俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜俳句大学 〔Haiku Column〕「俳句界」2021・4〜
◆俳句総合誌『俳句界』4月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出しました。「HAIKU」6号と「歳時記」は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
avril aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆L avril de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The April issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the April issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Haiku Column(俳句大学)
(「俳句界」R3.4月号)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus) 】
永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
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Mirela Brailean
heat haze -
the breath of the earth
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
It's probably a poem about the "haze" that rises on a sunny day with strong sunlight and not so strong wind. "Haze" has a strong image of ephemeral, but it is good to anthropomorphize the flicker from the ground as "the breath of the earth" and draw the magnificent and dynamic atmosphere of spring.
ミレラ ブライレーン(ルーマニア)
陽炎や地球の息吹かと思ふ
〔永田満徳評〕
よく晴れて日射が強く、風があまり強くない日に立ちのぼる「陽炎」を詠んだものだろう。「陽炎」は儚はかなさのイメージが強いが、地面からのもやもやとした揺らめきを「地球の息吹」と擬人化したところがよく、春の雄大で、躍動感のある雰囲気を余すことなく描いている。
※
Paul Callus
pruning -
the renovation of life
potatura -
il rinnovamento della vita
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
A phrase that mimics the "pruning" of pruning fruit trees in early spring to shape them and improve their fruit growth. The "pruning" of "life" is also "re-living" and taking a new step. It is interesting as a phrase that came to mind from the seasonal word "pruning" to "life."
ポール カリュス(マルタ)
剪定やこの人生を生き直す
〔永田満徳評〕
春先に果樹の枝を払い、形を整えたり、実のなりをよくしたりする「剪定」を人に擬なぞらえている句。「人生」の「剪定」もまた、「生き直す」ことであり、新たな一歩を踏み出すことである。「剪定」という季語から「人生」に思いが及んだ句として、面白い。
※
タンポポ 亜仁寿
soft breathing of a sleeping baby
spring rain
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
As the saying goes, "a sleeping child grows up," a phrase that makes you feel the eyes of a mother watching over her child's growth. The appearance of a baby standing "softly" with a "sleeping breath" resonates with the "spring rain", which has a quiet and warm mood, and a peaceful spring scene is well cut out.
タンポポ 亜仁寿(インドネシア)
春の雨稚児の寝息の柔らかく
〔永田満徳評〕
「寝る子は育つ」という諺ことわざがあるように、子の成長を見守っている母親の眼差しが感じられる句。「寝息」を「柔らかく」立てている「稚児」の姿は、静かで、あたたかな気分が漂う「春の雨」と響き合って、のどかな春の一場面がうまく切り取られている。
【今月の季語(Kigo of this month)】 永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
【 朧月 おぼろづき oborozuki / hazy moon / lune voilée 】
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Eugénia Paraschiv
lune voilée
ton souffle me guide
エウジェニア パラシブ(ルーマニア)
朧月我を導く君の息
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Zamzami Ismail
hazy moon
pending paintings hanging in an old studio
ザザミ イスマイル(インドネシア)
アトリエ に未完の絵画朧月
【 花の雨 はなのあめ hananoame / rain in cherry blossom/ pluie sur cerisiers en fleurs 】
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Rina Darsa
rain in cherry blossom
the first time you said I love you
リナ ダルサ(インドネシア)
花の雨君の告白受けしとき
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Amel Ladhibi Bent Chadly
ses baisers volés
pluie sur cerisiers en fleurs
アメル ラドディビ ベント シャドリー(チュニジア)
花の雨その下でキス盗まるる
【 石鹸玉 しゃぼんだま/ shabondama / soap bubble / bulle de savon 】
※
In Ismael
soap bubble
rainbow appears from the breath of the child
イン イスマエル(インドネシア)
子の息に虹の現れしやぼん玉
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Antonella Seidita
stelle filanti colorano il cielo
bimbi in piazza
streamers color the sky
children in the square
アントニア セイディタ(イタリア)
子ども等の空を彩る石鹸玉
【 蒲公英 たんぽぽ tanpopo / dandelion / pissenlit 】
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Christina Martin
just one wish
an angel takes flight on dandelion wings
クリスティーナ マルタン(フランス)
たんぽぽの綿毛の天使飛び立ちぬ
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Agnese Giallongo
il tarassaco-
tutti i miei ricordi sparsi per aria
the dandelion -
all my memories scattered in the air
アグネーゼ ジアロンゴ(イタリア)
たんぽぽや風に散らされたる記憶