。ありがたく思っている。
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