【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

100年俳句計画12月号

2022年11月27日 05時17分00秒 | 100年俳句計画
100年俳句計画12月号作品12句掲載!
 
〜 【百年百花】 2022年度 第三期 第ニ回 〜
 
◉ 「百年俳句賞」選考会員に就任しました。
 
※ 「100年俳句計画」に4か月間に渡って、
「百年俳句賞選考
 

弁慶の泣きどころ

             永田満徳

立秋やどの神となく手を合はす

象の鼻地に垂れてゐる残暑かな

ばつくりと二百十日の噴火口

野分あと雲は途方にくれてゐる

通勤車月の出づれば旅となる

定家忌の波に入日の乗りて来る

夕月ののつぺらぼうや八雲の忌

日田往還中津街道彼岸花

コスモスの揺れては空の蒼ざめる

あぶれ蚊の寄る弁慶の泣きどころ

あけぼのの音とし残る虫の声

どんぐりの落ちしばかりの光かな

 

1954年熊本県生まれ。「俳句大学」代表。

句集『寒祭』『肥後の城』。

「文學の森」ZOOM俳句教室講師。

 

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電話 089-906-0694
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〜Facebook「Haiku Column」〜 ☆【俳句界】2022年12月号☆

2022年11月25日 22時47分05秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2022年12月号☆
 
◆俳句総合誌『俳句界』2022年12月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

The December issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the December issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published. 
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata. 
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

Décembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Décembre aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata. 
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)

【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
(Facebook「Haiku Column」より)
 
ポール カルス(マルタ)

朝顔やまたの日の出に感謝して 
〔永田満徳評〕
「朝顔」はその名の通り、朝開く花。早朝に可憐な花を咲かせ、昼過ぎには萎んでしまう。朝顔が「日の出」を感謝している一物仕立ての句とも、朝顔が咲いているそばで、早朝に起きた作者が朝日に感謝している二物仕立ての句とも読み取れる。いずれにしても、暑さも和らぎ、晴天が続く初秋という気候の雰囲気をうまく表現している。
 
Paul Callus(Malta)

morning glory -
thankful for yet another sunrise
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
As the name suggests, 'morning glories' are flowers that open in the morning. They bloom prettily in the early morning and wilt in the late afternoon. The haiku can be read either as a one-article haiku in which the morning glory gives thanks for the 'sunrise', or as a two-article haiku in which the author, who wakes up early in the morning beside the morning glory blooming, gives thanks for the morning sun. Either way, it well expresses the atmosphere of the weather in early autumn, when the heat eases and the weather remains sunny.
 
 
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)

蟋蟀の声柔らかくなるしじま 
〔永田満徳評〕
「蟋蟀」はコオロギ科の虫の総称で、秋に鳴く虫の代表格。昼間は草の下や人家の近くにひそみ、夜になるとしきりに鳴く。一匹か、二匹であろうか、蟋蟀の鳴き「声」が「柔らかく」聞こえるくらい静かだということ。松尾芭蕉の〈古池や蛙飛びこむ水の音〉の句意と同じく、物音によって、かえって「しじま」が生まれる現象をよく捉えている。
 
Angela Giordano(Italy) 

il canto del grillo sempre più lieve
quiete autunnale
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
'Cricket' is a generic name for an insect, representative of the insects that chirp in autumn. During the day they lurk under the grass or near people's houses, but at night they chirp frequently. The 'voice' of one or two cricket is so quiet that it can be heard 'softly'. Like Matsuo Basho's phrase 'the sound of the water as a frog jumps into an old pond', the phenomenon of a 'stillness' being created by the sound of things is well captured.
 
ザンザミ イスマイル(インドネシア) 

収穫後の田んぼ案山子の孤独かな 
〔永田満徳評〕
田打、田植、稲刈といった稲作に関わる一連の作業が済んだ「田んぼ」に、鳥から稲を守るために立てられた「案山子」がぽつんと残っている情景。そこには一仕事を終えた案山子の充実感とともに、「孤独」感が描かれている。この案山子の姿は事を成し遂げた人間の晩年の有様と置き換えてみると、じつに深い感銘を覚える句となる。
 
Zamzami Ismail(Indonesia)

o fields resting after harvest
scarecrow's loneliness
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
In the rice paddies, where a series of tasks related to rice cultivation, such as rice striking, rice planting and harvesting, a scarecrow, which was erected to protect the rice from birds, remains alone. The scene depicts a sense of fulfilment as well as a sense of 'loneliness' for the scarecrow, which has completed its work. If the image of the scarecrow is replaced by that of a person in the later years of life who has achieved something, the haiku is deeply moving.
 

