【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

第6回俳句大学大賞三賞授与式

2024年07月12日 23時58分19秒 | 俳句大学
第6回俳句大学大賞三賞授与式!
(後援・月刊「俳句界」文學の森)
 
〜「授与式」無事に終える〜
 
● 7月6日(土)、「第6回俳句大学三賞授与式」」を華やかに開催しました。
●それに先立って、「記念吟行句会」も賑やかに和気藹々の中で行いました。
●記念吟行句会、懇親会などの企画運営した野島正則さん、司会進行を務めた山野邉茂さん、受付や代読などの裏方の仕事を一手に引き受けた歌代美遥さんらスタッフには大変お世話になりました。
●授与式後の「懇親会」は大いに盛り上がりました。
※月刊「俳句界」9月号のレポートに「記念吟行句会」並びに「授与式」の詳細が掲載される予定ですので、お読み頂ければ幸いです。
 
●ここに、書面をもってにお礼に代えさせて頂きます。
【主催者挨拶】
「第六回俳句大学三賞授与式」は、熱中症特別警戒アラート」発表中での開催でありますが、多くの方にご出席頂きありがとうございます。
特に、東京都知事選で多忙な星野愛氏にお出で頂き、感謝申し上げます。また、今年、俳壇で大活躍の木暮陶句郎氏、辻村麻乃氏に出席して頂いています。ご承知の通り、木暮陶句郎氏が「NHK俳句」の出演者に、辻村麻乃氏が角川俳句の「合評鼎談」に加わっています。俳句大学の選考委員にお迎えしていることを大変光栄に思っています。 
さて、第六回俳句大学三賞には多くのすぐれた作品が三賞候補として挙げられました。お陰様で、充実したコンクールになりました。選考委員の皆さまにはお忙しいところ、質の高い選考をして頂き、感謝申し上げます。
大賞の『寸法直し』は私の選考評では、「作風の幅の広さも本句集の魅力で、津高里永子氏は次の句集を読んでみたい俳人の一人である」、大賞準賞の『遠き船』では仲寒禪選考委員の「常に自然体で好奇心旺盛な松野さんらしい、前向きにさせてくれる句集である」、大賞準賞の『北落師門』は五島高資選考委員の選考評では、「彼女が茂木健一郎と著した『言葉で世界を変えよう』(東京書籍)の体現として、言霊による現代俳句の新しい未来をも示している」、大津留直氏の新人賞は五島高資選考委員の選考評では、「叙景から心象風景に至るまで、「切れ」により詩法がうまく成就しており、作者の素晴らしい感性と詩性に魅せられた」、杉山満氏の新人賞準賞は辻村麻乃(まの)選考委員では、「普段の暮らしぶりを丁寧に詠まれた句群には好感が持てる」。今回の三賞の大賞はいずれも、俳句大学三賞の目的に適う、個性的ですぐれた資質を持った作品で、これからの俳句界に新風を吹き込んでくれる予感がする、素晴らしいものでした。なお、評論賞は残念ながら「該当者なし」という結果になりましたが、次回に期待したいと思います。
俳句大学はこれまで通り、インターネットやFacebookなどのSNSが活動の拠点として活動しています。特に俳句大学国際学部の「「Haiku Column」」では今年の三月から日本人による国際俳句の具体的な添削指導を毎日行なっています。優秀な国際俳句は月刊「俳句界」に連載しています。八月号からは五島高資副学長が監訳者として加わることになりました。これらの活動の記録として掲載しています機関誌「俳句大学」は当初の計画とおり、年二回発行を果たしました。月刊「俳句四季」では昨年一二月号の「今月のハイライト」で、「俳句大学 創立十周年」と題して取り上げて頂きました。 
本日の授与式の後援を頂いている月刊「俳句界」文學の森の「『文學の森』ZOOM句会」には俳句大学のメンバー運営に関わっています。また、「サッポロFM」は、俳句大学メンバーである徳重玻璃パーソナリティの進行による月二回の俳句番組には俳句大学のメンバーが全面協力しています。「俳句大学」は電波の領域まで拡大することになり、俳句の活動のさらなる発展が期待できます。
このような俳句大学の活動に対して、より多くの方のご理解とご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
何かと不便の多い昨今ですが、この状況が一日も早く解消され、平穏な日々が取り戻せるよう心から願っています。
皆さまのご健康とご健吟をお祈りします。
2024年7月6日
俳句大学学長 永田満徳
 
