【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

雲ぷかり(工藤惠)

2019年07月31日 15時27分22秒 | 句集
工藤惠句集「雲ぷかり」論

永田満徳

 『雲ぷかり』(本阿弥書店、2016年6月)は工藤惠の第一句集。「雲ぽかり」はとにかくおもしろい。おもしろくて、ゆかいになる。全体に軽やかでさわやかな読後感を与えるところは評価できる。

  わたくしも金魚も水曜日な気分

と言われて、確かに「水曜日」ならではの気分があると思えてくるから不思議である。有無を言わせない強さを持つ。

  心がこわれた天道虫が飛ぶ
  後悔はたとえば金魚を産むように

壊れた心と飛ぶ天道虫とを取り合わせ、後悔を金魚に比喩としている句など、内面を読んでもそれほど深刻ではない。

  書初めの名前が場外乱闘中

およそ俳語にはそぐわない「場外乱闘中」という措辞を堂々と持ってくることによって、筆遣いの力強さ、奔放さが伝わってくる。
 就中(なかんずく)、読んでいて楽しいのは口語で表現される句である。

  ブロッコリーいい奴だけどもう会えない
  いやなのよあなたのその枝豆なとこ
  青バナナ一肌脱がれてもちょっと
  プードルのように貴方を抱くわ、雪

 いずれの句も、肩肘を張らず、気楽に詠んでいる感じである。詠みぶりの自由さ、ひいては作者の精神の自由自在さを表している。この自由奔放さがこの句集の特色の一つといってよい。
句材としては料理名や食材が多いのも特色である。決して高級感のあるものではないところが句集全体を身近で親しみやすいものにしているが、読めば読むほど平凡な素材をただ事で終わらせないところに作者の技量を感じさせる。その秘訣は取合せ、季語の斡旋の巧みさにある。何の変哲もないフレーズを輝かせるのは季語である。

  冷や飯にチャーハンの素春浅し
  さくらんぼクリックすれば会える人
  卵かけご飯の家族小鳥来る

「冷や飯に」は「春浅し」を当てることで春先の軽い食欲を描き込み、「さくらんぼ」は「さくらんぼ」を頬張りながら恋人に連絡する現代人の所作をうまく切り取っている。「卵かけご飯」は「小鳥来る」と取合せることによって微笑ましい家族風景が見えてくる。
 取合せ、季語の斡旋の巧みさは次の商標や商品名が生な形で出てくる句にも見られる。

  丸美屋のふりかけご飯春が行く
  チョコボール空へ転がる立夏かな
  日焼けした姉妹キューピーマヨネーズ

「丸美屋の」は刻々と「春が行く」感じがよく出ているし、「チョコボール」はのびやかな「立夏」な雰囲気が伝わってくる。また、「日焼けした」は「姉妹」の顔と商標の「キューピー」の顔との類似によって、姉妹のかわいらしさが読み取れる。
 ところで、商標や商品名は普遍性に欠けるということで敬遠しがちであるが、そんなことお構いなしで使っているところはある意味では実験的といえる。「丸美屋」という商標、「チョコボール」「キューピーマヨネーズ」という商品名が消滅したとしても、「ふりかけ」「チョコ」(チョコレートの略)「マヨネーズ」の言葉によって内容は十分伝わる。作者は商標や商品名を計算づくで使っているとしたらなかなかな詠み巧者である。
 こういう意味で、この句集の「あとがき」で、坪内稔典氏が「工藤さんの俳句の言葉が今の時代の空気を生きている」という指摘は至言である。身の回りの自然が見失われつつある時代に即応するかのように、現代の風景を詠み込んだ工藤惠の俳句は「俳句五〇〇年の歴史の先端」(「あとがき」坪内稔典)を行くものとして評価するにやぶさかではない。

※本句集評は第2回「俳句大学大賞」の推薦文である。
※機関紙「俳句大学」第3号収録

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月刊誌「俳句四季」8月号!

