【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

月刊誌「俳句界」11月号!

2019年10月25日 08時46分27秒 | 月刊誌「俳句界」
月刊誌「俳句界」11月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・11〜

◆俳句総合誌『俳句界』11月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」1月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。また、今年末には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Novembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le Novembre de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The November issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the November issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.


【Facebook「Haiku Column」より】
今月の秀句(「俳句界」11月号)

永田満徳選評/向瀬美音選訳



Mohammad Azim Khan

mannequins waiting for their turn ~
seasonal change of clothes
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
It is the season of changing the clothes, A scene of changing summer clothes on naked mannequins one after another. As if mannequins change themselves,the personnification is very good.

マホメッド アジム カーン

マネキンが順番を待つ
衣更
〔永田満徳評〕
替えのシーズン。はやりの夏の服を裸のマネキンに次々に着せ替えている情景。マネキン自身が衣替えを促しているように、「マネキン」を擬人化しているところがよい。



Seby Sebi

pașii ei răspândind valuri -
kimono de vară

her footsteps spreading waves-
summer kimono
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
In the village beautiful women in summer kimono walking. By [spreading waves ] we can see that everyone watch her intentively.

セビー セビ

彼女の歩みが波紋を広げる
浴衣
〔永田満徳評〕
街中を浴衣美人が颯爽と歩いているのであろうか。「波紋を広げる」という措辞から、彼女が通り過ぎるたびに、周囲の視線を一身に集める情景がありありと目に浮かぶ。



Elhoucine Bouhlou

Epis dorés~
Le paysan aiguise sa faucille
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Épis de blé dorés. Le paysan est en train d'aiguiser sa faucille pour couper le blé. Avec [aiguise sa faucille] nous pouvons imaginer l'enthousiasme des paysans qui veulent obtenir plus de récolte.

エルシン ブルー

金色の小麦
農民は半月鎌を尖らせる
〔永田満徳評〕
黄金なす麦の穂。麦刈りをするために鎌をよく研いでいるのである。「尖らせる」という措辞に、より多くの収穫を得たいとする「農民」の意気込みが読み取れる。


Sarra Masmoudi

retour au bled~
cette chanson que je fredonne à mon insu

サラ マスモウディ

帰省
知らずに口ずさむ歌

Bernadette Couenne

pélerinage à Shikoku -
la carte des 88 temples sur la table
ベルナデット クエンヌ

四国の遍路
机の上に88個の寺院の地図

タンポポ 亜仁寿

flickering fireflies above the footsteps
homecoming
タンポポ 亜仁寿

足音の上に明滅する蛍
帰省

Joëlle

soubresaut du chat
les baies de cassis éclatent dans la casserole
ジョエル

猫の不意のジャンプ
鍋の中のカシスの実が弾ける

Isni Heryanto

kitchen window
Mother gently sings the May Day song
イスニ ヘイヤント

キッチンの窓
母が静かにメーデーの歌をうたう

Igorina Darsa

the moon follows wherever I go
homecoming
イゴリナ ダルサ

どこへ行こうとも月が付いてくる
帰省

Siu Hong-Irene Tan

clear blue sky
an eagle flies freely to the highest
シウ ホング イレーヌ タン

澄んだ青空
ワシが自由に高みを目指す

Rosa Maria Di Salvatore

another summer...
another dream to be dreamt
ローザ マリア ディ サルバトーレ

もう一つの夏
夢みるべきもう一つの夢

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

月刊誌「俳句四季」11月号!

