アイヌ神謡集(カムイユカラ)って、ご存知でしょうか。
知里幸恵(ちり ゆきえ)という人が、大正時代に訳した神話集で、
19歳で亡くなっているそうです。
読んでみておもうことは、
アイヌって、狩猟民族だなあと、つくづく思いました。
大和民族は、農耕民族。
その世界感のちがいは、想像以上のものがありました。
動物達は、それぞれカムイ(神)でありまして、
人間の目にはみえないが、普段は、人間の姿をして、
森の中で、家を持ち、人間と同じような生活をしています。
人間世界にあらわれる時だけ、動物の姿をしています。
動物は、カムイでありますが、人間のような感情を持ち、
時々いたずらや、失敗もして、大神様からおこられもします。
そんな内容の物語集でした。
最初、なんだか、とりとめの無い内容に、戸惑いましたが、
最後まで読んでみると、
一服の深い煎茶を飲んだ様な爽快な気分を、味わいました。
農耕民族にない動物や自然界との一体感。
我々が忘れていた原始生命体としての自然界への畏れと、畏敬の念。
確かに、こういう感覚は、われわれは忘れていたかも。
日本昔話に、どうしてこれを加えないのか?
不思議に思いました。
アイヌ民族は、日本人ではありませんか。