古伊万里江戸後期物の魅力

古伊万里江戸後期ものを中心としたブログです。
その日の気分で、俳句も作ってみようと思います。

流水紋錦手大皿

2010年10月30日 17時58分53秒 | 古伊万里=色絵大皿
急に寒くなりましたね。
 
台風も来て、大変な週末となりましたね。
きょうは、一日家におりました。
 
これは、幕末くらいの大皿と思います。
 

 
若松・八重山吹・紅葉・流水などが描かれていて、
古伊万里らしいオールシーズンタイプになっています。
 

 
金彩などは、摩れておりますが、状態はよい方でしょう。
 
最近も、ヤフオクなどで贋物がかなり横行しておりますが、
この手の贋物は見ません。
これは、前回の染付けと違い、現代人の好みに合わないせいもあるでしょう。
ちょっと、色がくどいとか、派手すぎるのが原因の一つですが、
逆に、現代人が見て、いかにもデザインが良いものは、要注意です。
慣れている人は、絵付けを見ればすぐ解かるはずです。
 

 
直径約41cm・幕末のころ
 



線描き花唐草紋大皿

2010年10月24日 14時06分29秒 | 古伊万里=染付大皿
『すあま』という餅菓子をご存知でしょうか?
私がこどもの頃は、学校の創立記念日とか、ちょっとしたお祝いの記念に、
『すあま』で、できた紅白の『鶴の子餅』をもらいました。
先日も、敬老の日に両親が紅白の『すあま』を、もらってきました。
関東では、ごく普通の食べ物です。
 
これが、ぼくは、子供のこ頃は、苦手な食べ物でした。
 
だいいち、歯ぬかりがして、前歯の裏にくっつくんです。
味ですが、『米粉』『砂糖』の甘味が口の中で分離して、
それぞれ、べつべつの味がします。
米粉と砂糖だけを原料として作っているのが子供でも判りました。
 
最近は、歳のせいで口腔も鈍感になり、
お互いに溶け合って美味しくいただけるようになりましたが・・・(笑)
ただ、スーパーや、和菓子屋で売っていても、いまだに買いません。
西日本まで、普及しない理由は、いくらかわかるような気がします。
ただ、人によって好みは、様ざまなので、ハマる人はいるかも知れませんが・・・。
 
 
江戸後期に流行した線描きで描いた、花唐草紋の大皿です。
 

 
美しい唐草紋に、おそらく牡丹と思われる花と、一重の花が美しく描かれています。
線描き伊万里としては、成功した図柄ではないかと思われます。
 
唐草は、唐草の風呂敷の唐草に似ていますよね。
 

 
ただこの図柄の残存数が少ないところを見ると、
当時の人気はもう一つだったんでしょうかね?
現代人がみると、なかなか優れていると思いますが。。。
 
 

 
直径約40cm・江戸後期~幕末のころ



錦手・人物三人の図

2010年10月17日 08時19分54秒 | 古伊万里=色絵大皿
すっかり、秋も深まりあの猛暑は何だったと思うような、毎日。
いかが、お過ごしでしょうか?
 
紅葉のことを別名、錦秋(きんしゅう)ともいいますよね。
ということで、錦手のお皿を紹介いたします。(笑)
 
この三人の人物は、なに者でしょうか?
 

 
おそらく、六歌仙の内の三人ではないか?と見ています。
六歌仙を一面に描いた伊万里は、たまに見受けますが、三人は初めてです。
みなさのご意見は、いかがでしょうか?
 

坊主・十二単の女性・狩衣の貴族の男性が、
なにやら座敷で品定めでもしているのでしょうか?
あたりには、文箱・本・貝合わせ・巻物・珊瑚・軍配・霊芝などなど
あらゆる縁起ものらしきものが、散らばっています。
 
バックには、桜・牡丹・撫子・菊とオールシーズンの草花が咲き誇っています。
あらゆる物をてんこ盛りと言う感じで、いかにも民芸品のよいところでしょうか?
 

 
こういう風にごく浅い色あいで仕上げることが幕末に一時期流行したようです。
時代は、幕末~明治のころではないでしょうか。
どちらかというと、明治に片足つっこんでいる感じはします。
 
 直径約40cm・幕末~明治の頃
    150年くらい前のお皿です。



古染付け・黒人の図

2010年10月09日 20時37分03秒 | 中国古陶磁
これは、古染付です。(古染付けと言えば、中国の染付磁器をさします。)
 
中国の明時代末期に造られたという染付け磁器です。
ですから、このお皿は、400年以上まえに造られた事になりますよね。
当時は、まだ磁器は製造は秘密のベールに包まれていて、
中国以外では、製造できませんでした。
貴重な輸入品だったでしょうね。
 

 
一般的に図録などでは、黒人の図として紹介されています。
 

 
明王朝は、日本などより、国際的な交流が盛んでしたでしょうから、
黒人・白人など、いろいろな人種の交流もあったのでしょうね。
 
明王朝は、象も飼育していたという話があります。
ですから、古染付けには、『象洗いの図』がありますがその為でしょう。
明朝末期には、お金がかかると言う事で、象の飼育はやめたそうです。
 

 
お皿の裏は、古染め特有の砂つき高台。
 

 
高台の内側は、竹ヘラで削ったと思われる線が釉薬の切れ目から見えます。
この風景も、古染め特有の約束事といわれていますよね。
 
直径13センチほど。 明時代後期。



志田焼・柳と松

2010年10月03日 13時34分14秒 | 志田焼
志田ブームもやや落ち着いて、買いやすい値段になってきましたよね。
最近は、志田と銘をうたわないで、伊万里として販売も多くなってきました。
 

 
真ん中は、柳でしょうか。
まわりに花火のように描かれているのは、松葉でしょう。
シンプルなデザインです。
 

 
墨弾きなどの技巧をつかい白い縁取りをつけて、呉須の濃淡を上手く使い、
なかなか優れたデザインと思います。
柳の下にウサギなどいると言うことありませんが、現代人がみると物足りない
構図がおおいものです。
 

 
現在お値段もお安いので、コレクションするのによいかもしれません。
現代人が見て、デザインに過不足がないものは、かえって要注意です。
 

 
直径28cm・江戸時代後期~幕末のころ