俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2021・3〜
◆俳句総合誌『俳句界』3月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
mars aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L mars de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The March issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the March issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Haiku Column(俳句大学)今月の秀句(「俳句界」R3.3月号)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
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paul callus
first snow -
the soft breathing of a new-born child
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
It is a combination of "first snow" and "newborn baby", but there is no doubt that "first" and "new" are too close. However, the phrase "soft" accurately captures the characteristics of a newborn baby, and the cheerful and freshness of "first snow" blends in well.
ポール カルス(マルタ)
初雪や柔き呼吸の新生児
〔永田満徳評〕
「初雪」と「新生児」との取合せであるが、「初」と「新」とが即き過ぎの感がなきにしもあらずである。しかし、「柔き」という措辞には、生まれたばかりの赤ちゃんの特徴を的確に捉えていて、「初雪」のうきうきとした、清新さがうまく溶け込んでいる。
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Nani Mariani
Christmas Day
the same tree as last year without you
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
When "Sacred Tree" decorates the winter night, the city is full of lovers, but the author has celebrated "Kimi no Nashi" Christmas again this year. The more gorgeous the surroundings, the deeper the feeling of loneliness. I am fascinated by expressing my deep feelings as I feel without any rhetoric.
ナニ マリアニ(オーストラリア)
君なしの去年と同じ聖樹かな
〔永田満徳評〕
「聖樹」が冬の夜を飾るころ、街中は恋人たちで溢れかえるが、作者は今年もまた、「君なし」のクリスマスを迎えたのである。周囲が華やかであればあるほど、孤独感は深くなる。深い思いを何の修辞もなく、感じたままに表現していて、心惹かれる。
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Salvatore Cutrupi
Etegami
I collect the colors for the new year
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The "picture letter" motif must be able to deliver the seasons. Especially for "New Year", it is necessary to choose a color pattern suitable for the New Year. While thinking about the other person, he devises a combination of colors. It would be nice to describe such efforts as "collecting the colors of the New Year."
サルバトーレ クトリュピ(イタリア)
絵手紙に新年の色集めたる
〔永田満徳評〕
「絵手紙」のモチーフは季節を届けられるものでなければならない。特に「新年」は新年にふさわしい色柄を選ぶ必要がある。相手のことを思いながら、あれやこれやと色の配合を工夫しているのである。そのような努力を「新年の色集めたる」と表現したところがいい。
【今月の季語(Kigo of this month)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
【 元旦 がんじつ ganjitsu / new year’s Day / jour de l’an 】
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Sonia Ben Ammar
premier jour de l'année ~
une mousse flottante sur mon café.
ソニア べン アマール(チュニジア)
元旦やコーヒーに浮く白き泡
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Zamzami Ismail
let's start with the right foot
New Year's Day
ザザミ イスマイル(インドネシア)
右足から始めてみやうお元日
【 初旅 はつたび hatsutabi / first travel / premier voyage 】
mudhar al
premier voyage -
le tour du monde à travers google
ムダール アル(イラク)
初旅やグーグルにて世界一周
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premier voyage
quelques rêves dans sa valise
Amel Ladhibi Bent Chadly
アメル ラドディビ ベント シャドリー(チュニジア)
初旅やスーツケースに夢いくつ
【 年賀状 ねんがじょう nengajou / new year’s greeting card / carte de voeux du nouvel an 】
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Cudillero Plume
carte du nouvel an
la chaleur des mots écrits à la main
new year's card
the warmth of handwritten words
クディレオ プリュム(フランス)
年賀状手書きの言葉の温かさ
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In Ismael
isolation room
open new year's cards one by one
イン イスマエル(インドネシア)
賀状のカードを開く隔離室
【 初髪 はつかみ hatsukami / first hair brushing / première coiffure 】
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Fauzul El Nurca
still can feel your finger gently
my first hair brushing
フォズル エル ニュルカ(インドネシア)
初髪や触れられしこと忘れざる
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Anne-Marie Joubert-Gaillard
premier chignon-
quelques boucles sur sa nuque délicate
アンナマリー ジュベールガヤール(フランス)
初髪やうなじに巻き毛残したる