【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

第24回熊本県支部俳句大会

2023年09月19日 09時31分40秒 | 熊本県支部俳句大会

能村研三理事長が講演

 第24回熊本県支部俳句大会

 

 初夏を感じさせる4月22日、俳人協会熊本県支部第24回俳句大会が熊本市中央区の「くまもと県民交流館パレア」において開催された。参加者約60名(投句数520句)。

 当日は復興なった熊本城天守閣を望める会場に、本部から能村研三理事長を講師としてお招きした。

 13時30分、「文學の森大賞」を受賞した永田満徳支部長の挨拶で開会。会員数の減少という困難な状況の中、本部の支援を得て今年も大会を開催できた喜びが伝えられた。 

つづいて来賓及び選者の紹介のあと、能村理事長による講演が行われた。「自己変革の旅―能村登四郎の九州の旅―」という演題で、亡父能村登四郎が昭和39年に九州を旅した動機や旅で出会った九州の俳人との交流等について詳しく解説された。

 大会後に懇親会を行い、鹿児島、高知などからの参加者を含む24人で能村理事長を囲み、投句状況の変化・今後の俳句界の動き等について有意義な話を交わすことができた。

(田島三閒)

 能村 研三特選

濤砕けひかりと化せり実朝忌    田邊 博允

柴田 佐知子特選

末黒野となつて青空あるばかり   境 眞木子

野中 亮介特選

鳥風やインド更紗のあかね色    田中由美子

 光永 忠夫特選

三月や帰らざる日の海の色     菅野 隆明

 永田 満徳特選

めだか死す日本のどこか揺れてゐる 児玉 文子

(レポート・田島三閒)

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〜 季語で一句 46 〜2023年『くまがわ春秋』9月号(第90号)

2023年09月01日 20時30分01秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 46 〜
 
◆2023年『くまがわ春秋』9月号(第90号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R5.9月号)
 
 
夜の秋(よるのあき) 「夏-生活」
 
 
外波山チハル
湯上がりの髪梳く指や夜の秋 
【永田満徳評】
どことなく秋めいた感じのする夜の「湯上がり」の「髪」を詠んでいる。洗い髪はさっぱりとして気持がいいが、「夜の秋」であればなおさら秋めいて感じる。「夜の秋」という季語のもつ感じをよく捉えている。
【季語の説明】
「夜の秋」は夏の夜に感じる秋の気配という意味で、夏の終り頃、夜になると、何となく秋めいた感じのする夏の季語。去りゆく夏に一抹の寂しさを感じる。個人の受ける「気配」「感じ」が主体である。「よるのあき」「よのあき」と読むこともある。近代以降は夏の季語として使われ、秋の季語である「秋の夜」のことではない。
 
 
合歓の花(ねむのはな)     「夏-植物」
 
桧鼻幹雄
合歓の花獏に喰はれしやうな朝 
【永田満徳評】
「合歓」とは夜になると、小葉を閉じるので「眠(ネム)」と付いた。「獏」は幻獣で、人の悪夢を食うという。悪夢を見ず、充分に眠り、すっきりした朝を迎えたことを「獏に喰はれし朝」と表現したところがいい。
【季語の説明】
「合歓の花」は淡いピンク色の花を咲かせる落葉樹である。痩せた土地に育つ樹木の代表的な植物。夜になると葉を閉じることから「眠りの木」、転じて「ネムノキ」と呼ばれるようになった。万葉集の時代から愛されている。漢字表記の「合歓」は男女が一緒に眠ることで、中国では夫婦円満の象徴として親しまれている。
 
