【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

「Haiku Column」〜  ☆【俳句界】2024年10月号☆

2024年09月25日 08時52分26秒 | 「俳句界」今月の秀句
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
 
〜Facebook「Haiku Column」〜
 
 ☆【俳句界】2024年10月号☆
 
◆俳句総合誌『俳句界』2024年10月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
 
The October issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the October issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
 
« HAIKUKAI» Le numéro de Octobre
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Le Octobre de HAIKUKAI a été publié.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
 
(「俳句界」R6.10月号)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】  
永田満徳選訳 訳:Anikó Papp・大津留直 監訳:五島高資
 
(Facebook「Haiku Column」より)
Daniela Misso(Italy) 
notte afosa -
tende lavate che evaporano
sultry night -
washed curtains evaporating
ダニエラ ミッソ(イタリア)
洗ひたてのカーテン蒸せる溽暑の夜
Anna Rimondi(Italy)
sera d'estate -
sulla fiaba di nonna si ferma il vento
summer evening-
the wind stops on grandmother's fairy tale
アンナ リモンディ(イタリア)
夏夕べ祖母のおとぎに風の止む
Probir Gupta(India)
summer sunrise -
cat licking just born kittens
プロビル・グプタ(インド)
夏日の出今生れし子を舐むる猫
Fatma Zohra Habis (Algeria)
‎نهاية الصيف
‎لا أثر تخفيه رمال الشاطىء
end of summer
there is no trace hidden by the beach sand
ファトマ ゾーラ ハビス(アルジェリア)
砂浜に何も残らぬ夏の果
Achmad Rif'an(Indonesia)
rainbow
peace after the storm
アハマド・リファン(インドネシア)
虹立ちて嵐の後の平和かな
Tanpopo Anis (Indonesia)
summer stars -
my rucksack full of story stunning
たんぽぽ亜仁寿(インドネシア)
夏星やリュック一杯の物語
el Hamied(Indonesia)
summer beach
children playing chase with small waves
エル・ハミード(インドネシア)
さざ波と子ら駆けつこや夏の浜
Nuky Kristijno(Indonesia)
sprinklers
the cat steps on my feet
ナッキー クリスティジーノ(インドネシア)
わが足を踏みゆく猫やスプリンクラー
Ariani Yuhana(Indonesia)
knitted hat -
the baby with rabbit head
アリアニ ユハナ(インドネシア)
夏帽子うさぎ頭の赤子かな
Dyah Nkusuma (Indonesia)
sun dress ~
smile make your face more glowing
ディア ヌクスマ(インドネシア)
サンドレス笑顔は君を輝かす
Olfa Kchouk Bouhadida(Tunisia)
summer clothes ~
the real size is clearly visible
オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)
実寸がはつきり見えて夏衣
Rosa Maria Di Salvatore(Italy)
sunny day -
a leaf of mint in my iced tea
ローザ マリア ディ サルバトーレ(イタリア)
快晴やアイスティーにはミントの葉
Barbara Anna Gaiardoni(Italy)
Japanese Paradise Flycatcher
thoughts fly away
バーバラ アナ ガイアルドニ(イタリア)
三光鳥飛び去りゆけるわが思ひ
Irmareeves (Indonesia)
sweat hand towel
with my name and logo for after taichi
イルマリーヴス(インドネシア)
太極拳の汗拭きタオルわが名のロゴ
Maurizio Brancaleoni(Italy)
morte di Kafka -
la cimice essiccata nella finestra
Kafka's death -
desiccated stink bug inside the window frame
マウリツィオ・ブランカレオーニ(イタリア)
カフカ忌に亀虫枯るる窓辺かな
Angela Giordano (Italy)
farfalla estiva
volano alti i sogni di un bambino
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
子の夢は高く羽ばたく夏の蝶
Kim Olmtak Gomes (Holland)
mosquito buzz
politicians' promises
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
政治家の公約ぶんと蚊の鳴ける
barbara olmtak(Holland)
shelter for a rainy day
snail
バーバラ オルムタック(オランダ)
雨の日の避難所のある蝸牛
Paul Callus(Malta)
surrounded by eager children -
goldfish vendor
ポール カルス(マルタ)
熱心な子等に囲まれ金魚売
Marisa Schiavon(Italy)
i semi d'anguria nel piatto -
mappa di guerra
マリサ シアボン(イタリア)
皿にある西瓜の種や戦争地図
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5Kim Olmtak Gomes、Biyou Utashiro、他3人
 
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華文俳句 〜【俳句界】2024年10月号〜」

2024年09月25日 08時26分42秒 | 「俳句界」華文俳句
俳句大学国際俳句学部!
Facebook「華文俳句社」より
 
〜【俳句界】2024年10月号〜」
 
◆2024年『俳句界』10月号が発行されました。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2024・10〜
◆2024年『俳句界』10月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2024,10月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
中藥舖打盹的藥劑師
三伏
帥麗
〔永田満徳評論〕
「三伏」指的是夏天的熱勢非常旺盛,以至於將秋天的氣息壓伏下去、降服的意思。提到台灣的中藥店,就會想到作為觀光景點也很有名的批發街「迪化街」。在酷熱的天氣中,顧客稀少,閒暇之時,不禁「打瞌睡」的中藥店老闆的情景被描繪了出來。台灣人民恬靜和平的生活方式被巧妙地捕捉到了。
 
三伏や漢方店主のうとうとと
帥麗
〔永田満徳評〕
「三伏」は夏の勢いがとても盛んで秋の気配を伏する、降伏させるという意味。台湾の漢方薬屋と言えば観光地としても有名な問屋街「迪化街」がある。うだるような暑さのなか、客足は遠のき、暇なひと時、つい「うとうと」としている漢方薬屋の「店主」の様子を描いている。台湾の人々ののどかで平和な暮らしがうまく切り取られている。
 
南門老闆娘的爆炸頭
楊桃汁
〔永田満徳評論〕
「楊桃汁」是台灣夏日的象徵,因其酸甜適中且營養豐富而廣受喜愛。在這首俳句中,一位擁有自然捲曲、蓬鬆髮型的「爆炸頭」女將,被描繪成飲著楊桃汁,展現出健康煥發的形象。在台北歷史悠久的「南門市場」中,她以充沛的活力經營著生意,場景充滿生機與朝氣。
 
黃士洲
南門の女将のアフロ楊桃汁
黃士洲
〔永田満徳評〕
「楊桃汁」は台湾の夏の季語でスターフルーツのジュースのこと。酸味と甘みのバランスがよく、豊富な栄養価で広く愛されている。自然なカールやボリュームを持つ髪型で、インパクトが絶大な「アフロヘアー」の「女将」が楊桃汁を飲んで健康そのものと言った感じで、台北でも長い歴史を持つ伝統市場「南門」の市場で、勢いよく商売しているところをよく描いている。
水面倒映天空的雲彩
鹽田
ylohps
〔永田満徳評論〕
「鹽田」是台灣夏季的季語。台灣的鹽田歷史悠久,不僅是食鹽的生產基地,還以觀光景點聞名。鹽田文化至今仍然傳承著,作為勤勉與智慧的象徵,是重要的文化遺產。透過「映在水面上的天上雲」這一表達,介紹了台灣鹽田美麗的景色,以及夕陽倒映在鹽田上的壯麗景觀。
 
塩田や水面に映る空の雲
ylohps
〔永田満徳評〕
「塩田」は台湾の夏の季語。台湾の塩田は歴史が古く、食塩の生産拠点であるだけでなく、観光地としても知られる。塩田文化は今もなお受け継がれていて、勤勉と知恵の象徴として重要な文化遺産となっている。「水面に映る空の雲」と表現することによって、塩田の美しい景色や照り映える夕陽を楽しむことができる台湾の塩田風景を紹介している。
 
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第4回「中村青史賞」を受賞して

2024年09月11日 23時18分47秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」

「くまがわ春秋」2024年9月号よりお知らせ!

令和6年 第4回「中村青史賞」を受賞して

                   永田満徳

このたび、令和6年第4回「中村青史賞」を頂き、身の引き締まる思いです。選考いただいた「一般社団法人くまもと文化振興会」の理事の方々に、心より御礼申し上げます。

「くまもと文化振興会」の顧問を務められた中村青史先生は、徳富兄弟、夏目漱石、小泉八雲ら熊本ゆかりの文学者についてのさまざまな顕彰活動が認められ、2019年に「熊日賞」を受賞されました。それをもとに、 2020年に創設されたのが「中村青史賞」です。

「中村青史賞」は、その年に熊本の文化芸術面において貢献した者へ贈られ、素晴らしい文化活動に対する顕彰として、熊本の文化界で重要な存在となっています。

中村青史先生との出会いはかれこれ50年ほど前、私が大学を出たばかりのころです。「熊本歴史科学研究会」会員の永野守人氏の家に招かれたときに初めてお目にかかりました。その席で、中村先生に「文学研究を続けたい」と思いを述べたところ、「熊本には誰でも入れる『熊本近代文学研究会』があり、代表の首藤基澄先生に紹介しよう」ということになりました。

「熊本近代文学研究会」は毎月一回の研究発表と機関誌「方位」の寄稿という車の両輪で行われていました。私はそこで、夏目漱石や木下順二、小泉八雲などの研究を発表したり、寄稿したりしました。熊本の文学者を扱った単行本『熊本の文学』(審美社)では三好達治、蓮田善明、三島由紀夫を担当しました。これらは熊本カルチャーセンターで講師を務めている「熊本の文学」講座の12講座や、その他の講話の基になり、貴重な財産となっています。

