【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

〜俳句大学 〔Haiku Column〕「俳句界」2021・5〜

2021年04月28日 17時37分06秒 | 「俳句界」今月の秀句

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

 

〜俳句大学 〔Haiku Column〕「俳句界」2021・5〜

 

◆俳句総合誌『俳句界』5月号が発行されました。

◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。

◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。

◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。

◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。

◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。

◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。

◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。

◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。

◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。

◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。

◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

 

Mai aout de 「HAIKUKAI俳句界」!

〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜

◆L Mai de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.

◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata. 

◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

 

The May issue of 「HAIKUKAI俳句界」!

〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜

◆the May issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published. 

◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata. 

◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

 

Haiku Column(俳句大学)

(「俳句界」R3.5月号)

 

【今月の秀句(monthly excellent Haikus) 】

永田満徳選評・向瀬美音選訳

 

 (Facebook「Haiku Column」より)

Feten Fourti

  •  

8 mars

est-ce une fête ou un combat 

〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕

Le "8 mars" est l'anniversaire de la libération internationale de la femme. Bien sûr, puisque c'est un «anniversaire», c'est une «fête», mais dans la mesure où la liberté politique et la paix des femmes sont encore loin l'une de l'autre, il faut dire que la «guerre» se poursuit. Je suis fasciné par le fait que j'écris le thème d'aujourd'hui.



フテン フルティ(チュニジア)

  •  

三月八日戦ひなのか祭りなのか 

〔永田満徳評〕

「三月八日」は国際的な婦人解放の記念日。もちろん、「記念日」であるから、「祭り」ではあるが、女性の政治的自由と平和は未だにほど遠いという点では、「戦ひ」は続いているといわざるを得ない。今日的テーマをうまく詠んでいて、心惹かれる。

 



In Ismael

  •  

nest

warmth after the sun goes down

〔Commented by Mitsunori Nagata〕

"Bird's nest" is often built before sprouting. Around this time, even at nightfall, it does`t get cold and the warmth of the daytime remains. By combining it with the seasonal word "bird's nest" in spring, it is good to realize the season of spring and to guess it well.

 

イン イスマエル(インドネシア)

  •  

鳥の巣や日暮れのあとの温かき 

〔永田満徳評〕

「鳥の巣」は芽吹きの前に作られることが多い。この頃になると、「日暮れ」になっても、冷え込むことがなくなり、昼間のあたたかさが残っている。三春の季語である「鳥の巣」との取合せによって、春という季節をよく実感しているとともに、うまく言い当てているところがいい。

 

 

Khadija El Bourkadi

  •  

son mouvement élégant m'incite à le suivre

premier papillon

〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕

 "Hatsucho" est le premier papillon à voir au printemps, et est un messager qui annonce l'arrivée du printemps. Comme la manière de voler est encore faible, je suis fascinée par le «mouvement» du vol, et je le suis juste des yeux. Le mouvement est souvent décrit comme "invité", et il capture les caractéristiques de "Hatsucho", qui est à la fois faible et frais.

 

カディジャ エル ブルカディア (チュニジア)

  •  

初蝶のその動きに誘はれけり

〔永田満徳評〕

「初蝶」は春になって初めて見る蝶で、春の訪れを告げる使者。飛び方がまだ弱々しいので、飛ぶ「動き」に目を奪われ、つい目で追ってしまう。その動作を「誘はれ」と表現しているところがよく、弱々しくもあり、新鮮でもある「初蝶」の特徴をうまく捉えている。

 

【今月の季語(Kigo of this month)】 

永田満徳選評・向瀬美音選訳

 

 

(Facebook「Haiku Column」より)

【 ライラック らいらっくrairakku / lilac / lilas 】

リナ ダルサ(インドネシア)

  •  

ライラック活けカーテン越しの朝日かな 

Rina Darsa

  •  

sunrise through the window curtains

lilacs on the vase

ジゼル エヴロット(フランス)