2019年10月21日 06時57分00秒 | 華文俳句
月刊誌「俳句四季」11月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「Today's KIGO」〜

◆俳句総合誌『俳句四季』11月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「Today's KIGO(今日の季語)」から季語の紹介と選句を掲載しています。また、「俳句四季」4月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
また、KIGO(季語)を使ったHaikuの可能性を追求して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。また、今年末には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Le Novembre d'avril de「HAIKU SHIKI」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum
◆Le Novembre d'avril de HAIKUKAI 俳句四季 vient d'être publié.
◆il contient les meilleurs haikus du mois avec KIGO selectionnés par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer à publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The November issue of 「HAIKU SHIKI]!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the November issue of HAIKU SHIKI has just been published.
◆It contains the best haikus with KIGO selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

【俳句四季11月号(KIGOとHAIKU)】

秋の季語月刊「俳句四季」俳句四季用秋の季語と句(11月号)

夜長 よなが yonaga / long night / nuit longue


‎タンポポ 亜仁寿‎

long night
chamomile tea beside the bed
タンポポ 亜仁寿‎
夜長
ベッドの横にカモミールティー

Bruno Robert

longue nuit
penser à repeindre le plafond
ブリュノー ロベルト

夜長
天井を塗ろうかと思う

Grace Vee

two teacups in a small garden
Long night
グラス ヴェー

小さい庭に二つのティーカップ
夜長


月 つき tsuki / moon / lune


Sarra Masmoudi

l'odeur du pain emplit la bourgade~
lune de l'aube
サラ マスモウディ

パンの匂いが村を満たす
夜明けの月

Florence Mühlebach

la lune se mire dans la piscine ~
plongeon
【美音訳】
reflection of the moon in the swimming pool~
diving
フロランス ミュールバッハ

月はプールに写る
ダイビング

Ayung Hermawan

moonlight line
sea ​​foam splits coral on the coas
アユング ヘルマワン

月光の帯
海の泡は沿岸の珊瑚を分ける


秋の風 あきのかぜ akinokaze / autumn wind / vent d’automne


Sofyan Hadi

autumn wind
yellow ginkgo leaves in the temple grounds
ソフラン ハディ

秋の風
黄色い銀杏の葉が寺の地面に

Michèle Lila Harmand

mille-feuille -
les pages de ses saisons au vent d’automne
ミシェル リラ ハルマンド

ミルフィーユ
秋の風に季節のページ

Kamel Meslem

vent d'automne
bâton en main le vieillard revient en soupir
カメル メスレム

秋の風
棒を持った老人がため息をつきながら戻って来る


稲妻 いなずま inazuma / lightning / éclair


Soucramanien Marie

Éclairs-
La lame vive des coupeurs de cannes à sucre
スークラマニエン マリー

稲妻
サトウキビを刈るナイフの鋭い輝き

Francesco Palladino

lightning-
naked on this earth
フランチェスコ パラディノ

稲妻
この地球上で全裸

Bulle DesTerres - ljb

de nuages en nuages les éclairs blancs
larmes dans tes yeux
ビュル デ テール

雲から雲へ白い稲妻
お前の目の中の涙


渡り鳥 わたりどり wataridori / migratory bird / oiseau migrateur

Rina Darsa Bonanza

migratory birds
train slowly crosses the bridge
リナダルサ ボナンザ

渡り鳥
列車がゆっくりと橋をわたる

Agus Maulana Sunjaya

adding the last chapter
migrating bird
アグス マウラナ スニアヴァ

最後の章を加える
渡り鳥

Li

the house is empty without occupants
migratory birra
リー

住む人のない空っぽの家
渡り鳥


秋の蛇 あきのへび akinohebi / autumn snake / serpent d’automne


Rina Bonanza Darsa

autumn snake
sound of friction dry leaves in the dark
リナ ボナザ ダルサ

秋の蛇
暗闇で乾いた葉のこすれ合う音

Isni Heryanto  

branching tongue licked the wind
autumn snake  
イスニ ヘヤント

枝分かれした舌が風を舐める
秋の蛇

Cucu Hermawan

autumn snake skin on rock -
today is my birthday
クク ヘルマワン

秋の蛇の抜け殻が岩の上
今日は私の誕生日

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

俳人協会編 俳句カレンダー

2019年10月17日 12時33分01秒 | 俳句
令和2年度版 俳人協会編 俳句カレンダー!