また、首藤基澄先生には俳句を勧められ、現在、首藤先生が創立された俳誌「火神」主宰や俳人協会幹事、俳人協会熊本県支部長を任されています。第二句集『肥後の城』(文學の森、令和3年9月発行)では熊本の風土を詠み込んだものとして、第15回「文學の森大賞」(令和5年)を頂くまでになりました。

中村青史先生の紹介がなければ、今日の私の熊本ゆかりの文学研究はないと思っています。

中村青史先生は熊本出身の文学者の顕彰の会を数多く立ち上げてこられました。中村先生のそばにいると、熊本の文学がじかに感じられて、中村先生から推挙、または勧誘いただいた熊本の文学顕彰会には、すべて加入しました。

さらに、中村青史先生は「若い君が頑張れ」という励ましの言葉と共に、私を「熊本文化懇話会(文学)」の会員や「熊本アイルランド協会」の理事に推挙してくださいました。私を育てようというお気持に感謝の言葉もありません。「徳永直の会」「熊本・蘆花の会」においては中村先生が会長を退かれる際に相談を受け、知り合いを紹介したり、仲介を務めたりしました。私をそれほど信任していただいたことに胸が熱くなる思いでした。

このように、中村先生の冠のある賞を頂いたことは、中村青史先生に愛弟子のように育てていただいた私にとって、大きな喜びです。また、「火の国『くまもと』の文化を世界へ」を標榜している「くまもと文化振興会」に表彰を受けたことは、熊本の地から国際俳句の改革を発信している私にとって、大きな励みになります。

今後は、中村先生のご遺志を引き継いで、熊本の文化の発展に貢献していくことが中村先生の御恩に報いることであると思っています。その具体例として、熊本文学の研究・顕彰はもとより、国際俳句の指導添削の場であるFacebookグループ「Haïku Column」を通して国際俳句の興隆に勤しみ、俳句創作においては、夏目漱石の言葉とされる「俳句はレトリックの煎じ詰めたもの」に倣い、連想だけでなく、オノマトペ・擬人法・同化などを駆使して、ますます多様な表現に挑戦していくつもりです。そうすることによって、漱石俳句を継承すると共に、正岡子規の新派俳句を熊本にもたらした夏目漱石の顕彰に努めたいと思っています。

(ながた みつのり/俳誌「火神」主宰 熊本近代文学研究会会員)

 

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〜 季語で一句 (58) 〜 『くまがわ春秋』2024年9月号

2024年09月05日 08時56分21秒 | 熊本県支部俳句大会
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 (58) 〜
 
◆『くまがわ春秋』2024年9月号(第102号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R6.9月号)
 
登山(とざん)       「夏-生活」
 
桧鼻幹雄
父と子と登山靴置く枕元
【永田満徳評】
登山用具には登山着・登山帽・登山靴が必要。親子登山を試みる山小屋での様子。登頂の期待を胸に「登山靴」を「枕元」に揃えているのである。同じ趣味を持つ親子の微笑ましさが表現されている。
【季語の説明】
山は崇拝や信仰の対象であったため、昔の「登山」は信仰や修行のために行われた。富士山・御嶽山・立山・白山・石鎚山など霊峰に登った。信仰登山は明治政府の宗教政策により衰退した。現在はスポーツや趣味としての登山が主流で、四季を通じて行なわれる。山開きが行なわれる夏が本格的な登山シーズンである。
 
 
向日葵(ひまわり)      「夏―植物」
 
牧内登志雄
向日葵の迷路で泣く子ママ呼ぶ子
【永田満徳評】
向日葵畑の迷路を楽しんでいる情景。幼子にとって、向日葵は自分の背丈より高く、どこにいるのか分からなくなる。「ママ呼ぶ子」と表現したところに、母を頼りにする子の様子がうまく捉えられている。
【季語の説明】
「向日葵」は夏を象徴する太陽の花。その名前は花が太陽に向かって向きを変えることから付けられた。しかし、太陽を追って動くのは蕾が花開く時だけである。観賞用として日本へ伝わり、明治に入ると油の原料や飼料として普及した。現在は向日葵の種に含まれる豊富な栄養価は高く、食用として長く重宝されている。
 
 
盆波(ぼんなみ)      「秋-地理」
 
桧鼻幹雄
盆波や固き漁師の力瘤
【永田満徳評】
筋肉隆々たる海の男のたくましさを詠んだものである。「盆波」という季語がポイント。単なる荒波ではなく、盆波に鍛えられたものであればこそ、「漁師」の「力瘤」の固さは自然そのものの造形美といっていい。
【季語の説明】
土用波のうち、旧暦の盂蘭盆の頃に押し寄せる、風なくして立つ高波を特に盆波という。盂蘭盆は仏教行事で、単に盆ともいい、現代の暦では8月13日から8月16日に行われている。お盆の時期はクラゲの発生などの理由から海に入ってはいけないとされている。盆荒は盆波が押し寄せる海の荒れのことである。
 
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