【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

月刊誌「俳句界」9月号!

2019年08月30日 22時29分01秒 | 月刊誌「俳句界」
月刊誌「俳句界」9月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・9〜

◆俳句総合誌『俳句界』9月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」1月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、7月下旬出版する予定です。また、10月には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Septembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le Septembre de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The September issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the September issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.


【Facebook「Haiku Column」より】
今月の秀句(「俳句界」9月号)

永田満徳選評/向瀬美音選訳


Hervé Le Gall

cerf-volant
ces fils invisibles qui me retiennent ici
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Il ne s’agit pas seulement du cerf-volant que l’on ne peut pas voir mais qui est relié par des fils. C’est la métaphore des relations humaines reliées par des fils invisibles:
エルベ ル ガル


私が離さないこの見えない糸
〔永田満徳評〕
見えないけれど繋がっているものは何も「凧」に限ったことではない。「見えない糸」で結ばれている人間関係の暗喩として読み取れる。


Maria Teresa Piras

pioggia di maggio,
il profumo del glicine ovunque

Peut pleuvoir,
l'odeur de glycine partout
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Avec l’humidité, on sent plus l’odeur de la glycine. La relation entre la pluie et l’odeur est bien saisie.
アリア テレサ ピラス

雨が降るかもしれない
藤の匂いがそこらじゅう
〔永田満徳評〕
湿気が多いと、匂いはより強く感じられるものである。「藤の匂い」であればなおさらである。「匂い」と「雨」との関係を鋭く捉えている。


Marin Rada

o singură fotografie în albumul de familie -
ziua tatălui

une seule photo dans l'album de famille -
fête des pères
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Une photo est peut être le portrait de son père décédé. Il s’en souvient le jour de la fête des pères. La vuede cette seule photo provoque une émotion profonde.
マリン ラダ

家族のアルバムにたった一枚の写真
父の日
〔永田満徳評〕
「一枚の写真」は父の遺影であろうか。「父の日」に「家族のアルバム」に残った唯一の父の写真を取り出して、父を偲んでいるところがいい。


Beni Yasin Guntarman

there is a bridge but dogs prefer other ways ~
summer river
ベニ ヤスミン ギュンテルマン

橋があっても犬は別の道が好き
夏の川

Ninok Ruhiyat

summer evening
old man fans his body with newspaper
ニノック ルイヤット

夏夕べ
老人が新聞紙で身を扇ぐ

Nuky Kristijno

on top of ferris wheel
caressing the sunset sky
ナッキー クリスティジーノ

観覧車のてっぺん
夕焼け空を撫でる

Igorina Darsa

granpa sleeps in his garden bench
sound of fountain
イゴリナ ダルサ

庭のベンチでおじいちゃんが眠る
噴水の音

Elhoucine Bouhlou

Ouragan tropical~
Le cocotier toujours debout
エルフシン ブルー

熱帯の嵐
ココナッツの木はいつもまっすぐ立っている

Marin Rada

curcubeu -
culorile iubirii fără frontiere

arc en ciel -
couleurs de l'amour sans frontières
マリン ラダ


国境のない愛の色

Starry Starry

rainy night
sound of popcorn popping in the microwave
スターリー スターリー

梅雨の夜
電子レンジの中でポップコーンのはじける音

Siu Hong-Irene Tan

quiet morning sea
a seagull perched at the top of the boat's mast
【千秋訳】
朝凪
カモメがマストのてっぺんに止まった

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第3回「二百十日」俳句大会

2019年08月30日 10時45分06秒 | 俳句大会
第3回「二百十日」俳句大会(4次)!
ー夏目漱石顕彰・阿蘇復興支援イベントー

〜「俳句大会」並びに「当日投句」募集案内〜

イベント情報
◉俳句大会 ●当日投句

【開催日】 令和元年9月1日(日) 俳句大会受付午後一時半より   
       
【会 場】 阿蘇ホテル 一番館
熊本県阿蘇市内牧 九九 ☎ 0967-32-0008

【講 話】 永田満徳 【 三好達治「阿蘇詩二篇」 】    
           
【募 集】 締め切りました

【選 者】
奥坂 まや 俳人協会幹事・鷹日光集同人
五島 高資 日本俳句協会副会長・俳誌「俳句スクエア」代表
永田 満徳 俳人協会熊本県支部長・俳句大学学長

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月刊誌「俳句四季」9月号!