 
第6回俳句大学三賞記念吟行·授与式·祝賀会
俳句大学主催 後援:月刊「俳句界」文學の森
 
2024年7月6日(土曜日) 9時~21時
吟行地: 入谷鬼子母神(真源寺)
句会:授与式
   会場・入谷ホール3F
   住所・東京都台東区入谷1-27-4プラーズ入谷 3階
1 記念吟行 9時~13時 
*鬼子母神周辺で開催されている「朝顔まつり」を自由に吟行し、昼食を取る。
句会場 13時~16時 13時より
*嘱目5句 13時に句会場に提出
2 記念講演 16時~16時30分
  演題 [俳句と私] 斎藤信義
3 俳句大学三賞授与式 16時30分〜17時40分〜
 ・選考評
 ・表彰
 ・受賞者挨拶
 ・記念撮影
4 祝賀会懇親会 18時~20時
『吞兵衛』 JR線 鶯谷駅 南口
*昭和53年創業、日本酒の素晴らしさを美味しい和食とともに伝える古き良き下町の大衆酒場
俳句大学企画・広報担当 野島正則
 
 
第6回俳句大学三賞授与式次第
 
2024年7月6日
プラーズ入谷ホール3階 東京都台東区入谷1-27-4
① 開会
② 主催者挨拶
③後援者挨拶(文學の森)
④選考委員紹介  
⑤来賓・選考委員代表挨拶
⑥選考評
・大会大賞    句集『寸法直し』 永田 満徳 
・大会大賞準賞  句集『遠き船』  仲  寒蟬
・大会大賞準賞  句集『北落師門』 五島 高資
・新人賞     作品「晩夏光」  五島 高資
・新人賞準賞   作品「農夫の眼」 辻村 麻乃
⑦表  彰
・大賞     句集『寸法直し』  津髙里永子
・大賞準賞   句集『遠き船』   松野 苑子
・大賞準賞   句集『北落師門』  黛 まどか
・新人賞    作品「晩夏光」   大津留 直
・新人賞準賞  作品「農夫の眼」  杉山  滿
⑧受賞者挨拶
・津髙里永子・松野 苑子・黛 まどか
・大津留 直・杉山 滿
⑨記念撮影
⑩閉会
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第7回 俳句大学三賞!

2024年06月10日 16時44分02秒 | 俳句大学
2024年 第7回 俳句大学三賞!
 
〜 日本語 公募 〜
 
令和5(2023)年内に刊行された優れた句集の顕彰
【 第7回 俳句大学 大 賞 】
 
選考委員:
岡田耕治(大阪教育大学教授)、
木暮陶句郎(「ひろそ火」主宰)、
五島高資(俳句大学副学長)、
斎藤信義(「俳句寺子屋」主宰)、
仲寒蟬(「牧」代表)、
永田満徳(俳句大学学長)
 
選考:各選考委員の推薦句集
選考結果発表:令和6年11月20日(水)
 
 
【 第7回 俳句大学 新人賞 】
 
選考委員:
大高翔(「藍花」副主宰)、
五島高資、
仙田洋子(「天為」同人)、
辻村麻乃、(「篠」主宰)、
永田満徳、
松野苑子(「街」同人会長)
 
対 象:未発表句 30句(資格制限なし、但し、多重投稿禁止)
応募締切:令和6年9月30日(月)
応募作品の送付先は俳句大学メールアドレスへ
選考結果発表:令和6年11月20日(水)
 
 
【 第7回 俳句大学 評論賞 】
 
選考委員:
井上泰至(防衛大学校教授)、
加藤直克(自治医科大学名誉教授)、
五島高資、
永田満德
 
対 象:俳句に関する評論(資格制限なし、8,000 字以内)
応募締切:令和6年9月30日(月)
応募作品の送付先は俳句大学メールアドレスへ
選考結果発表:令和6年11月20日(水)
 