〜発売中〜

【2月掲載】
この町を支へし瓦礫冴返る  永田 満徳

〔体裁〕
月別 表紙とも 13 枚綴り壁掛用、金具の無い紙タイプ
〔頒価〕
1 部 1,200円 送料
〔発売〕
10 月上旬より
〔申込先〕
俳人協会カレンダー係
〒169-8521 東京都新宿区百人町 3-28-10
公益社団法人 俳人協会
電話 03(3367)6621 FAX 03(3367)6656 振替 00160-2-273
b
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「華文俳句社」Kabun Haiku ⑩

2019年10月12日 21時56分54秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku ⑩〜

◆『くまがわ春秋』10月号が発行されました。
◆Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ⑩が掲載されています。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2018年11月1日には、二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆2019年10月には洪郁芬の句集《渺光之律》と郭至卿の句集《凝光初現》が秀威出版社で一斉に刊行されました。この句集は今までの三行俳句と違い、華文の二行俳句であり、華文詩壇において大壮挙です。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku ⑩〜

◆『くまがわ春秋』⑩月號已出版。
◆刊登Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ⑩。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。
◆ 洪郁芬的句集《渺光之律》和郭至卿的句集《凝光初現》於2019年十月由秀威一齊出版。他們的華文二行俳句與以往的三行俳句不同,是華語文壇的一大創舉。
◆請各位多多支持指教。

華文俳句(くまがわ春秋)10月号
永田満徳選評•洪郁芬訳


幼兒問了很多為什麼
葡萄

雅詩蘭
〔永田満徳評論〕
幼兒有旺盛的好奇心,對於任何事物都要發問的樣子惹人喜愛。與「葡萄」的兩項對照組合更是絕妙。當幼兒的臉頰塞滿葡萄,不停的問問題,那可愛的樣子是無與倫比的。

雅詩蘭

幼児はいくつものどうしてを聞く
葡萄
〔永田満徳評〕
好奇心が強く、なんでもすぐに聞いてくる幼児の様は愛くるしい。特に、「葡萄」との取合せがよく、「葡萄」を頬張りながら疑問を投げかけてくるときはなおさら愛くるしいものである。


公園草地上的小提琴演奏
秋日明媚

郭至卿
〔永田満徳評論〕
情景是在公園,戶外的演奏。觀眾們坐在草地或長凳上,傾聽「小提琴」的演奏。「秋日明媚」的季語使用絕佳,將秋日晴朗、心曠神怡的氛圍表露無遺。

郭至卿

公園の芝生でヴァイオリンの演奏
秋うらら
〔永田満徳評〕
公園だろうか。野外での演奏風景。芝生やベンチに座って、「ヴァイオリン」に耳を傾けている情景。「秋うらら」が効いていて、秋晴れの、心地よい雰囲気が描き出されている。


候選人的造勢吶喊
秋扇

黃士洲
〔永田満徳評論〕
候選人在造勢會場高聲叫喊並嘶吼,台下的聽眾一邊搖著「秋扇」,一邊熱情的支持。以「秋扇」的兩項對照組合來描述選舉活動中,火力十足的一個情景。

黃士洲

集会の選挙候補者の叫び
秋扇
〔永田満徳評〕
集会所で選挙候補者が声をからして訴えているのを「秋扇」を仰ぎながら熱心に聞いている情景だろう。「秋扇」との取り合わせで、熱気のある選挙運動の一場面が切り取られている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郭至卿著「凝光初現』

2019年10月10日 21時59分55秒 | 句集序文・跋文
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜二行俳句の個人句集〜

