俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜俳句大学 Haiku Column 「今月の秀句」2020・5〜
◆俳句総合誌『俳句界』5月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕の「今月の秀句」から選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」の俳句が大会賞を受賞しているように、三行書きにしただけで散文的な国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。また、2020年3月25日には「国際歳時記」の第1段として【春】を出版しました。
◆最近では華文二行俳句のコンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
Mai aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆Le Mai de aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
The May issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the May issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】
永田満徳選評・向瀬美音選訳
(Facebook「Haiku Column」より)
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ディミトリ アブゲルノス
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「一緒に年をとろうか」花の雨
〔永田満徳評〕
傍にいる相手との生活に満足しつつ、これからも「一緒に年をとろうか」と呟いたのである。「花の雨」の中で、華やかでありながら、しんみりとした情緒がよく伝わってくる。
Dimitri Avghérinos
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“Let's the two of us grow old together, shall we?”
Rain falling on blossoms
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
He is satisfied with his partner and told that they would get older together.Under the rain on the cherry blossom it is gorgeous and we feel quiet atmosphere.
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タンポポ 亜仁寿
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珈琲挽く音と匂ひの春曙かな
〔永田満徳評〕
「珈琲挽く音と匂ひ」の中にいると、誰しも心身とも次第に目覚めてくるものである。「春曙」の至福の時間を詠み、日常にある幸せをうまく切り取っている。
タンポポ 亜仁寿
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spring dawn -
the sound and smell of grinding coffee beans
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
“The sound and smell of grinding coffee beans“.we become awake slowly.She writes the happiness of spring morning and shi cuts well the happiness of every life.
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マリア テレサ ピラス
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回復や窓辺に凧の置かれある
〔永田満徳評〕
闘病の末に回復して、予後の楽しみに凧揚げしようと思う場面だろう。余計な言葉が一切なく、しかし、言わんとするところは充分に伝わってくる句で、省略の妙を味わうことができる。
Maria Teresa Piras
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convalescence -
a kite at the window
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
After convalescence she hopes to enjoy kiting.It is a good example of omission,We feel well what she want to tell.
(Facebook「Haiku Column」より)
【野遊 のあそび noasobi / picnic / pique-nique】
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エルベ ル ガル
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クッションのごとき雲あり野に遊ぶ
Hervé Le Gall
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pique-nique printanier
un nuage pour coussin
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ハッサン ゼムリ
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野遊びや初めて咲きし花を描き
Hassane Zemmouri
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picnic
first flower in the drawing book
【凧 たこ tako / kite / cerf-volant】
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モハメッド ベンファレス
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夢見る子ランドセルに凧を入れ
Mohammed Benfares
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enfant rêveur
cerf-volant dans le cartable
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いかのぼり吾子の笑ひは天までも
ファテン フルティ
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Feten Fourti
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cerf.volant_
le rire de mon enfant monte au ciel
【春愁 しゅんしゅう synsyu / sorrow of spring / mélancolie du printemps】
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ミシェル ティルマン
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春愁ひ風の中なるブランコの音
Michelle Tilman
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son de la balançoire dans le vent
mélancolie du printemps
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ミレラ デデウ
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春愁や心の中は君ばかり
Mirela Duma
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primăvară melancolică -
doar tu în gândurile mele
【鶯 うぐいす uguisu / nightingale / rossignol】
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エウジェニア パラシヴ
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鶯や君の人生溢れしむ
Eugénia Paraschiv
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chant de rossignol
emplissant votre vie
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カメル メスレム
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鶯のアクセント子のコーラスに
Kamel Meslem
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Les beaux chœurs d'enfants
doux accents du rossignol
【梅 うめ ume / plum, Japanese apricot, plum blossom in flowers / prune, prunier en】
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ラチルダ ジェルビ
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梅の花匙が乳歯に当たる音
Rachida Jerbi
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la cuillère tinte sur sa première dent~
prunus en fleurs
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シュピー モイサン
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水切りの子らの笑ひや梅揺るる
Choupie Moysan
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le prunier secoue ses fleurs au vent--
ricochets des rires des enfants