 
〔送付先〕
・俳句大学アドレス haiku_university@yahoo.co.jp
または
永田満徳 mitunori_100@hotmail.com
までお願い致します。
・各賞の応募原稿末尾に、本名・年齢・住所・電話番号・メールアドレスを明記して下さい。
・なお、送稿は word 形式などの電子媒体に限ります。
・また、ご不明な点も俳句大学、あるいは永田満徳のメールにお問い合わせください。
 
 
※ 第6回俳句大学三賞記念吟行会+授与式並びに懇親会!
後援:月刊「俳句界」文學の森
〜 参加者募集 〜
*どなたでも参加可能です。
【授与式開催日】
2024年7月6日(土曜日)
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆ 第6回 俳句大学三賞発表 ☆

2024年02月18日 20時47分21秒 | 俳句大学

回 俳句大学三賞発表

 

【第回 俳句大学大賞】

津髙里永子『寸法直し』

(東京四季出版)令和4年2月

【永田満徳】選評

『寸法直し』は十五年間の句業が集約された四百五十六句の句集。「未来図」を経て「小熊座」の同人、さらに「すめらき」「墨BОKU」の代表。

一口で括れない句柄の豊かさを堪能できる。

建国日富士には煙突が似合ふ

この冒頭の句は太宰治の「富士には月見草がよく似合う」を踏まえていて、本歌取りをなぞっただけの句に堕するきらいがあるが、「煙突」が秀逸である。発想の原点は写生であっても、そこからの「建国日」という季語に飛躍するところが独自である。

たんぽぽの絮よわが夢何だつけ

「たんぽぽの絮」の浮遊感に「夢」のはかなさを持ってくる辺りはこの作者ならでは発想である。

おほごとになればなつたで髪洗ふ

「髪洗ふ」をうまく使い、肝の座ったところを詠み、「たんぽぽの絮」の句と同様に、口語表記のおかしみがある。

まあまあの男にバレンタインデーチョコ

恋の句にありがちな甘さがない。

ぶんらんこの重たさに恋手離すか

「重たさ」は「ぶんらんこ」と「恋」の両方に掛かっていて、取合わせの妙味を味合わせてくれる。

海外詠にも視点の確かさ、面白さを堪能させてくれる。

ブータンの人みな正月らしき顔

シベリア鉄道寝返り打てば壁

「正月らしき」にしても仏教の国「ブータン」が立ち上がってくるし、「壁」にしても自然の厳しい「シベリア」が的確に描かれている。

作風の幅の広さがこの句集の魅力であるだけに、津高理永子氏は次の句集を読んでみたいと思わせる俳人の一人である。

 

「第回 俳句大学大賞準賞」

松野苑子『遠き船』

(角川書店刊)令和4年4月

【仲寒蟬】選評

第62回角川俳句賞を受賞した作者の第3句集。

あとがきには母の死や闘病など辛いことの多い時期だったとあるが、俳句の読後感が明るいのは作者の性格ゆえであろう。

  春の日や歩きて遠き船を抜く

 句集の題になった句。印象鮮明である。

  緑さすコップの中の水平線

火の上に自爆の形して栄螺

夏帽子駝鳥に求愛ポーズされ

いつも自然体で好奇心旺盛な松野さんらしい。

  死後も効く薬なら飲む天の川

  病窓の春満月の神話めく

 人を楽しく前向きにさせてくれる句集である。

 

黛まどか『北落師門』

(文學の森)令和4年7月

【五島高資】選評

黛まどかの句集『北落師門』(文學の森)は、前句集『てっぺんの星』から、十年を経ての句集であり、その間、日本は度重なる自然災害、新型コロナウイルスによるパンデミックなどに苦しめられた。

また、作者自身も大切な知己の死や、とりわけ俳人である父・黛執の死に遭遇したことが、生死を超克する、更なる句境の深まりをもたらしたのではないだろうか。

句集名の北落師門は、南の魚座の首星をいうが、俳句はもちろん、多くの芸術活動に携わるなかで、その孤高な光が彼女の心を支え続けた。父の一周忌後の墓参の際にその星をたまたま望むことが出来たのも偶然ではないだろう。

青空のどこかが弛み梅香る  

竹煮草いづくで憑きしひだる神 

面より底ひの水の真澄かな 

月光の浮かせてゐたる力石 

滴れる山を重ねて高野山 

ためらはず沈む夕日も秋水忌  

などに覗われる句境の深まりは、同時に、見えない聖性に裏打ちされた詩的至境として私たちに大きな感銘を与えてくれる。そして、それらは、かつて作者が茂木健一郎と著した『言葉で世界を変えよう』(東京書籍)の体現として、言霊による現代俳句の新しい未来をも示している。  

