【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

俳句大学 Haiku Column 2019・4

2019年03月23日 14時05分15秒 | 月刊誌「俳句界」
月刊誌「俳句界」4月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」「国際ネット句会」 2019・4〜

◆俳句総合誌『俳句界』4月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「国際ネット句会」「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」1月号から毎月連載しています。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行予定の4号では112人が500ページを数えます。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Avril de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum
◆Avril de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The April issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the April issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

【国際ネット句会】
特選(outstanding)

Florin C Florian

first dream of the year 
mom waking from coma
フロランCフロリアン

初夢
昏睡状態から母が目覚める
〔永田満徳評〕
いつ目覚めるとも分からない昏睡状態に陥った「母」。少しでも目覚めてほしいという願望が夢に現れたのである。「初夢」に込められた作者の思いが切に伝わってくる。
Her mother was in coma.In the first dream of the year her mother wakes up.I feel well love for her mother and it is well decribed in this haiku.


入選(very good)

Adonis

Nouvel an
La lune embrasse le monde
アドニス

新年
月は世の中を抱く

Soucremarinien

Nouvel an-
Le plat du jour provient d'un vieux livre de recette
スークルマリニエン

新年
古い本からのレシピの一品

Ashraful Masaddeq

morning of new year—
a feather surfing to earth
アッシュラフル ムサデック

元日の朝
羽毛は大地へのサーフィン 

Emeraude Coutier

la vie
marcher sur des sables mouvants
エムロード クーチエ

人生
動く砂の上を歩く

【今月の秀句】

Marin Rada

primul kukai -
tu citești gândul meu la ora de ceai

premier kukai -
tu lis ma pensée à l'heure du thé
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Il a participé activement au premier kukai de l’année. Le haiku n’a pas été bien compris mais le soulagement à l’heure du thé ou son haiku a éteébien apprecié est tendrement expliqué.
マリンラダ

初句会
お茶の時間に私の思いを知ってもらう
〔永田満徳評〕
今年最初の句会なので、意気込んで参加してみると、俳句の意図が伝わらず、句会後、「お茶の時間」の句談義で理解してもらった安堵感が詠まれている。

Angela Giordano

cartolina di Capodanno
quella che non ti ho mai spedito

New Year's postcard
the one I never sent you
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
アンゲラ ギオルダーノ

年賀状
その一枚は送っていないもの
〔永田満徳評〕
「その一枚」は意中の人への年賀状であろう。出そうか、出すまいかと迷っているうちに、出さずじまいになったのである。恋の複雑な心境を詠み込んでいる。
The one card must be the new year card for lover.She hesitated to send it or not and finally not.The complicated situation of love is well described.


Michel Duflo

nuit du réveillon –
lequel d’entre nous mourra le premier
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
L’auteur doit avoir un problème de santé. A la saint Sylvestre, il est pris d’une émotion profonde.
ミシェル ドユフロ

大晦日の夜のパーティー
私たちの中で誰が最初に死ぬだろう
〔永田満徳評〕
作者は健康上に一抹の不安を抱えているのであろう。大勢の人のなかにいればこそ、「誰が最初に死ぬ」かという疑念がよぎる。大晦日ならではの感慨である。

Christina Chin

mountain stove
on a round rug sharing old stories
クリスチーナ シン

山のストーブ
丸い敷物の上に昔話を分かち合う

Jean Luc Werpin

campagne en hiver ~
la fumée des cheminées guide mes pas
ジャンリュック ヴェルパン

冬の田舎
煙突の煙が道を導く

Nuky Kristijno

kicking little feet on knitted socks
mother sings a lullaby
ナッキー クリスティジーノ

手編みの靴下の小さな足が蹴る
母さんは子守唄を歌う

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「華文俳句社」Kabun Haiku ③

2019年03月17日 14時04分13秒 | 華文俳句
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku ③〜

◆『くまがわ春秋』3月号が発行されました。
◆Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ③が掲載されています。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2018年11月1日には、二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku ①〜

◆『くまがわ春秋』3月號已出版。
◆刊登Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ①。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。
◆請各位多多支持指教。


華文俳句(くまがわ春秋)3月号
永田満徳選評•洪郁芬訳


離畢華

春寒料峭的清晨
茶葉在杯裡旋舞  
〔永田満徳評論〕
初春的早晨還留著冬天的寒冷。作者細細的觀賞茶葉在杯裡緩慢旋轉。面對那溫暖早晨的飲品,作者沉醉於平靜時刻的氣氛真好!

離畢華

春寒の朝
茶葉がお茶碗で旋回している
〔永田満徳評〕
まだ寒さが残る春浅い朝、お茶の葉が茶碗の中で渦巻いているのを眺めているのであろうか。温かい飲み物を前にして、しばしの安らぎを楽しんでいる雰囲気がいい。


紫澤望

鳳凰樹
十字路口的迷惘
〔永田満徳評論〕
畢業時期開花的鳳凰木下,作者正站在十字路口。「十字路」的用詞極佳,穩妥的表達了畢業生正面臨選擇未來方向的情景。

紫澤望


鳳凰の木
十字路の迷い
〔永田満徳評〕
卒業期に開花する「鳳凰」の木の下で、十字路に立っている情景。「十字路」という措辞がよく、卒業したばかりで、これからの進路を思い描いていることを表現している。


Angel Tsukimori

熟成的梅酒
翻動的舊相片
〔永田満徳評論〕
作者一手梅酒,一手入神的翻閱令他眷念的舊照片。「梅酒」與「舊照片」的兩項對照組合絕妙。作者沉靜的陶醉於片刻的夏夜,此景歷歷在目。
Angel Tsukimori

熟成の梅酒
めくる古写真
〔永田満徳評〕
美味しい梅酒を片手に懐かしい古い写真に見入っているのである。「梅酒」と「古写真」との取り合わせがよく、夏の夜のひと時をじっくり味わっている様子が読み取れる。

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華文詩誌『流派』9期 2018.10発行

2019年03月13日 07時12分10秒 | 華文俳句
俳句大学国際俳句学部よりのお知らせ!

〜華文圏で初めて「二行俳句」紹介さる〜

華文詩誌『流派』9期 2018.10発行
〔洪郁芬〕(抜粋と訳)
◆俳句は日本の伝統の詩であるが、今や世界各地で色々な言語で詠まれている国際的な文学である。「世界で一番短い詩」に魅せられ、作者や詩人は本国語での俳句の創作を試している。
◆俳句は上句(5)、中句(7)、下句(5)の形式です。これまでの華文俳句は三行書きの現代詩、または三行書きの中国古典詩が主な内容になっている。英語俳句も三行書きが主流である。
◆しかし、俳句の美学は、三行の形式、季語、瞬間の感動の他にもう一つ大切な要素、「切れ」がある。
(…切れの意味と例)
◆ですので、この投稿では日本俳句の切れの美学を実践とする、華文二行俳句を提唱する。瞬間の感動を読む短詩を楽しんでください。

◾️各華文二行俳句の作品(抜粋)
〔郭至卿〕

一聲雷
成績單上的紅字
【郁芬訳】
雷鳴一つ
通信簿の赤字

桌上的咖啡杯
翻開的詩集
【郁芬訳】
机のコーヒーカップ
開かれた詩集(無季)
③蘭陽平原的冬天
山邊農舍的炊煙
【郁芬訳】
蘭陽平原の冬
山辺に農舎の炊煙

〔永田満徳〕

一灣的光束啊
元旦初景
【郁芬訳】
一湾に光の束や
初景色

一人離去兩人離去
暮色裡的櫻
【郁芬訳】
一人抜け二人抜けして
夕桜

犀牛角
來頂撞人世的春天罷!
【郁芬訳】
犀の角
この世の春を突いてみよ

〔趙紹球〕

花落滿階
半夢半醒的早晨
【郁芬訳】
落花の階(きざはし)
うつらうつらの朝

秋月
石碑上的青苔
【郁芬訳】
秋の月
碑(いしぶみ)の青苔

海口遲暮
情人橋上眺望的麗人
*情人橋在台灣的淡水
【郁芬訳】
港湾の日暮れ
情人橋で眺める佳人
*情人橋は台湾の淡水にあります

〔洪郁芬〕

一痕飛機雲的傷
夏日晴空
【郁芬訳】
飛機雲の傷跡ひとつ
夏の空

風獅爺斗篷
翻轉時間
【郁芬訳】
シーサーのマント
時間を翻す
*シーサーは台湾海峡の島々で、強い風から島民の生活を守る守護獅子です。島人達は、シーサーに色々な柄のマントを付る。

魚鱗雲
地球彷彿那方
【郁芬訳】
うろこ雲
向ふに地球あるやうな

〔吳衛峰〕

手夠不到鬧鐘
春曉
【衛峰訳】
目覚まし時計に手が届かない
春のあけぼの

爬格子
發情的貓走過
【衛峰訳】
もの書けば
恋猫が通り過ぎる

蟬聲
夜行路長長的影子
【衛峰訳】
蝉の声
夜道に伸びる人の影lこ

※画像:『流派』表紙と華文二行俳句のコーナー

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機関誌『HAIKU』第4号発行

2019年03月13日 07時05分12秒 | 機関紙「HAIKU」
俳句大学国際俳句学部(Haiku Column)よりのお知らせ!

〜機関誌『HAIKU』第4号発行〜

◆12月25日に朔出版から『HAIKU』4号が刊行されました。
◆365日間毎日欠かさず、Facebook「 Haiku Column(俳句大学国際俳句投句欄)」で国際句会をしてきた賜物です。
◆522ページに及ぶ内容で、とても充実しています。
◆主な内容は「一人10句」月刊誌連載の「今月の秀句」、「今週の秀句 一句鑑賞」、世界で類を見ない「国際歳時記」(夏)などで、話題豊富です。
◆フランス、イタリア、ベルギー、ルーマニア、イギリス、チュニジア、モロッコ、アルジェリア、インドネシア、台湾、アメリア合衆国、ネパール、カメルーン、ハイチ、レユニオン、ハンガリーなど、
すでに100名に発送しました。
◆この第1、第2、第3号は国立図書館、フランス大使館、東京の日仏学院、メゾンフランコジャポネ、パリのメゾンフランコジャポネ、日本の俳人に贈呈しました。
12月30日
『HAIKU』代表 ・俳句大学学長 永田満徳
『HAIKU』発行人兼編集長 向瀬美音

Annonce du département international de Haiku University
1. le 25 décembre a été publié le volume 4 de l'anthologie de Haiku.
2. c'est le résultat de 365 jours de kukai international.
3. Le contenu de 522 pages est très riche.
4. Le volume 4 est composé des 10 Haiku de chaque membre traduits en japonais, de la sélection mensuelle, hebdomadaire, des essais et du saijiki international.
5.Nous avons déjà envoyé à plus de 100 haijins de: France, Italie, Belgique, Roumanie, Angleterre, Tunisie, Maroc, Algérie, Indonésie, Haiti, Cameroun, La Reunion, Taiwan.
6. Les volumes 1, 2, 3 et 4 sont déposés à la bibliothèque nationale du Japon, à l'ambassade de France au Japon, la Maison Franco-Japonaise de Tokyo, la Maison du Japon à Paris et nous les avons envoyés aux grands haijins japonais.
12.30
De la part de Mitumori Nagata, président de Haiku University et Mine Mukose, éditeur en chef.

Announcement of the international department of Haiku University
1. The volume 4 of the Haiku anthology has been published on December 25.
2. Thanks to 365 days of international kukai.
3. The content of 522 pages is very rich.
4. The volume 4 contains 10 Haiku of each member, the monthly and weekly selection, assays and international saijiki.
5. We have send it already to more than 100 haitians of: France, Italy, Belgium, Romania, United Kingdom, Tunisia, Morocco, Algeria, Indonesia, Haiti, Cameroon, Reunion Island, Taiwan.
6. The volumes 1, 2, 3 and 4 are filed in the national library of Japan, in the French Embassy in Japan, in the Maison Franco-Japonaise in Tokyo, in the Japanese cultural center in Paris and we sent it to the great Japanese haijins.
12.30
From Mitunori Nagata, president of Haiku University and Mine Mukose chief editor.

『HAIKU』第4号表紙・機関誌『HAIKU』第1、第2、第3、第4号

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『WEP 俳句年鑑 2019版』(2019年1月31日)

2019年03月13日 06時58分43秒 | 俳句年鑑
『WEP 俳句年鑑 2019版』(2019年1月31日)

〜自選7句[284P]〜

〈俳句大学〉永田満徳(ながたみつのり)

あぶれ蚊の寄る弁慶の泣きどころ

十六夜や汝の消息検索す

霧晴れて牛は牛たるさまで立つ

庭一杯菊を咲かせて老いにけり

ストーブを消して他人のごとき部屋

寒晴や手で物を言ふ写楽の絵

群れをなすことを力に鶴引けり


※画像:表紙と作品
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