2019年08月22日 17時30分49秒 | 月刊「俳句四季」
月刊誌「俳句四季」9月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「Today's KIGO」〜

◆俳句総合誌『俳句四季』9月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「Today's KIGO(今日の季語)」から季語の紹介と選句を掲載しています。また、「俳句四季」4月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
また、KIGO(季語)を使ったHaikuの可能性を追求して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。。また、今年末には「国際歳時記」の第1段として【春】を出す予定です。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

Le Septembre d'avril de「HAIKU SHIKI」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum
◆Le Septembre d'avril de HAIKUKAI 俳句四季 vient d'être publié.
◆il contient les meilleurs haikus du mois avec KIGO selectionnés par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer à publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The September issue of 「HAIKU SHIKI]!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the September issue of HAIKU SHIKI has just been published.
◆It contains the best haikus with KIGO selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

【俳句四季】9月号(KIGOとHAIKU)

夏の季語
永田満徳選/向瀬美音選訳
夏の季語(9月)



夏至 げし geshi /summer solstice / solstice d’été

タンポポ 亜仁寿

summer solstice night
grandpa and cigar smoke's shadow on the wall
タンポポ 亜仁寿

夏至の夜
壁におじいちゃんと葉巻の影

Eugénia Paraschiv

solstice d'été-
combien pèse une goutte d’eau sur la couronne de la mariée?
エウジェニア パラチブ

夏至
新婦の冠の上の水滴はどのくらいの重さか

Joëlle Ginoux-Duvivier

solstice d’été
sous le ventre de la chatte deux chatons noir et blanc
ジョエル ジヌー デュビビエ

夏至
メス猫のお腹の上に2匹の白黒の子猫

大暑 たいしょ taisho / scorching, heat wave / canicule

Christina Chin

body massage under a beach palm
scorching sun
クリスティーナ チン

ビーチの椰子の下のボディマッサージ
大暑

Angela Giordano

canicola
solo il ronzio del ventilatore nella stanza

heat wave
just the hum of the fan in the room

アンゲラ ギオルダーノ

大暑
部屋には扇風機の音がするだけ

Ninok Ruhiyat

heat wave
mother cat carries her child in her mouth to cubbyhouse
ニノック ルイヤット

大暑
母猫は子猫を口でこじんまりしたところに運ぶ

梅雨 つゆ tsuyu / rainy season / saison des pluies

Rachida Jerbi

saison de pluie ~
pieds nus de flaque en flaque
ラチルダ ジェルビ

梅雨
裸足で水溜りから水溜りに

Beni Yasin Guntarman

days of seeing clouds in puddles on the path~
rainy season
ベニ ギュテルマン

小道の水溜まりに雲をみる日々
梅雨

Agus Maulana Sunjaya

rainy season
dusting haiku book on the shelf
アギュス マウラナ スンジャヤ

梅雨
本棚の埃をかぶった俳句手帳


朝凪 あさなぎ asanagi / quiet morning sea / mer calme du matin

Sarra Masmoudi

mer calme du matin~
çà et là des vestiges de châteaux de sable
サラ マスモウディ

朝凪
あちこちに砂の山の残骸

Fabiola Marlah

Mer calme du matin
rythme du coeur dans le son de vague
ファビオラ マーラ

朝凪
波の音の中の心のリズム

Françoise Gabriel

mer calme du matin-
le voilier-fantôme prend son temps
フランソワーズ ガブリエル
朝凪
ぼんやりしたヨットがゆっくりする

夏の海 なつのうみ natsunoumi / summer sea / mer d’été

Igorina Darsa

raging waves crashing over the lighthouse
summer ocean
イゴリナ ダルサ

怒涛が灯台にぶつかる
夏の海

Anne-Marie Joubert-Gaillard

mer d’été ~
un grand citron pressé on the rocks

summer sea ~
a big lemon squeezed on the rocks
アンヌ マリー ジュベール ガヤール

夏の海
オンザロックにしぼる大きなレモン







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熊本カルチャーセンター

2019年08月21日 01時26分05秒 | 俳句教室


熊本カルチャーセンターからのお知らせ!

〜新講座 基礎から学ぶ俳句教室〜

住所:
〒862-0971
熊本県熊本市中央区大江4丁目2番65号
グランパレッタ熊本1F

内容:
※お茶の間で人気の俳句を基本から勉強してみませんか。

※愉快なお人柄で経験豊かな講師が丁寧にご指導いたします。

※初心者から経験者まで、俳句のいろはを系統的に学びましょう。

<無料体験会のお知らせ>
9月20日(金)13:30~14:00

https://www.culture.gr.jp/spn/detail/itemview.cfm?cl_dir=kumamoto&cl_id=68&id=903036329
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永田満徳氏の「未来図賞」受賞を祝す

2019年08月12日 12時27分03秒 | 俳句
永田満徳氏の「未来図賞」受賞を祝す


「未来図」同人・「火神」同人会長 田島三閒

第一句集『寒祭』以来、初めて永田満徳氏のまとまった四〇句の作品に接することができた。
 「よく見ること」「よくふれること」「よく感じること」に徹し、日日変貌する自然界や人間世界のできごとに接している俳人の四季の記録と言えるかもしれない。

  蛇の滑り泳ぎとなりにけり
  泳いでは浮き泳いではまた浮いて
  かたつむりなにがなんでもゆくつもり
  コスモスの揺れては空の蒼ざむる
  葉牡丹の客より多く並びをり

といった句は、誰でも見かける動植物の営みをしっかりと見つめ表現されている。その生きものの持つ独自の行動や姿を発見し、擬人法やリフレインなど豊かな表現テクニックを駆使して作品化されたものである。
一方で、

  春望の山ふところの我が家かな
  ひたひたと闇の満ちくる螢かな
  湧き消ゆる雲のはぐくむ植田かな
  鯖雲の押し寄せ来たり古墳群
  湯気に立ち湯気に沈みて初湯かな

といった句には、離れた位置から目を凝らして眺めている遠望の情景や非常に近い位置にありながらも、なぜか漠漠した情景をより深く見つめている作者が感じられる。
 その逆に、社会の中で生きとし生きる存在である作者の人間としての思いを表わした言葉に絶妙の季語を配した作品も多い。

  学究はものに語らす梅真白
  楸邨の句は溜息ぞ春の雪
  あんな人こんな人ゐる涼しさよ
  立秋やどの神となく手を合はす
  蓑虫の蓑や防備か非防備か

などの句には、俳人や作家の精神をその作品や背景から深く考えていく姿勢、学問の徒である作者の立ち位置やあるいは人間そのものへの深い考察などが窺われる。
 また、物事の背後にあるものへの眼差しの鋭さや豊かな想像力を感じさせる作品も多い。

  この町を支へし瓦礫冴返る
  蓮咲いて古代の空を近しうす
  寝るまへの水を一気に原爆忌
  吸殻の臭ふ八月十五日
  原城址火箭のごと降る冬の雨

  例えば、「この町を支へし瓦礫冴返る」という句を見てみると、私たちの誰もが地震の後で目にした「瓦礫」を見ながら、そこに「町を支えてきた」人間の営みを想起し、作品化しているのである。その「取合わせ」としての「冴返る」という季語が実によく利いているのである。
 このように豊かな感性と長きにわたる積極的な句作によって磨き抜かれた俳句の技量がこれらの作品に大いに実っていると思われる。
氏の第二句集が待ち遠しいことである。

「火神」67号より転載

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