 

※岡田耕治氏の『使命』(現代俳句協会・令和4年2月)は複数の選考員が推挙するも、岡田耕治氏が選考委員ということで、選考の対象外とした。

 

選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)

 

 

【第6回 俳句大学新人賞】

 

「晩夏光」大津留 直

【五島高資】選評

物自体に迫る作者の感性が、言葉を超えて詩的に昇華されている句が多かった。一句一章にしても二句一章にしてもそこに「切れ」の詩法が活かされているものに感銘を受けた。例えば、

レース編む針の光のたゆたかな

 レースを編みながら時折見える針の光がゆっくりとしたリズム感として共感覚的に捉えられている。レースの透かし模様に夏の涼しさを感じさせると共に、編む人の心の穏やかさも見えてくる。それは作者の心とも共鳴してまさに「ものの見えたる光」としてまさに揺蕩いながら読者の心にも迫ってくる。

窓際のアンモナイトの朧かな

 アンモナイトは太古に栄え、そして今は絶滅したオウム貝に似た古生物であり、おそらくその化石が窓際に置かれているのであろう。現在の地球も温暖化などの異常気象で様々な生物が生存の危機にあると言う。人類もまた生存の窓際ならぬ瀬戸際にあるのかもしれない。すでに絶滅した恐竜なども「朧」から連想それて深い詩的交響が身にしみる。

 その他、感銘句を抜粋する。

舟唄や卯波の宿す星の影

花魁の墓に十薬蔓延れり

狼の非在にこもる力かな

 これらの他にも、過不足のない言葉によって、叙景から心象風景に至るまで、「切れ」により詩法がうまく成就しており、作者の素晴らしい感性と詩性に感銘させられた。

 

【第6回 俳句大学新人賞準賞】

 

「農夫の目」杉山 滿

【辻村麻乃】選評

鍬先の寝惚け眼の蛙かな

に農業をされる方の日常が顕著に見られ、その根底には、

墓洗ふ四代前の名をなぞり

のような先祖を大切にする気持が含まれている。

ただし惜しまれるのは、

風光る波に跳ねてる白マスト

の「跳ねてる」のような拙い口語表現があることで、「跳ねてゐる」の略だがこの場合「跳ねたる」が妥当だろう。 

農業にとって大切な太陽を

 焦点を水平線に初日待つ

のような目線で描く点は作者の力量を感じる。

「農夫の眼」には実体験から詠まれた力強さを感じた。天変地異のおこる今の日本だからこそ、こういう揺るぎない自然への感謝を含めた句は力を持つ。

 これからに期待したい。

 

選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)

 

 

【第6回 俳句大学評論賞】

 

該当者なし

選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳

【選考資料】

第6回俳句大学大賞候補」

【岡田耕治】

津髙里永子『寸法直し』(東京四季出版)令和4年2月

小田島 渚『羽化の街』(現代俳句協会)令和4年10月

恩田侑布子『はだかむし』(角川書店)令和4年11月

 

【木暮陶句郎】

堀本裕樹『一粟』(駿河台出版社)令和4年5月

小川軽舟『無辺』(ふらんす堂)令和4年10月

星野高士『混沌』(深夜叢書社)令和4年8月

 

【五島高資】

津高里永子『寸法直し』(東京四季出版)令和4年2月

黛まどか『北落師門』(文學の森)令和4年7月

小山玄紀『ぼうぶら』(ふらんす堂)令和4年11月

 

【斎藤信義】

布施伊夜子『あやかり福』(角川書店刊)令和4年12月

松野苑子『遠き船』(角川書店刊)令和4年4月

黛まどか『北落師門』(文學の森)令和4年7月

 

【仲寒蟬】

岩田 圭『膚』ふらんす堂)令和4年12月 

杉原祐之『十一月の橋』(ふらんす堂)令和4年4月 

松野苑子『遠き船』(角川書店刊)令和4年4月

 

【永田満徳】

津髙里永子『寸法直し』(東京四季出版)令和4年2月

和田華凜『『月華』』(ふらんす堂)令和4年3月

柴田奈美『イニシャル』(本阿弥書店)令和4年8月

 

「第6回 俳句大学新人賞候補」

「晩夏光」大津留 直

新人賞推薦

【五島高資】【永田満徳】

新人賞準賞推薦

【辻村麻乃】【松野苑子】

 

「農夫の目」杉山 滿

新人賞推薦

【辻村麻乃】

新人賞準賞推薦

【五島高資】【永田満徳】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆ 第5回 俳句大学三賞発表 ☆

2023年05月03日 09時11分40秒 | 俳句大学

☆ 第5回 俳句大学三賞発表 ☆

 

【第5回 俳句大学大賞】

抜井諒一『金色』

(角川文化振興財団)令和3年8月

※彗星の如く俳壇に現れた抜井諒一氏は群馬県生まれ。私と同郷である。彼の師山本素竹氏とも旧知の仲だ。抜井氏の才能は、山本氏の「自然凝視による直感の発露」を旨とする俳句の薫陶によって開花したと言ってよもい。本句集は、抜井氏の感性の煌めきを感じつつ、彼の作品の魅力を余す所なく味わえる一書である。(木暮陶句郎)

「第5回 俳句大学大賞準賞」

金子敦『シーグラス』

(ふらんす堂)令和3年4月

※ 金子敦さんの『シーグラス』は、小さなもの、役割を終えたもの、人が注目しないものに作者の細やかな視線がそそがれている句集である。伝えたいことをそのようなモノに託し、表現を抑制する書き方によって、読み手とつながろうとする。そんな金子さんの静かな息づかいを聴き取ることができる。(岡田耕治)

選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)

 

【第5回 俳句大学新人賞】

該当者なし

「第5回俳句大学新人賞準賞」

 「手花火」大工原一彦

※「手花火の果てて宇宙の戻りけり」が最初に目に飛び込んできた。花火が終われば暗闇が戻るが、それを宇宙と表現されたのが面白い。「盆帰省歯ブラシ立てに空きふたつ」のような目の前の現実を切り取られた句には実感が伴う。現代的な対象物をカタカナで詠んでいくのは減らす方がいいが、どれも今のご自身の置かれた環境をありありと描いている。(辻村麻乃)

選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)

 

【第5回 俳句大学評論賞】

該当者なし

選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳

 

【選考資料】

「第5回俳句大学大賞候補」

【岡田耕治】

永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月

塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月

金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月

【木暮陶句郎】

抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月

西宮舞『鼓動』(ふらんす堂)令和3年2月

若井新一『風雪』(角川文化振興財団)令和3年5月

【五島高資】

永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月

松本龍子『龗神』(現代俳句協会)令和3年5月

成田一子『トマトの花』(朔出版)令和3年10月

【斎藤信義】

遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月

岩岡中正『文事』(朔出版)令和3年10月

井上弘美『夜須礼』(角川文化振興財団)令和3年4月

【仲寒蟬】

抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月

佐藤文香『菊は雪』(左右社)令和3年6月

塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月

【永田満徳】

金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月

涌羅由美『音色』(ふらんす堂)令和3年3月

遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月

※『肥後の城』は選考委員の句集のために、選考の対象から外します。よって、順位は繰り上げとなります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

機関誌「俳句大学」第8号発行

2023年04月19日 00時42分49秒 | 俳句大学

機関誌「俳句大学」第8号よりのお知らせ!

 〜 第一次発送は208冊 〜

◉4月18日(火)、発送しました◉

※ご購入希望の方は私のメッセンジャーにお申し込みください。

※今月末までに、購読料をお支払いされた方で、お手元に届いていない方はお手数ですが、私にご連絡ください。

★総ページ数:156P
★会員の作品はもとより、特集「俳句大学」三賞授与式」関連、2021年下半期の「ネット句会」「席題で一句」の特選、並びに並選の作品、「一句鑑賞」に取り上げてられた方の作品(紙面の関係で一部)、「俳句界」のHaiku Column・華文俳句の作品などを掲載し、内容充実した紙面になっています。

※Facebookの活動の成果を掲載し、記録に残すことが機関誌「俳句大学」の目的の一つであるので、年二回の発行を予定してい

※画像:機関誌「俳句大学」8号目次

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする