【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

俳句大学 Haiku Column 2019・2

2019年01月25日 07時05分29秒 | 「俳句界」今月の秀句
月刊誌「俳句界」2月号!

〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・2〜

◆俳句総合誌『俳句界』2月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」1月号から毎月連載して行きます。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行予定の4号では112人が500ページを数えます。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆なお、総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

February aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le February de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The February issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the February issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

今月の秀句(「俳句界」1月号)

Tia Baratawiria

fishing mackerel
speaking from heart to heart of father and son
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The scene of a father and his son fishing together. They say nothing but communicate by heart.
ティア バラタウイリア

鯖釣り
父と息子の心と心の会話
〔永田満徳評〕
親が子を連れて釣場に来ている情景。二人は黙り合っているようでも以心伝心で伝え合っているのである。ここには心で繋がっている親子関係が表現されている。


Francesco Palladino

she gives me a liar in full sleep
autumn night
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
In the autumn long night, his girl friend appeared in his dream. He worries about her saying ‘liar’. He describes well their delicate relationship with his lover.
フランシスコ パラディノ

眠りの中で彼女は私に嘘つきだと言う
秋の夜
〔永田満徳評〕
人恋しさが深まる秋の夜長。夢枕に現れた恋人が「嘘つき」だと責める言葉に目覚めても気になって仕方がない。微妙な恋仲の関係をうまく詠んでいる。


たんぽぽ 亜仁寿

walnut pie
love comes through the stomach
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
She eats a walnut pie which must be delicious.We fell the love in different way,Here we fell the love by stomach .
たんぽぽ 亜仁寿
胡桃のパイ
愛は胃袋を通ってやって来る
〔永田満徳評〕
手作りの胡桃のパイを頬張っている場面である。よほど美味しかったのであろう。愛の感じ方は色々あるが、ここでは「胃袋」で感じているところがいい。

【7句】

Siu Hong

migratory birds
my daughter's voice on the phone
シウ ホング

渡り鳥
電話に娘の声

Angela Giordano

seagulls on the pier
boxes full of shimmering sardines

gabbiani sul molo
cassette piene di sardine scintillant
アンゲラ ギオルダノ

桟橋の鴎
ギラギラ光る鰯で一杯の箱

Sarra Masmoudi

astiquant une vieille argenterie
les lumières d'un matin d'automne
サラ マスモウディ

磨かれた古い銀製品
秋の朝の光

Starry Starry

leaf of paulownia -
portrait of the lady smiling in the old house
スターリー スターリー

桐一葉
古い家に微笑む女性の肖像画

Christiane Ranieri

travaux des rizières
la sueur de son front enlumine son sourire
クリスティアヌ ラニアリ

田んぼの労働
額の汗は笑顔を光らせる

Eric Despierre

fête au village
tes mains timides sur mes hanches
エリック デスピエール

村の祭り
私の腰に回したお前の恥ずかしそうな手

Agnes Kinasih

full moon
the sound of the violin from the old house
アグネス キナッシュ

満月
古い家からバイオリンの音

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「華文俳句社」Kabun Haiku ①

2019年01月15日 12時54分07秒 | 華文俳句
俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!

〜Facebook「華文俳句社」Kabun Haiku ①〜

◆『くまがわ春秋』1月号が発行されました。
◆Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ①が掲載されています。
◆華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2018年11月1日には、二行書きの華文俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

俳句大學國際俳句學部的通知!

~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku ①〜

◆『くまがわ春秋』1月號已出版。
◆刊登Facebook「華文俳句社」のKabun Haiku ①。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆2018年12月1日已出版華文俳句的合著,『華文俳句選』。
◆請各位多多支持指教。

永田満徳選評•洪郁芬訳

趙紹球

時間凝成一圈圈漣漪
枯山水
〔永田満徳評論〕
將時間的流動以「漣漪」來形容
著實引人入勝。此句估計是形容觀賞「枯山水」後的感動,如「漣漪」般迴盪不已。 趙紹球

時間はさざ波になる
枯山水
〔永田満徳評〕
時間の流れを「さざ波」と表現しているところに惹かれる。「枯山水」に対する感動が「さざ波」のように襲ってくる様を詠んでいるのであろう。

郭至卿

拄著柺杖的老人
聽到北風
〔永田満徳評論〕
乍看之下,「老人」與「北風」似乎沒有直接的關聯。雖然如此,我們仍然能感受到老人拄著拐杖,彷彿是在對抗寒冷的北風而凛然站立的態度。 郭至卿

杖で立つ老人
北風吹く
〔永田満徳評〕
「老人」と「北風」とは直接的には無関係かもしれない。しかし、寒い北風に抗うように、杖一本を突いている老人の凛とした態度が感じ取れる。

離畢華

清淚兩行
松脂
〔永田満徳評論〕
此句將「松脂」擬人為「淚」著實好。
「清淚」更是一種正向的態度,令人想像,或許是像慶祝華文俳句的創立這樣的情景而流下的喜淚。 離畢華

二行の清き涙
松の脂
〔永田満徳評〕
「松の脂」を「涙」と擬人化しているところがいい。「涙」を「清き」とすることによって、例えば二行の華文俳句の出発を寿ぎ喜ぶ「涙」であろう。

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