俳句大学国際俳句学部よりお知らせ【国際俳句の取り組み】!
〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2022年11月号☆
◆俳句総合誌『俳句界』2022年11月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
The November issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the November issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Novembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Novembre aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】
(Facebook「Haiku Column」より)
ジャニン シャルメトン(フランス)
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秋の虹女王の帽子忘れざる
〔永田満徳評〕
エリザベス女王2世は公務スタイルに欠かせない洋服にマッチした帽子を被ったことで有名。「秋の虹」とは女王崩御の報が流れた夕、バッキンガム宮殿の上空にかかった虹のことであろう。秋の虹と女王の帽子とを取り合わせることで、史上最長在位のイギリスの君主であった女王の死を悼む時事句となっていて、心惹かれる。
Jeanine Chalmeton(France)
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arc-en-ciel d'automne ~
indélébiles les couleurs des chapeaux de la reine
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
La reine Elizabeth II était célèbre pour porter un chapeau assorti à ses vêtements, un élément essentiel de son style officiel. L'"arc-en-ciel d'automne" fait peut-être référence à l'arc-en-ciel au-dessus de Buckingham Palace le soir de l'annonce de la mort de la reine. La combinaison de deux événements liés à la Reine est une phrase d'actualité fascinante qui pleure la mort du monarque britannique ayant régné le plus longtemps dans l'histoire.
アリアニ ユハナ(インドネシア)
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無月や助けを頼むウクライナ
〔永田満徳評〕
ウクライナに対する軍事援助が行われている。しかし、今のところ、軍事援助がどこまで有効な手段となりえるかは不明である。ましてや、ウクライナの反転攻勢が長期化しそうな段階では先の見通しが立たない。このせめぎ合いを「無月」と「助け」とを取り合わせることによって、現在のウクライナの現状をうまく表現している。
Ariani Yuhana (Indonesia)
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night without the moon
Ukraine president asks for help for the war
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Military aid to Ukraine is being provided. At the moment, however, it is unclear to what extent military aid can be an effective tool. Moreover, the future is uncertain at a stage when Ukraine's reversal offensive is likely to be protracted. The current situation in Ukraine is well described by trading 'no month' for 'help' in this struggle.
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
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自然への讃歌を唱ふ子規忌かな
〔永田満徳評〕
「子規忌」は正岡子規の忌日。子規は自然をありのままスケッチする写生の重要性を唱え、自然のなかの美を追い求めた俳人。忌日の俳句はその人物について充分な知識があることが前提である。「自然への讃歌」という措辞には子規のことをよく知っていて、子規文学に対する深い共感が読み取れて、忌日俳句の模範となる句である。
Kim Olmtak Gomes(Holland)
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hymns to nature
anniversary of Shiki's haiku
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
Shiki Memorial Day is the anniversary of Masaoka Shiki's death. Shiki was a haiku poet who advocated the importance of sketching nature as it is and pursued beauty in nature. Haiku on the anniversary of his death require a thorough knowledge of the man. The phrase 'Hymn to Nature' shows a deep knowledge of Shiki and a deep sympathy for his literature, and is a model of the kind of haiku that should be included in the Bereavement Day Haiku.
【今月の季語(Kigo of this month】
(Facebook「Haiku Column」より)
【 夜長 よなが yonaga / long night / nuit longue 】
タンポポ 亜仁寿(インドネシア)
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我心奪ふスマホや夜長なる
タンポポ 亜仁寿(Indonesia)
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smartphone has captured my heart
long night
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ポール カルス(マルタ)
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長き夜を持て余したる不眠症
Paul Callus(Marta)
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long night -
a struggle with insomnia
【 三日月 みかづき mikazuki / crescent moon / croissant 】
クリスティーナ チン(マレーシア)
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三日月や気持ち変わらぬままですか
Christina Chin(Malaysia)
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crescent moon
do you still love me?
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アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
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三日月や日ごと短くなる余生
Angela Giordano (Italy)
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life gets shorter day by day
crescent moon
la vita si accorcia giorno per giorno
luna crescente
【 秋の雨 あきのあめ akinoame / rain of autumn / pluie d’automne 】
ダニエラ ミッソ(イタリア)
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秋雨や村のスープは田舎風
Daniela Misso (Italy)
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autumn rain –
scent of broth in the village
pioggia autunnale –
profumo di brodo nel paese
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スアド ハジリ(チュニジア)
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秋の雨大地の匂ひ立ちにけり
Souad Hajri (Tunisia)
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première pluie d'automne ~
dans l'air l'odeur de la terre
【 霧 きり kiri / fog, mist, haze / brouillard, brume 】
ジオバンナ ジオイア(イタリア)
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妖精の話を父に霧と露
Giovanna Gioia(Italy)
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nebbia e rugiada -
racconto una fiaba a mio padre
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山霧や雲やはらかく真珠色
リュシー ソレイユ(フランス)
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Lucie Soleil(France)
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brume au loin sur la montagne
blanc nacré des nuages veloutés
【 燕帰る つばめかえる tsubamekaeru / swallow returning / hirondelle retour 】
パトリチア カバローネ(イタリア)
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空を撫で風に乗りたる帰燕かな
Patrizia Cavallone(Italy)
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rondine in volo sulle ali del vento -
carezza il cielo
swallow flying on the wings of the wind -
caress the sky
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アブダラ ハジイ(モロッコ)
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訪ねたる母校や秋の燕なり
Abdallah Hajji·(Morocco)
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retour d'hirondelle
je visite mon ancienne école
【 赤蜻蛉 あかとんぼ akatonbo / red dragonfly / libellule rouge 】
マリリン アシユバッハ(アメリカ)
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エッチングのごとき翅なり赤蜻蛉
Marilyn Ashbaugh(America)
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red dragonfly
the wing veins etched in glass
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イメルダ セン(スイス)
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赤蜻蛉思ひ出残る休みの日
Imelda Senn (Switzerland)
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la libellule rouge ~
un souvenir de vacances inoubliable
【 破蓮 やれはちす yarehachisu / fading lotus / lotus fané】
ザンザミ イスマイル(インドネシア)
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破蓮何か寝言を言つてゐる
Zamzami Ismail (Indonesia)
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somniloquy~
fading lotus
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バーバラ オルムタック(オランダ)
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破蓮栄華の過去を漂はせ
Barbara Olmtak (Holland)
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shades of a flourishing past
wilted lotuses
【 カンナ かんな kanna / canna / balisier, canna 】
ミレラ ブライレーン(ルーマニア)
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カンナ咲く色鉛筆を尖らせて
Mirela Brailean (Romania)
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canna -
all colored pencils sharpened
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チュイリエ フランソワーズ(フランス)
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カンナ咲く君とって私は誰? 美音
Thuillier Françoise (France)
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fleur de canna -
qui suis-je pour lui?la jeune fille rougit