 
西瓜(すいか《すいくわ》)  「秋-植物」
 
森川雅美
どつしりと西瓜置かるる敗戦後
【永田満徳評】 
大玉の「西瓜」が今にも切り分けられている情景であろう。西瓜に代表されるような「敗戦後」の豊かさに思いを馳せて、いつまでも豊かで平和な日々が続いてくれることを願っているところに心惹かれる。
【季語の説明】
「西瓜」は夏から秋にかけての代表的な果菜。形は球形または楕円形で大きくほとんどの果皮に縞模様がある。果肉は赤色が普通でまれに黄色もある。多汁で甘い。最も甘くなる旬は立秋を過ぎたお盆の頃であるため、秋の季語とされる。果肉の水分が90%もあるジューシーな果物。英語ではウォーターメロンという。
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Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2023.9月号〜

2023年09月01日 13時40分45秒 | 「俳句界」華文俳句
俳句大学国際俳句学部!
 
Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2023.9月号〜
 
◆2023年『俳句界』9月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2023・9〜
◆2023年『俳句界』9月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
華文俳句【俳句界】2023,9月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
江彧
滿溢空瓶的回收桶
溽暑
〔永田満徳評論〕
「溽暑」是指梅雨結束時,即使靜坐不動也會感到皮膚泛油汗的悶熱天氣。像啤酒等飲料的消費量會急劇增加。「空瓶」作為資源垃圾被回收。經過清潔和消毒,可以再利用,或者將其粉碎,作為玻璃原料使用。通過描繪裝滿「回收箱」的大量「空瓶」,作者巧妙地捕捉了夏季的風景。
江彧
空瓶の回収箱の溽暑かな
〔永田満徳評〕
「溽暑」とは梅雨の終わり頃の、じっとしていても脂汗のにじむような蒸し暑さのこと。ビールなどの飲料水の消費量はうなぎのぼりである。「空瓶」は資源ゴミとして回収される。洗浄・殺菌をして、再利用するか、細かく砕き、ガラス原料とするか。「回収箱」に詰め込まれた大量の「空瓶」を描くことによって、夏場の風景をうまく切り取っている。
黃士洲
果汁機高轉速的碎物聲
大暑
〔永田満徳評論〕
「大暑」是二十四節氣中的一個,也是一年中氣溫最高的時期,暑熱達到巔峰。「果汁機」是一種用來榨取蔬菜和水果等製作果汁的工具。「高轉速」時發出的聲音很大,非常嘈雜,因此在清晨和晚上使用不太方便。夏天本來就已經很熱了,如果再聽到「果汁機的碎物聲」,不由自主地會更加感受到炎熱,這一點深受共鳴。
黃士洲
ジューサーの砕く音する大暑かな
〔永田満徳評〕
「大暑」というのは二十四節気の1つで、1年中で最も気温の高い時期で、暑さも本番となる。「ジューサー」は野菜や果物などを磨り潰してジュースを作る器具。「砕く」ときの音が大きく、うるさいために早朝や夜は使いにくい。夏はただでさえ暑いのに、「ジューサーの砕く音」を耳にすれば否が応でも暑さを感じる点で深く共感できる。
穆仙弦
客廳落地窗旁的睡貓
風鈴
〔永田満徳評論〕
「風鈴」是夏季的季語,它被掛在通風良好的窗邊等地方,以帶來涼爽的感覺。貓咪經常午睡的原因是其狩獵本能的遺留,它們通過壓制活動量,保留體力和能量。「貓咪」選擇「落地窗旁」作為涼爽的「睡覺」地點,這一點非常有趣。「風鈴」和貓結合在一起,生動地描繪了盛夏時節的涼爽場景。
穆仙弦
風鈴や掃出し窓に眠る猫
〔永田満徳評〕
「風鈴」は夏の季語で、風通しのいい窓辺などに吊るして涼を呼ぶ。猫が昼寝をよくする理由は狩りの習性の名残で、活動量を抑え、体力を温存し蓄えておくためであるという。「猫」が「眠る」ために風通しのいい場所として「掃出し窓」を選んでいるところがおもしろい。「風鈴」と取り合わせて、真夏の納涼の一場面をよく描き出している。
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