【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜 季語で一句 (58) 〜 『くまがわ春秋』2024年9月号

2024年09月05日 08時56分21秒 | 熊本県支部俳句大会
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 (58) 〜
 
◆『くまがわ春秋』2024年9月号(第102号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R6.9月号)
 
登山(とざん)       「夏-生活」
 
桧鼻幹雄
父と子と登山靴置く枕元
【永田満徳評】
登山用具には登山着・登山帽・登山靴が必要。親子登山を試みる山小屋での様子。登頂の期待を胸に「登山靴」を「枕元」に揃えているのである。同じ趣味を持つ親子の微笑ましさが表現されている。
【季語の説明】
山は崇拝や信仰の対象であったため、昔の「登山」は信仰や修行のために行われた。富士山・御嶽山・立山・白山・石鎚山など霊峰に登った。信仰登山は明治政府の宗教政策により衰退した。現在はスポーツや趣味としての登山が主流で、四季を通じて行なわれる。山開きが行なわれる夏が本格的な登山シーズンである。
 
 
向日葵(ひまわり)      「夏―植物」
 
牧内登志雄
向日葵の迷路で泣く子ママ呼ぶ子
【永田満徳評】
向日葵畑の迷路を楽しんでいる情景。幼子にとって、向日葵は自分の背丈より高く、どこにいるのか分からなくなる。「ママ呼ぶ子」と表現したところに、母を頼りにする子の様子がうまく捉えられている。
【季語の説明】
「向日葵」は夏を象徴する太陽の花。その名前は花が太陽に向かって向きを変えることから付けられた。しかし、太陽を追って動くのは蕾が花開く時だけである。観賞用として日本へ伝わり、明治に入ると油の原料や飼料として普及した。現在は向日葵の種に含まれる豊富な栄養価は高く、食用として長く重宝されている。
 
 
盆波(ぼんなみ)      「秋-地理」
 
桧鼻幹雄
盆波や固き漁師の力瘤
【永田満徳評】
筋肉隆々たる海の男のたくましさを詠んだものである。「盆波」という季語がポイント。単なる荒波ではなく、盆波に鍛えられたものであればこそ、「漁師」の「力瘤」の固さは自然そのものの造形美といっていい。
【季語の説明】
土用波のうち、旧暦の盂蘭盆の頃に押し寄せる、風なくして立つ高波を特に盆波という。盂蘭盆は仏教行事で、単に盆ともいい、現代の暦では8月13日から8月16日に行われている。お盆の時期はクラゲの発生などの理由から海に入ってはいけないとされている。盆荒は盆波が押し寄せる海の荒れのことである。
 
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第24回熊本県支部俳句大会

2023年09月19日 09時31分40秒 | 熊本県支部俳句大会

能村研三理事長が講演

 第24回熊本県支部俳句大会

 

 初夏を感じさせる4月22日、俳人協会熊本県支部第24回俳句大会が熊本市中央区の「くまもと県民交流館パレア」において開催された。参加者約60名(投句数520句)。

 当日は復興なった熊本城天守閣を望める会場に、本部から能村研三理事長を講師としてお招きした。

 13時30分、「文學の森大賞」を受賞した永田満徳支部長の挨拶で開会。会員数の減少という困難な状況の中、本部の支援を得て今年も大会を開催できた喜びが伝えられた。 

つづいて来賓及び選者の紹介のあと、能村理事長による講演が行われた。「自己変革の旅―能村登四郎の九州の旅―」という演題で、亡父能村登四郎が昭和39年に九州を旅した動機や旅で出会った九州の俳人との交流等について詳しく解説された。

 大会後に懇親会を行い、鹿児島、高知などからの参加者を含む24人で能村理事長を囲み、投句状況の変化・今後の俳句界の動き等について有意義な話を交わすことができた。

(田島三閒)

 能村 研三特選

濤砕けひかりと化せり実朝忌    田邊 博允

柴田 佐知子特選

末黒野となつて青空あるばかり   境 眞木子

野中 亮介特選

鳥風やインド更紗のあかね色    田中由美子

 光永 忠夫特選

三月や帰らざる日の海の色     菅野 隆明

 永田 満徳特選

めだか死す日本のどこか揺れてゐる 児玉 文子

(レポート・田島三閒)

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「三島由紀夫と熊本(上)」(「讀賣新聞」(2020(令和2年)11月21日(土曜日)付)

2020年12月17日 07時48分46秒 | 熊本県支部俳句大会
「讀賣新聞」!
文化 九州・山口・沖縄
(2020(令和2年)11月21日(土曜日)付け
 
〜「三島由紀夫と熊本(上)」〜
 
◆副題「三島由紀夫と熊本」で、三島由紀夫と熊本との関わりに絞った企画で、一般的な紹介ではなく、深く掘り下げています。
◆私が「文藝文化」の蓮田善明の一文と三島由紀夫の繋りの深さを指摘しているコメントが載っています。
◆熊本という地方から照射される真の三島由紀夫像とも言うべき記事です。
◆ 「三島由紀夫と熊本の(下)」(来週に土曜日予定)では、「日本人が信じ、大事にし守り伝へなければならないものだけを、この上なく考へ詰めた」という言葉をキーワードにした、これまで書かれることのなかった三島由紀夫像が書かれることになります。
◆乞うご期待。
 
【内容】一部
 熊本近代文学研究会の永田満徳さん(66)は、三島が神風連を深く知ったのは蓮田を通してだったとみる。
 永田さんは「文藝文化」42年11月号には、蓮田が神風連について書いていることに注目。蓮田は神風連を「日本人が信じ、大事にし守り伝へなければならないものだけを、この上なく考へ詰めた」と論じており、「三島は蓮田の記事を目にしていたのはほぼ間違いない」というのだ。
 
画像・「讀賣新聞」
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