  •  

恋文を紫で書くライラック 

Gisèle Evrot

  •  

grappe de lilas ~

ma lettre d'amour écrite à l'encre violette

 

 

【 藤 ふじ fuji / wisteria / glycine 】

ミレラ ブライレーン(ルーマニア)

 

  •  

色彩の滝のごとくに藤咲きぬ  

Mirela Brailean

  •  

wisteria in bloom -

a waterfall of colors

アグネス ジアロンゴ(イタリア)

  •  

風の藤子供の頃の思ひ出よ  

Agnese Giallongo

  •  

glicine al vento-

il ricordo della mia fanciullezza

 

 

【 梨の花 なしのはな  nashinohana / pear flower / fleurs de poire】

ザザミ イスマイル(インドネシア)

  •  

おはやうとナースの笑顔梨の花  

Zamzami Ismail

  •  

pear flower

the nurse's gentle smile says good morning

タンポポ 亜仁寿(インドネシア)

  •  

青空の雲より白く梨の花  

タンポポ 亜仁寿

  •  

more whiter than blue sky clouds

pear flowers

 

 

【 柳 やなぎ yanagi / willow, weeping willow / saule, osier 】

オルファ クチュク ブハディダ(チュニジア)

  •  

まだ同じ柳の囲ひ祖先の家 美音

Olfa Kchouk Bouhadida

  •  

maison des ancêtres ~

la même clôture en osier

アストリッド オムベルグ(オランダ)

  •  

慰めの言葉ささやく柳かな 

Astrid Olmberg 

  •  

willow

whispering consolation

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〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku 2021・5〜

2021年04月28日 17時28分05秒 | 華文俳句

俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

 

〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku 2021・5〜

 

◆2021年『俳句界』5月号が発行されました。

◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。

◆2018年11月1日には、二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。

◆2020年12月、余境喜氏ちょ

◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行しています。ついに、全季節を網羅した、世界的にも画期的な「歳事記」が2020年10月に発行されました。これで季重なりの問題が解消されるでしょう。

◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。

◆2020年『俳句界』3月号の特別レポートにおいて、「熊本大学」で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。

◆どうぞご理解とご支援をお願いします。

 

俳句大學國際俳句學部的通知!

 

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku  2021・3〜

 

◆2021年『俳句界』3月號已出版。

◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。

◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。

◆2020年『俳句界』3月號以八頁的篇幅特別報導了於「熊本大學」舉辦的「華文俳句の可能性」座談會。

◆請各位多多支持指教。

 

華文俳句【俳句界】2021,6月号

 

永田満徳選評・洪郁芬訳

 

 

江彧

  •  

阿公騎腳踏車載金孫

風車

〔永田満徳評論〕

描述爺孫情感的一首溫馨俳句。情景是爺爺騎腳踏車載著手裡拿風車的孫子。也許是附近正在舉行祭典,被要求之下只好買了風車。風車一路隨著腳踏車順勢旋轉,春天的氣氛也隨著暖空氣一同旋轉。

 

江彧

  •  

おじいちゃんが自転車で孫を乗せる

風車

〔永田満徳評〕

いわゆる孫俳句で、「おじいちゃん」が運転する「自転車」の荷台に「風車」を手にした「孫」が乗っている情景。近くでお祭りがあって、せがまれて、買ってあげた風車であろう。自転車の勢いで、くるくると回っている風車がいかにも春ののどかな雰囲気を醸しだしていて、心惹かれる。

 

 

鄭如絜

  •  

老翁腰上的竹簍

青蛙

〔永田満徳評論〕

這是在蛙鳴的河畔釣魚的情景。一個老人在腰間繫上竹簍,並不刻意等待魚兒上鉤。竹簍裡已經有幾條魚了!與其說是為了釣更多魚,不如說是為了要停留在春天恬靜的一個時刻。

 

鄭如絜

  •  

老人の腰に竹籠

〔永田満徳評〕

「蛙」が鳴く川べりで魚を釣っている情景であろう。ひとりの「老人」が「腰」に「竹籠」を結いつけて、魚が釣れるのを待つともなく待っているといった感じである。「竹籠」にはすでに数匹の魚が入っているが、釣果を期待しているというより、春のひと時を楽しんでいるところがいい。

 

 

黃士洲

  •  

老胡同裡的三輪車

貓之戀

〔永田満徳評論〕

三輪車應該是可以說是三輪的計程車吧?走入老胡同,看見一輛被遺棄似的三輪車閒放著。那裏有熱鬧的人間煙火,和「貓之戀」發出惱人的叫聲。這些都是老胡同的日常春天情景。

 

黃士洲

  •  

古い路地裏の三輪車

猫の恋

〔永田満徳評〕

「三輪車」は「三輪タクシー」のたぐいであろう。「古い路地裏」に一歩入ると、捨て置かれたような「三輪車」がある。そこには、にぎやかな人々の日常生活があり、うるさいくらいの猫の鳴き声が響き渡る「猫の恋」の世界がある。「路地裏」の春の日常をうまく切り取っている。

 

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〜季語で一句 17〜

2021年04月14日 21時50分00秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」

俳句大学投句欄よりお知らせ!

 

〜季語で一句 17〜

 

◆『くまがわ春秋』4月号が発行されました。

◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。

◆お求めは下記までご連絡下さい。

 (info@hitoyoshi.co.jp ☎0966-23-3759)

 

「くまがわ春秋」

【季語で一句】(R3・4月号)

永田満徳:選評・野島正則:季語説明

 

 

鷹化して鳩と為る(たかくわしてはととなる)       「春-時候」

                  

西村揚子

  •  

一病を得てよりの夫鷹鳩に

【永田満徳評】

「鷹化して鳩となる」は春の気分とともに、ユーモアを感じる季語。掲句は気難しかった「夫」が「一病を得てより」気安くなったということ。おかしくもある「夫」の変容は、「鷹鳩に」という季語にふさわしい。

【季語の説明】

「鷹化して鳩と為る」は七十二候のひとつ。陽暦では、おおよそ3月16日~20日頃。『呂氏春秋』に「鷹化為鳩」という言葉があり、獰猛な鷹が春のうららかな陽気によって鳩と化すことをいう。実際には起こり得ない幻想的な言葉だが、幻想的な春の気分を表す言葉で、春の陽がもたらす変化を言い表している。

                                   

 

雪代(ゆきしろ)     「春-地理」

 

桑本栄太郎

  •  

雪しろや一週間後上京す

【永田満徳評】

「雪代」は春の到来を感じさせる季語。掲句は、雪国から「上京」し、人生を歩み始めるということ。大地の出発である「雪代」とうまく取合わせられていて、春の四季のスタートを祝う句となっている。

【季語の説明】

春は山間部ではまだ多くの雪が残っている。「雪代」とは雪どけの水のことで、仲春になると、寒気がゆるみ、急に雪が溶けて川や海や野原に流れ出てくることをいう。春ならではの雪の様子を表す季語として、古くから俳句に詠まれている。「雪濁り」は雪代で川や海などが濁ること。ときとして大きな災害をもたらす。

 

 

蒲公英(たんぽぽ)     「春-植物」

 

河辺伸一

  •  

タンポポやふーっと吹いて子離れす 

【永田満徳評】

「蒲公英の絮」は触れたり、吹いたりしたくなるほど、可憐である。掲句は、「子離れ」の決断が蒲公英の絮を「吹いて」行われたという。その行為に意外性があり、それほど深刻ではないところがよい。

【【季語の説明】

「蒲公英」は野原や道端に生え、根際から羽状に深く裂けた葉を放射状に出す。花茎を伸ばし、頂に黄色または白色の舌状花からなる頭状花を開く。花のあと形成される種子は「絮」と呼ばれ、上部に白い毛をつけて風に乗って飛んでいく光景はよく見られる。息を吹きかけて飛ばしたことのある方も多いだろう。

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