2019年07月25日 22時15分52秒 | 月刊「俳句四季」

月刊誌「俳句四季」8月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「Today's KIGO」〜

◆2019年俳句総合誌『俳句四季』8月号が発行されました。

◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「Today's KIGO(今日の季語)」から季語の紹介と選句を掲載しています。また、2019年「俳句四季」4月号から毎月連載して行きます。

◆ 今回から、向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。「7つの規則」と「KIGO」の提供により、フランス語を例に言えば最大で15シラブル以内のHAIKU が増えてきていて、15シラブル前後のHAIKUだとほとんど日本の俳句に近く、五七五の17音に簡単に和訳できる。

◆ 五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、五七五の17音への和訳は原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。

◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。

また、KIGO(季語)を使ったHaikuの可能性を追求して行きます。

◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。

◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。

◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。

◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Le Août d'avril de「HAIKU SHIKI」!

〜Haikus du mois de Haiku Colum

◆Le Août d'avril de HAIKUKAI 俳句四季 vient d'être publié.

◆il contient les meilleurs haikus du mois avec KIGO selectionnés par M. Nagata.

◆Selon ce plan nous allons continuer à publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The August issue of 「HAIKU SHIKI]!

〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜

◆the August issue of HAIKU SHIKI has just been published.

◆It contains the best haikus with KIGO selected by M. Nagata.

◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

夏の季語(8月号)

 

夏の月 なつのつき natsunotsuki / summer moon / lune d’été

 

Beni Yasin Guntarman

  •  

summer moon
white herons perch on bare branches

ベニ ヤシン ギュンターマン

  •  

夏の月

白鷺が裸木にとまる

 

Anne-Marie Joubert-Gaillard

  •  

lune d’été ~
au fond du puits une pièce d’or.

アンヌ マリー ジュベール ギャヤー

  •  

夏の月

井戸の底に金貨

 

タンポポ 亜仁寿

  •  

the sound of ukulele on the beach cafe
summer moon

タンポポ 亜仁寿

  •  

ビーチカフェのウクレレの音

夏の月

 

 

夏の朝 なつのあさ natsunoasa / summer morning / matin d’été

 

Eric Despierre

  •  

matin d'été 
L 'odeur infusé d 'un thé citron

エリック デスピエール

  •  

夏の朝

レモンティーの煎じた匂い

 

Mafizuddin Chowdhury

  •  

summer morning

sailing a canoe to the other bank

マフィズディン チョードハリー

  •  

夏の朝

もう一つの川岸でカヌーが航行する

 

Mireille Peret

  •  

dans l'herbe ses petits pieds nus 
matin d'été

ミレーユ ペレ

  •  

乾いた草の上に裸足

夏の朝

 

 

夏の山  なつのやま natsunoyama / summer mountain / montagne d’été

 

陈莹莹

  •  

summer mountain
trees around a tree

チン イン イン

  •  

夏の山

木の周りに木

 

Francoise Maurice

  •  

montagne en été 
le vol silencieux de l’aigle royal.

フランソイワーズ モリス

  •  

夏の山

鷲の静かな飛翔

 

Bhiri Tétif Abdellatif

  •  

Des ruisselets charrient mes rêves
Montagne d’été

ビリ テティフ アドベラティフ

  •  

小川は私の夢を運ぶ

夏の山

 

 

滝 たき taki / waterfall / chute d’eau cascade

 

Corina Margareta Cristian

  •  

chute d’eau cascade 
des mots gravées dans le roche

コリン マーガレータ クリスチアン

  •  

岩に刻まれた言葉

 

Seby Sebi

  •  

petals pour in color -
waterfall

セビー セビ

  •  

花びらは色になって流れる

 

Cucu Hermawan

  •  

gently old monk voices -
high waterfall

クク ヘルマワン

  •  

やさししい僧侶の声

高い瀧

 

 

泉 いずみ izumi / spring, fountain / source, fontaine

 

Neni Rusliana

  •  

spring fountain
splash water from the wings of a sparrow..

ネニ リュスリアン

  •  

燕の羽から飛び散る水

 

Mirela Brailean

  •  

spring fountain -
the beauty of the rounded stones..

マレラ ブレリーン

  •  

まあるい石の美しさ

 

Mirela Brailean

  •  

spring fountain -
your whispers of love...