◯華文俳句句集第二
〔華文俳句叢書2〕

書名:『凝光初現』
副標題:華文俳句集

著者:郭至卿 Kuo Chih Ching
発行2019.10

序一 永田満徳 日文

日本の「俳句大学」の国際俳句学部が提唱している「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句の華文圏初めての個人句集『凝光乍現』が台湾で出版されたことは大変喜ばしいことである。
俳句は日本の伝統的な詩の一つである。今では世界各地でそれぞれの言葉で書かれている国際的な文学形式である。しかし、三行書きにしただけの俳句は形式のみで、俳句の美学を表現しているとは思えない。それは俳句の型と俳句の特色に対する共通認識がないからである。
そこで、日本俳句の大切な美学である「切れ」と「取り合わせ」の二行書きの俳句を提唱し、華文圏での俳句の発展に寄与するため、私は顧問および作者として洪郁芬、郭至卿、趙紹球、吳衛峰と共に2018年12月に台北で《華文俳句選》を出版した。さらに2018年12月4日に創立した「華文俳句社」の顧問になり、華文俳句のさらなる進展を図ってきた。
郭至卿氏が句集『凝光乍現』を出版することは「華文俳句社」の顧問として楽しみである。なぜならば、この句集によって、「切れ一つ」と「取り合わせ」の俳句の美学に対する理解が深まり、絶句(漢詩)、現代詩、短詩、散文詩などの様々なジャンルを持つ華文詩の中で、華文俳句の定着と広まりがより一層華文詩界を豊かにすることが期待されるからである。 
私が初めて郭至卿氏に注目した華文俳句は「女子の銀鈴のような笑い声/春野原」である。郭至卿氏はこの評価によって励まされ、それ以来華文俳句を書き続けて、試行錯誤の中、季語一つで瞬間の感動を書き留める俳句の奥深さがだんだん分かってきたという。
郭至卿氏は本句集に収録されている「詩人の筆は止まらない/春の潮」や「星月夜/探検家の小説を読む」の秀句にも見受けられるように、大変な読書家で、文学的素養と才能は飛び抜けている。例えば、「くまがわ春秋」に取り上げた句を紹介してみよう。
「雷鳴一つ/通信簿の赤字」は雷の時に成績をつける情景であろう。雷の光と通信簿の赤が素晴らしい色の対比を成している。
「杖で立つ老人/北風吹く」は「老人」と「北風」とは直接的には無関係かもしれない。しかし、寒い北風に抗うように、杖一本を突いている老人の凛とした態度が感じ取れる。
「春の光/額縁のなき風景画」は「春光」はここでは「春のまばゆく、柔らかな光」のこと。「額縁なき」という措辞に、見渡す限り広々とした野山の美しい春景色が描き出されている。
「雷鳴一つ」の句は色の「対比」が見事である。また、「杖で立つ老人」は「老人」と「北風」とを即かず離れず取り合わせている。さらに「春の光」の句は俳句の技巧である「写生」が効いている。いずれも、「切れ」と「取り合わせ」を用いていて、日本の俳句に勝るとも劣らない句ばかりである。
最後に心惹かれる句を取り上げておきたい。

窓外に溢れんばかりの藤
恋愛小説

岸辺の老人は釣竿を振る
水温む

春の雨
シリーズの恋愛小説を読む

遠雷
サスペンスの終わり

午後の居眠り
チリリンとアイスクリームワゴン

星月夜
探検家の小説を読む

驚嘆符の台北一〇一ビル
秋の空

秋の海
車椅子で遠方を見る老人

寒日和
救援隊のお知らせ

寒波来る
第二次大戦の記念碑

令和元年七月吉日
永田満徳

日本俳句協会副会長、日本俳句大学学長、俳人

永田満徳氏プロフィール:
日本俳句協会副会長、俳人協会熊本県支部長、俳人協会幹事、「未来図」同人、「火神」編集長。恩師の紹介で俳句を始めて30年、現在に至る。
文学研究では三島由紀夫や夏目漱石の俳句などの論考がある。
句集に『寒祭』(文學の森) 共著に『漱石熊本百句』(創風出版)『新くまもと歳時記』(熊本日日新聞社)。


序一 永田満徳 中文

相同於日本「俳句大學」的國際學部,以提倡「切」與「兩項對照組合」的二行華文俳句個人詩集「凝光初現」的台灣出版是值得慶賀的。
俳句原是日本的傳統詩型之一,現已跨越日文藩籬,在世界各地以不同的語言書寫,儼然成為國際性的文學型式。然而,綜觀國際俳句的實況便可以理解,大部分的國際俳句都寫成三行,卻無表現俳句美學的實質內容。這是因為國際俳句對於俳句的形式與特色沒有達成共識所致。
為了於華文圈提倡俳句的本質「切」與「兩項對照組合」,並推廣俳句,我擔當顧問及作者參與洪郁芬、郭至卿、趙紹球、吳衛峰於2018年12月《華文俳句選》的出版。除此之外,也擔當成立於2018年12月4日的「華文俳句社」的顧問,力圖華文俳句的推廣與發展。
身為「華文俳句社」的顧問,我相當樂見郭至卿出版《凝光初現》俳句集。希望此俳句集的出版能讓讀者更理解「切」與「兩項對照組合」的俳句美學,並期望華文俳句能與古典詩、現代詩、小詩、散文詩等齊聚一堂共同豐富華文詩壇。
第一次認識郭至卿,是藉由她寫的俳句「女孩銀鈴的笑聲/春天的花園」。我給她的評語是「好俳句」。她似乎因此得到激勵,加入書寫俳句的行列。在不斷嚐試的過程,似乎愈來愈能體會俳句使用一個季語來補捉生活瞬間感動的奧妙。
從這本俳句集的內容,如「詩人執筆的手不停啊!/春潮」或是「星月夜/閱讀探險家的小說」等優秀的俳句可窺見,她喜愛閱讀,並有出眾的文學素養和才華。我於此介紹幾首至卿刊登於熊本月刊誌的俳句。
「一聲雷/成績單上的紅字」大概是打雷時登記成績單的景象。雷的光和成績單的紅色形成很棒的色彩對比。
「拄著柺杖的老人 /聽北風 」 乍看之下,「老人」與「北風」似乎沒有直接的關聯。
雖然如此,我們仍然能感受到老人拄著拐杖,彷彿是在對抗寒冷的北風而凛然站立的態度。
「春光/未加框的風景畫」的春光於此處意味著「春天耀眼、柔和的光」。使用措辭「未加框」,清楚描繪了春天一望無垠、日麗風清的山野景觀。
「一聲雷」的色彩對比相當出色。「拄著柺杖的老人」的俳句中,「老人」與「北風」有不即不離、恰到好處的關係。「春光」的俳句使用「寫生」的技巧。這些俳句都使用「切」與「兩樣對照組合」,皆是相較於日本俳句有過之而不及的佳作。
最後於此列舉幾首我心所慕的俳句:

窗外盛開的紫藤
愛情小說

坐岸邊的老人揮釣桿
水亦暖

春雨
閱讀連載的愛情小說

遠方的雷聲
懸疑小說的結局

午後打盹
冰淇淋車的鈴噹聲

星月夜
閱讀探險家的小說

驚嘆號的台北101大樓
秋日高空

秋天的海
輪椅上望向遠方的老人

寒晴
救援隊傳來的消息

寒流至
二次大戰的紀念碑


令和元年七月吉日
永田満徳

日本俳句協會副會長、日本俳句大學校長、俳人
永田満徳先生簡歷:

日本俳句協會副會長、俳人協會熊本縣分部長、日本俳人協會幹事、雜誌《未來圖》同人、雜誌《火神》總編輯。由恩師引領開始創作俳句30年至今。
在文學研究方面,著有對三島由紀夫和夏目漱石俳句的論考。
著有《寒祭》(文學の森),《漱石熊本百句》(合著,創風出版)、《新くまもと歳時記》(合著,熊本日日新聞社)。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする