【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・1

2018年12月27日 06時56分38秒 | 「俳句界」今月の秀句
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2019・1〜

◆俳句総合誌『俳句界』1月号が発行されました。
◆俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」㉒が掲載されています。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行予定の4号では112人が500ページを数えます。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。また、「俳句界」1月号からは「〔Haiku Column〕から選んだ秀句を連載します。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

January aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le January de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The January issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the January issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.

今月の秀句(「俳句界」1月号)

Rosa Maria Di Salvatore

tales by the fireplace -
roast chestnuts peeled in silence
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
Elle est devant la cheminée et écoute des histoires en épluchant des marrons grillés. Elle place les marrons grillés comme sujet. C’e
ローザマリア ディ サルバトーレ

暖炉での物語
静かに剥かれた焼き栗
〔永田満徳評〕
暖炉の傍らにいて、昔話の邪魔にならないように音を立てずに聞き入っているのである。「焼き栗」を主語にしたところがよく、「静かさ」が際立つ。

Beni Guntarman

voice of deer
I miss you in the distance there
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
The voice of deer is heart breaking. When he hears her voice he thinks of (you) who is far from him. The long night when we miss somebody is well described.
ベニ ギュッターマン

鹿の声
遠くに居るあなたを想う
〔永田満徳評〕
鹿の声は哀切極まりない。その声を聞くと、離れ離れになっている「あなた」をしのに思い出されるのである。人恋しさが募る秋の夜長を読み込んでいる。

Anne-Marie Joubert-Gaillard

Post-scriptum de l’été -
Un bouquet de dahlias sur la table
〔Commentaire de Mitsunori Nagata〕
C’est peut-être une scène de séparation. Elle pense aux dahlias posés sur la table comme un post-scriptum de son amoureux. Elle décrit les subtilités de la nature humaine.
アンヌ-マリー ジューベル-ガヤール

夏の追伸
テーブルの上にダリアの花束
〔永田満徳評〕
別れの場面であろうか、テーブルに置かれた「ダリアの花束」があたかも贈り主の「追伸」のように思われたのである。感情の機微を描いている。


Isni Heryanto

autumn sunsets
white sand in my rotten sneakers
イスニ ヘルヤント

秋夕焼
履き古したスニーカーの中の白い砂

Rosaria Lo Bono

Autumn cold-
on the windowsill crumbs for the birds
ロザリア ロ ボーノ

秋寒し
窓枠に鳥のためのパン屑

‎Stefano Riondato‎

Bottle of a seven years olded Porto
falling star
スティファノ リオンダート

七年経ったポートワイン
流れ星

Nuky Kristijno

crispy autumn
rustle of leaves on my brisk walk
ナッキー クリスティーノ

爽やかな秋
私の颯爽とした歩みの上にさらさらとした葉っぱの音

Mohammed Benfares

plage d'automne
le murmure de l'écume raconte mille histoires
モハメッド ベンファレス

秋の海岸
泡のざわめきは千の物話を語る

Lucie-Soleil Ouellet

l'arrivée de millier d'oies blanches
Les vagues se trémoussent
リュウシィ - ソレイユ ウレット

白いガンが千羽やって来る
波が小刻みに揺れる

‎Fractled‎

mid autumn
the clarity of haze while he speaks
フラクトウルド

仲秋
彼が話す間に霧が晴れる

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Haiku Column 「今月の秀句」㉒

2018年12月20日 17時15分37秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」㉒〜

◆『くまがわ春秋』12月号が発行されました。
◆俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」㉒が掲載されています。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「難民の/口元に差し出す/マイクロフォン」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行予定の4号では112人が参加し、500ページを越えます。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日に二行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆総合俳句雑誌「俳句界」12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」3頁に渡って書いています。また、「俳句界」1月号からは「〔Haiku Column〕から選んだ秀句を連載します。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。

December aout de [Kumagawa shunnjuuくまがわ春秋」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le December de aout de Kumagawa春秋 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.

The December issue of 「Kumagawa shunnjuuくまがわ春秋」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the December issue of Kumagawa春秋 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase

今月の秀句(くまがわ春秋12月号)

Françoise Gabriel

fin des récoltes-
le petit tracteur recouvert de mouettes
【美音訳】
フランソアズ ガブリエル

収穫の終わり
雀で覆われた小さなトラクター
〔永田満徳評〕
雀が収穫したばかりの稲を積み上げたトラクターの荷台に群がっている情景である。収穫時の「雀」の姿に実り豊かな秋の風物が詠み込まれている。It is a scene with sparrows swarming around the harveast. She describes well autumn charm with sparrows.
C’est une scène avec des moineaux , volant autour de la récolte. Elle décrit bien le charme de l’automne avec les moineaux


Soucramanien Marie

Embouteillage-
Elle dessine des oies sauvages sur sa vitre embuée
【美音訳】
スクラマ二エヌ マリー

渋滞
曇ったフロントガラスに雁の絵を描く
〔永田満徳評〕
渋滞の巻き込まれた子供がフロントガラスに「雁の絵」を描くことで無聊を慰めているのである。子供のあどけない仕草をうまく切り取っている。The child draws wild goose picture to forget the traffic jam. She catches well the pretty gesture of a small child.
L’enfant dessine des oies sauvages pour oublier l’embouteillage. Elle saisit bien le geste mignon d’un petit enfant.


Hamid Wahibi

de la neige qui tombe
oh cet éternel silence
【美音訳】
ハミド ワヒビ

降る雪
ああこの永遠の静けさ
〔永田満徳評〕
しんしんと降る、満目蕭条たる、白一色の雪景色。モノの動く気配さえない、音の途絶えた静止画の世界。「永遠」に続くかに感じられる瞬間が捉えられている。
White scenery of snow. The scenery of still image, no sound.
He catches the moment that this world will continue eternally.
Scène de neige. Scène d’une image fixe sans son. Il saisit le moment où ce monde continue sans fin.

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