マレラ ブレリーン

  •  

お前の愛の囁き

 

 

夏怒涛 なつどとう natsudotou / summer raging waves / flots en fureur de l’été

 

Mafizuddin Chowdhury 

  •  

summer raging waves 
a strong haiku on her birthday.

マフィズディン チョードハリー

  •  

夏怒涛

お誕生日に力強い俳句

 

Corina Margareta Cristian 

  •  

flots en fureur de l été.. 
c'est du sang dans les veines

コリン マーガレータ クリスチアン

  •  

夏怒涛

血管の中の血

 

Zamzami Ismail 

  •  

story of the man and sea
summer raging waves

ザムザミ イスメイル

  •  

男と海の話

夏怒涛

 

 

夏至 げし geshi /summer solstice / solstice d’été

 

Kamel Meslem

  •  

Solstice d'été

l'encre sèche sur le papier de buvard

カメル メスレム

  •  

夏至

便箋の上の乾いたインク

 

タンポポ 亜仁寿

  •  

summer solstice night
grandpa and cigar smoke's shadow on the wall

タンポポ 亜仁寿

  •  

夏至の夜

壁におじいちゃんと葉巻の影

 

Eugénia Paraschiv 

  •  

solstice d'été-
combien pèse une goutte d’eau sur la couronne de la mariée?

エウジェニア パラチブ

  •  

夏至

新婦のの冠の上の水滴はどのくらいの重さか

 

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俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・8

2019年07月20日 23時08分48秒 | 月刊誌「俳句界」
月刊誌「俳句界」8月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・8〜

◆俳句総合誌『俳句界』8月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」1月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行予定の4号では112人が500ページを数えます。そして、5号では150人が参加して、550ページを越えて、7月下旬出版する予定です。また、10月には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Août aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le Août de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The August issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the August issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

今月の秀句(「俳句界」8月号)
【Facebook「Haiku Column」より】
永田満徳選評/向瀬美音選訳
今月の秀句(「俳句界」8月号)


Nathalie Réal

bulles de savon -
des arcs-en-ciel éclatent sur les petites mains
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Une scène d’enfants jouant avec des bulles de savon. C’est bien d'exprimer la bulle de savon qui brille au soleil comme un "arc-en-ciel" et qui disparaît en un instant.
ナタリー レエル

シャボン玉
小さな手のひらの中に虹が弾ける
〔永田満徳評〕
幼子がシャボン玉を吹いて遊んでいる情景。陽を受けて光っているシャボン玉を「虹」とし、一瞬にして消える様を「弾ける」と表現したところがいい。


Hassane Zemmouri

Un ciel bleu
Un cerf-volant en forme de dragon avale le vent
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Le cerf-volant en forme de dragon vole dans le ciel bleu. Utiliser le verbe avale en le comparant à un être vivant est une bonne idée.
ハッサン ゼムーリ

青空
龍の形の凧が風を飲み込む
〔永田満徳評〕
真っ青な空を背景にして揚がっている凧。風を受けて舞っている凧が「龍の形」であるところから「飲み込む」と擬人化した表現に工夫がみられる。


Mohammad Azim Khan

dragonfly
sharpening the air around
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Dragonfly flying with shaking wings.
The trembling makes the artist's sensitive and delicate sense come true when he thinks that the air around the area is "tensed".
モハメッド アジム カン

蜻蛉
辺りが緊張する
〔永田満徳評〕
羽を震わせて飛んでいる蜻蛉。その震えによって、蜻蛉の周辺の空気が「緊張」していると捉えたところに、作者の鋭敏で繊細な感覚が窺えてよい。


Carmen Baschieri

homecoming
the sweet scent of peonies welcome me
カルメン バッシエリ

帰郷
牡丹の甘い香りが私を迎える


タンポポ 亜仁寿

summer cloud
orangutan with child hanging on a tree
タンポポ 亜仁寿

夏の雲
子を抱えてオランウータンが木にぶら下がる


Corina Margareta Cristian

début de l’été
sur le sable je dessine des projets de vacances
コリナ マーガレタ クリスチアン

初夏
砂の上にバカンスの予定を描く


Angela Giordano

sommessi cinguettii
tutto questo silenzio tra noi
アンゲラ ギオルダーノ

静かな囀り
私達の間にはこの沈黙がすべて


Rachida Jerbi

allée aux chardons
si douce sa petite main dans la mienne
ラシダ ジェルビ

アザミの道
私の手の中のお前の手は何と柔らかいのだ


Pascale Dehoux

Conférence présidentielle ~
Une pluie drue nettoie le paysage
パスカル ドウウ

首脳会議
しきりに降る雨が景色を綺麗に洗う


Agnes Kinasih

butter cup on the hillside
dad carrying me on his shoulder along the way
アグネス キナシ

丘の斜面の金鳳花
パパは私を肩車してゆく




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月刊誌「俳句四季」1月号(2020)!

2019年07月20日 21時43分50秒 | 月刊「俳句四季」
刊誌「俳句四季」1月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「Today's KIGO」〜

◆2020年俳句総合誌『俳句四季』1月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「Today's KIGO(今日の季語)」から季語の紹介と選句を掲載しています。また、2019年「俳句四季」4月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
また、KIGO(季語)を使ったHaikuの可能性を追求して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Le Janvier d'avril de「HAIKU SHIKI」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum
◆Le Janvier d'avril de HAIKUKAI 俳句四季 vient d'être publié.
◆il contient les meilleurs haikus du mois avec KIGO selectionnés par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer à publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The January issue of 「HAIKU SHIKI]!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the January issue of HAIKU SHIKI has just been published.
◆It contains the best haikus with KIGO selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

月刊「俳句四季」俳句四季用秋の季語と句(1月号)
永田満徳選/向瀬美音選訳

立冬 りっとう rittou / the first day of winter / premier jour de l’hiver

Neni Rusliana

first day of winter
sunlight sparkling on the bare branches
ネニ ルスリアナ
立冬
裸の枝にきらめく日差し

Françoise Gabriel

arrivée de l'hiver-
la buée se mêle de notre conversation
フランソワーズ ガブリエル
立冬
水蒸気は会話と混じる

Zaya Youkhanna

the smell of the oaks in the fireplace
warm memories
ザヤ ユウカナ
立冬
暖炉の樫の木の匂い


冬の月 ふゆのつき fuyunotsuki / winter moon / lune d’hiver

Sebastian Ciortea

luna de iarnă -
chipul ei sculptat de umbre și lumină

winter moon -
her face carved by shadows and light
セバスチャン チオルテア
冬の月
光と影に刻まれた彼女の顔

Mirela Brailean

lună de iarnă -
contopiți într-o îmbrățișare

winter moon -
melded in an embrace
ミレラ ブライアン
冬の月
抱擁の中に溶ける

Dewi Kusmiati

winter moon
the echoing of last train whistle
デイウイ クスミアチ
冬の月
最終列車の汽笛が響く


小春 こはる koharu / Indian summer / été de la Saint-Martin

Marin Rada

vară indiană -
mireasa aruncă buchetul foarte departe

Été indien -
la mariée lance le bouquet très loin
マリン ラダ
小春日
新婦はブーケをとても遠くに投げる

Sofyan Hadi

indian summer
my shadow and tree shadows chased each other
ソフィアン ハディ
小春
私の影と木々の影が追いかけっこ

タンポポ 亜仁寿

Indian summer –
the sound of sipping tea with friends
亜仁寿
友達と茶をすする音小春かな


短日 たんじつ tanjitsu / short day / journée courte

Anne-Marie Joubert-Gaillard

Très tôt la dernière sortie du chien-
Jour court
アンヌ マリー ジュベール ガヤール
犬の最後の散歩がとても早い
短日

Siu Hong-Irene Tan

a couple decides on the design of wedding invitation...
シウ ホング イレーヌ タン
カップルが結婚式の招待状を決める 
短日

Rachida Jerbi

journée courte-
lisant mon livre je saute quelques pages
ラチルダ ジェルビー
短日
ページを飛ばして本を読む


冴ゆ さゆ  sayu clear transeparent/ claire transparent

Sarra Masmoudi

nuit de gel~
la chaleur d'un message
サラ マスモウディ
冴ゆる夜
メッセージの暖かさ

Zamzami Ismail

clear
snowflake on the shoulder
Zamzami Ismail
ザザミ イスマイル
冴ゆ
肩に雪片
 


 
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月刊誌「俳句四季」7月号!

2019年07月05日 05時46分55秒 | 月刊「俳句四季」
月刊誌「俳句四季」7月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「Today's KIGO」〜

◆俳句総合誌『俳句四季』7月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「Today's KIGO
(今日の季語)」から季語の紹介と選句を掲載しています。また、「俳句四季」4月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が500ページを数えます。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

【俳句四季】7月号(KIGOとHAIKU)

夏の季語(7月号)
永田満徳選/向瀬美音選訳

Le Juillet d'avril de「HAIKU SHIKI」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum
◆Le Juillet d'avril de HAIKUKAI 俳句四季 vient d'être publié.
◆il contient les meilleurs haikus du mois avec KIGO selectionnés par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer à publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The July issue of 「HAIKU SHIKI]!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the July issue of HAIKU SHIKI has just been published.
◆It contains the best haikus with KIGO selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

【俳句四季】7月号(KIGOとHAIKU)

【薄暑  はくしょ hakusho / light warmth / chaleur légère】

陈莹莹

light warmth
sunshine on a car seat
チン イン イン


薄暑
車のシートの上の太陽の光

Kamel Meslem

Chaleur légère
aux vitres vibre le vol des mouches .
カメル メスレム

薄暑
窓ガラスに蠅の飛翔が揺れる

Soucramanien Marie

Discussion avec le nouveau voisin-
Chaleur légère
スクラマリニエン マリ

新しい隣人と会話
薄暑

【麦の秋 むぎのあき muginoaki / golden field season / saison des champs de blé d’or】

Mafizuddin Chowdhury

the flute adds a sweet melody
golden field season.
マジフィディン ショードフリー

フルートは甘いメロディーを加える
麦の秋

Soucramanien Marie

Mer éclatante au coucher de soleil-
Champs de blés dorés
スクラマリニエン マリ


日没の海の輝き
麦の秋

Ninok Ruhiyat

golden field season
roar of wheat treshing machine on the hill
ニノック リュヒヤット

麦の秋
丘の上の小麦網の唸る音

【熱帯夜 ねったいや nettaiya / tropical night / nuit tropicale】

Michael Sukadi Sonokaryo

tropical night
ancient fan noises in grandma's room.
ナマエミカエル スカイディ ソノカリョ

熱帯夜
おばあちゃんの部屋の古いファンの音

Virgilio Donato Franzel

notte di calore
il respiro affannoso del cane

nuit de chaleur
la respiration laborieuse du chien

night of heat
the dog's labored breathing
ヴィルギロ ドナト フランツェル

熱帯夜
犬のハーハーいう呼吸

Michel Duflo

nuit tropicale –
les zigzags d’une lampe torche..
ミシェル ドユフロ

熱帯夜
松明ランプのギザギザ

【短夜 みじかよ mijikayo / short night / nuit courte】

Beni Yasin Guntarman

forget to set the alarm before going to bed
short night
ベニ ヤスミン ギュンターマン

寝る前に目覚まし時計をセットするのを忘れた
短夜

Michelle Tilman

nuit courte
les pages de mon roman tournent tournent
ミシェル ティルマン

短夜
小説のページをめくるめくる

Igorina Darsa

short night
sound of the last train leaving the station.
イゴリア ダルサ

短夜
最終列車が駅を出る音

【夏の雲 なつのくも natsunokumo / summer cloud / nuage d’été】

Francoise Maurice

flaque d’eau
ses petits pieds dans les nuages d’été ..
フランソワーズ モリス

水溜り
夏の雲の中の可愛い足

Christina Chin

mini red brolly
a passing summer cloud
クリスチアン シン

小さい赤い傘
夏の雲が通り過ぎる

Seby Sebi

summer clouds -
her heart taken by white sails
セビー セビ

夏の雲
白い帆にさらわれた彼女の心

Mirela Brailean

heavy thunderheads -
wild horses running over the fields..
マレラ ブライアン

重い入道雲
野生の馬が平野を走りゆく
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