【今月の季語(Kigo of this month】     
(Facebook「Haiku Column」より) 

 
【 秋の声 あきのこえ akinokoe / autumn voice / voix d'automne 】
フテン フルティ(チュニジア)

秋の声やや黄ばみたる詩の手帳 
Feten Fourti(Tunisia)

voix d automne
une feuille de mon carnet de poésie jaunit un peu

アブダラ ハジイ(モロッコ)

猫鳴きて窓辺に秋の声ありぬ 
Abdallah Hajji(Morocco)

miaulement du chat
à la fenêtre voix d'automne
 
【 秋の雷 あきのらい akinorai / lihtning / eclairs 】
ジオバンナ ジオイア(イタリア)

秋の雷人形を撫でてゐたりけり 
Giovanna Gioia(Italy)

tuoni d'autunno -
accarezzo la mia bambola

パトリチア カバローネ(イタリア)

秋の雷高鳴る鼓動おさまらず 
Patrizia Cavallone(Italy)

tuoni in autunno -
i battiti del cuore sono assordanti
 
【 露 つゆ tsuyu / dew, dew drop / rosée 】
イン イスマイル(インドネシア)

露の玉母が最後の言葉かな 
In Ismael(Indonesia)

dew drops
last message from my mom

ミケレ ポキエロ(イタリア)

子供らが飛べば芝生の露も飛ぶ 
Michele Pochiero (Italy)

un bimbo salta-
schizza fresca rugiada tra l'erba fitta
 
【 流れ星 ながれぼし nagareboshi / shooting star / étoile filante 】
ジョーノ ファディ(インドネシア)

それぞれの人に意味あり流れ星  
Jono Fadli(Indonesia)

each person gives their own meaning
shooting star

アリアニ ユハナ(インドネシア)

流星や平和への道切望す  
Ariani Yuhana(Indonesia)

shooting star
strong desire to reach peaceful target
 
【 台風 たいふう taifu / typhoon / typhon 】
ガブリエラ デ マシ (イタリア)

台風や泥と涙の混じりたる 
Gabriella De Masi(Italy)

tifone-
il fango misto alle lacrime

アリアニ ユハナ(インドネシア)

大国の成すべきことや台風来 
Ariani Yuhana(Indonesia)

typhoon
US must be responsible upon European
 
【 新酒 しんしゅ shinshu / new sake / sake nouveau 】
バーバラ オルムタック(オランダ)

新酒酌むひと口ずつに癒す過去 
barbara olmtak(Holland)

sip by sip addressing past mistakes
new sake

フランソワーズ マリー チュイリ(フランス)

新走り漱石句集読んでみる 
Françoise Marie Thuillier(France)

le sake nouveau -
un recueil de Sôseki m'enivre 
 
【 村芝居 むらしばい murasibai / village theater / theatre villageois 】
ナニ マリアニ(オーストラリア)

村芝居地元野菜の売られたる 
Nani Mariani(Australia)

village theater
farmer's vegetables are very fresh and cheap

キム オルムタック ゴメス(オランダ)

俳優を乗せたトラック村芝居 
Kim Olmtak Gomes(Holland)

village theatre
the truck with actors moves on
 
【 渡り鳥 わたりどり wataridori / migratory bird / oiseau migrateur 】
カディジャ エル ブルカディ(チュニジア)

渡り鳥夢に国境なかりけり 
Khadija El Bourkadi(Morocco)

vol d'oiseaux migrateurs
le rêve n'a pas de frontiéres

ラシダ ジェルビ(チュニジア)

渡り鳥風は飛翔を告げにけり 
Rachida Jerbi(Tunisia)

le vent lui apprend à voler~
oisillon migrateur

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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2022.12月号〜

2022年11月25日 22時41分48秒 | 月刊誌「俳句界」

俳句大学国際俳句学部!

Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2022.12月号〜

◆2022年『俳句界』12月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku  2022・12〜

◆2022年『俳句界』12月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。

華文俳句【俳句界】2022,12月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳


翻找國旗的眷村伯伯
國慶日

玉香
〔永田満徳評論〕
「国慶日」(国慶節)是臺灣的季語。中華民國的建國紀念日是10月10日,也是1911年武昌起義的發動日。國慶日時,許多台灣人會帶著家人或朋友去觀賞國慶煙火。這位「眷村伯伯」因為對中華民國的建國日相當有感觸,因此在家裡翻箱倒櫃的尋找國旗。這是那個世代所共享的愛國情操,描繪成一首俳句。
 
国慶日伯父掻き捜す国旗かな

玉香
〔永田満徳評〕
「国慶日」(国慶節)は台湾の季語で、建国記念日。1911年10月10日に発生した武昌起義を中華民国の建国記念日としている。国慶日は家族や友達と祝福の花火を見にいくことが多い。「伯父」は中華民国の建国に思い入れが強く、国慶日ということで、「国旗」をかき回したり、ひっくり返したりしてさがしているのである。伯父の世代に共通する愛国心の一端をよく描き出している。
 

