竹垣に菊の図柄の伊万里です。
金彩をふんだんに使って、豪華なわりには、どこかほの暗い感じです(笑)。
幕末になると、退廃的なムードが世の中を支配したためか、
伊万里も退廃的な、雰囲気になる感じがします。
そこが、好き嫌いのはっきりわかれるとこでしょうか。
装飾過剰なわりには、どこかけだるいアンニュイな色調は、ほの暗い俗っぽさを感じさせ、
あまり、現代人には受けないかもしれません。
しかし、見方によっては、その俗臭が人間的な郷愁を感じさせるような気がします。
浮世絵の『俗』に人間的郷愁を感じるのと似ていると思います。
中国の明末にも、似たような退廃的なムードの磁器を見ますが、
時代と民族は、違っても、陶は政なりの格言は、普遍のような気がします。
でも、わたしは、この退廃的なムードあんがい好きなんですよ。(笑)
幕末のころ
直径約、41cm×高さ約5cm