【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

 外国人対象HAIKU教室

2018年06月19日 06時27分59秒 | 俳句教室
 外国人対象HAIKU教室
~HAIKU is two lines~

開催名 熊本市国際交流会館交流ラウンジイベント
〔対象〕外国人
〔日時〕平成30年1月20日(土)10時~12時
〔目的〕
1在住外国人への日本文化紹介 
2熊本市国際交流会館の市民ボランティアへ活動の場の提供
3熊本市国際交流会館の交流ラウンジの周知と利用促進
〔参加費〕 無料
〔講師〕 永田満徳氏(俳人協会幹事・俳句大学学長)
〔参加者〕 定員10名
参加者は8名1名欠席で、参加国(韓国、インドネシア、セネガル)で行った。
 一般財団法人熊本市国際交流振興事業団は事業の一つとして年々増加しつつある外国人住民に対して、意欲ある市民ボランティアと供に様々なサポートを行ってきた。代表的なものとして、生活に必要な日本語を習得してもらうための「くらしのにほんごくらぶ」や日本での災害に対応できるような防災訓練、また数々の日本文化紹介も行っている。
今回は、その中の一つである俳句にトライしてみた。私の高校の恩師である永田満徳先生が世界中に二行俳句を広め、外国人も簡単に参加している現状を知り、この企画がスタートした。
この企画で懸念する課題があった。その一つの課題は日本人の私でも難しいという先入観がある俳句をいかに外国人に興味を抱いてもらうか?参加に至るまでどのような広報をすればよいか等、開催までの課題はあったものの、当事業団のもつネットワークやSNS、また会館の外国人利用者への声かけによりほぼ定員に達する予約があった。次の課題は教室の内容である。実際には永田先生にまず俳句の二つの例を示して、説明的な言葉は省略すること、季語があった方が印象深いことなどを指導してもらったが、いかに専門用語をかみ砕いてやさしい日本語で外国人に紹介できるか。また、それを日本語の分からない人向けに翻訳する必要もあった。そこは、俳句の世界で通常使われている単語の中で分かり難いものを別の単語に変換してもらい、最低限のルールに留めてもらうなどの対応をして頂くことで解決した。韓国語と英語の通訳を用意し、ゆっくりとしたスピードでその都度質問を受けながら進めていった。それでもやはりいざHAIKUを作るとなるととまどっていた外国人には例題を提供するなど、先にできた生徒の作品を紹介し、講評しながら、永田先生と数名の日本人サポーターが指導して行った。その甲斐もあって全員がこつをつかみ、おもしろみも感じ始めた様子で、最後に自分の作品を発表する際にはすばらしい笑顔が見られた。
当日の一人一句は次のとおりである。

Snowflakes on the stories
Shadow of a house on the water
石の上の雪片
水の上の家の影

The falling snow
A rain of flowers for the eyes
初雪
私の目には花の雨

안개의 마을
마스크를 쓴 사람들
煙の村
マスクの人々

빨간 손과 입김
눈 쌓인 정류장
赤い手と白い息
雪のバス停

홍매화
다양한 구두의 하품
紅梅花
いろんな靴のあくび

이로리의 냄새
할머니의 미소
囲炉裏のにおい
おばあちゃんの微笑み

무너진 성 마른 가지에
까마귀 울음소리
崩れた城
枯枝に鳥の鳴き声

一人風呂
湯けむりは春の光り

一人一句の作品は書道体験の際に必ず行う毛筆で日本語や母国語で思いのまま短冊に書きとめ、思い出とお土産としてプレゼントにした。
今回は俳句を外国人に広める初の試みであったが、内容的に日本人サポーターが必要不可欠で、少人数での開催が望ましいイベントではあるが、講師と当事業団の持つネットワークがコラボしたすばらしい活動に仕上がった。参加者からの反響もよく次回への手ごたえも感じた。
また、この作品は当会館で毎年開催する「多文化共生月間」に外国人の作品として展示する予定である。彼らの作品にはっと驚く市民のみなさんの顔が想像でき、担当者として喜びを感じている。
(レポート・工藤万佐子)
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