一筆防疫津貼
重陽

明月
〔永田満徳評論〕
「重陽(節)」是台灣傳統的節慶。「防疫」在現今的時事脈絡下是指預防新型冠狀病毒肺炎的感染。「津貼」是重陽節時政府撥發的敬老金。俳句的畫面是作者想將重陽的敬老金用在防疫上。在飲菊花酒避免染疫的重陽,作者藉由描繪防疫津貼,而祈願新冠狀病毒肺炎的感染痊癒。這是一首應時的俳句。
 
重陽や予防手当の封書受く

明月
〔永田満徳評〕
「重陽(節)」は台湾においても伝統的な祝日。「予防」とは新型コロナ感染症対策のことである。「手当」は重陽節に政府から貰った敬老金。感染症予防のために敬老金を役立てようと思っている。疫払いの日でもある重陽の日に届いた予防手当の「封書」を描くことによって、新型コロナ感染症の平癒を祈願しているのである。今日的テーマをうまく取り入れている。
 

斷掌的男孩
毛蟹

玉香
〔永田満徳評論〕
「斷掌」可說是屬於好運氣的幸運手相,特別是男性斷掌,更是財富大獲成功的象徵。一個擅長讀手相的人,捧著身旁正在剝毛蟹的人的手,細細觀察,揭露其中的奧秘。斷掌的好運氣和毛蟹的鮮味相互配搭,襯托出兩人之間的好感情,不時瀰漫著共享佳餚的幸福感。
 
断掌の相のをのこや毛蟹食ふ

玉香
〔永田満徳論〕
「斷掌」とは幸運の手相であり、特に男性の斷掌の持主は金運に恵まれるという。手相見に心得のある人が「毛蟹」を剥いている相手の手をちょっと拝見とばかりに手に取っている情景だろう。斷掌という「手相のよさ」と毛蟹という「海の幸」との取合せによって、親しい者同士で語らいながら食卓を囲んでいる幸せなひと時を過不足なく切り取っている。

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〜 季語で一句 36 〜 『くまがわ春秋』11月号

2022年11月13日 23時42分03秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 36 〜
 
◆『くまがわ春秋』11月号が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
 
季語で一句(R4.11月号)
 
稲架(はざ)      「秋-生活」
大津留直
稲を日に架けて安らふ平野かな
【永田満徳評】
「稲架」に日差しが当たっている情景。田打、田植、稲刈といった作業を終えた大地を「安らふ」と擬人化している。そこには「平野」の安らぎとともに、労働が終わった安堵の気持も表現されている。
【季語の説明】
「稲架」は刈った稲を掛けて乾かす木組み。稲を収穫時に刈り取ったあと、脱穀までの間乾燥する方法。地方によって様々な呼び方がある。天日と風によって乾燥させる自然乾燥を「稲架掛け」といい、重労働で、長びけば夕刻にまで及ぶ。電気などの乾燥機より美味しい御飯が出来ることから、今も行われている。
 
濁り酒(にごりざけ)    「秋-生活」
江口秋子
どぶろくや邪馬台国の話など 
【永田満徳評】
「どぶろく」は日本酒の原型とも言われるお酒。「どぶろく」を呑みながら、話は古代史のロマンにたどり着く。「邪馬台国の話」ほど興味を搔き立てるものはなく、つい酒量も多くなる雰囲気を詠み込んでいる。
【季語の説明】
「濁り酒」は清酒の一種。搾りを行う際は目の粗い布などを使って濾すのが特徴。濾す工程のないものは「どぶろく」と呼ばれる。清酒は澄んだ酒であるが、その対義語が濁り酒。日本酒がすっきりとした飲み口なのに対して、濁り酒はお米そのものの味が生きている感じで、どっしりと濃厚で、飲み口がとろりとしている。
 
啄木鳥(きつつき)    「秋-動物」
大工原一彦
啄木鳥や釘を使はぬログハウス
【永田満徳評】
「啄木鳥」が木を叩くのは繁殖期の夏であるが、秋の森林が心地よく聞こえる。木を叩く啄木鳥と釘を打たないログハウスとの取り合わせの妙味を感じさせる句で、森林のなかの静寂な情景をよく描いている。
【季語の説明】
「啄木鳥」はキツツキ目キツツキ科に属する鳥の総称。樹木内にいる昆虫を主食とする。木の幹をつついて穴を開け、中にいる昆虫を食べることから、「木突き」の語源がある。「啄木鳥」は「木を啄ばむ鳥」の意味。「森の大工さん」と呼ばれるが、啄木鳥が開けた穴がいろんな動物によって利用されることによる。
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