古伊万里江戸後期物の魅力

古伊万里江戸後期ものを中心としたブログです。
その日の気分で、俳句も作ってみようと思います。

青磁牡丹紋四方皿

2009年04月26日 16時39分53秒 | 古伊万里=染付皿青磁
骨董品を収集して、最近つくづくと感じることは、日本文化の礎(いしずえ)は、西日本だと言うことです。
これは、いやがうえでも、長年収集していると気が付くんじゃないでしょうか?

まず、六古窯がそうですし、茶の湯、能、歌舞伎も西日本で生まれたんじゃないでしょうか。
古伊万里も、もちろんそうですよね。(笑)

中世の日本文化だけかと言うとそうでもなく・・・
明治維新も西の人々が中心になって、成し遂げられています。
更にさかのぼれば、九州、畿内説といろいとありますが、邪馬台国も西日本にありました。

西日本には、そういう革新的な進取の気性があるという事ではないでしょうか?
現在でも、有名な知事さんが、改革をしようと頑張っているいるのは、西日本のよう見えます。

これを西日本に住んでいる人が言うと、手前味噌で嫌らしくなりますが、
私は生え抜きの関東人なので、問題ないでしょう。(笑)

そのことに、東京の人間にも気が付いて欲しいし、余計なことかも知れませんが、西日本の人々にも、
もっと自信をもっていただけたらなと思い、日記にしました。





染付けの牡丹紋の付いた青磁のお皿です。
そろそろ、牡丹の蕾も、大きくなってきた季節ですよね。
一緒に柘榴の実も描いてありますが、季節が違いますので、気にしないでください。(笑)




青磁と染付けというのは、デザイン的に相性も良いのですが、どうしてか現代のお皿では、見ません。




皿裏をみると、時代は、幕末明治といったところでしょうか。

呉須は、天然呉須タイプとベロ藍との中間といったかんじです。

   最大直径30cmと大柄なお皿です。






コンプラドール瓶

2009年04月18日 11時27分00秒 | 古伊万里=ふくろもの
コンプラドールとは、ポルトガル語で、仲買人を意味するそうですが、
今更あえて説明のいらないくらい有名な、江戸時代の輸出用しょうゆ瓶です。
盛んに造られたのは、寛政時代以降だそうです。

これは、人気もあり、ご存知のごとくコピー商品も多く、注意を要するやきもの一つですよね。
ロシアの文豪トルストイも愛用していて、一輪指しに使っていたとか・・・

はたして、これは、本物でしょうか。(笑)




私の場合、真贋の決め手は、まず、全体の姿かたちも重要ですが、文字に注目いたします。
江戸時代の人は、現代のアルファベット全部を知っている人間ではありませんので、
現代の人とは、どうしても、雰囲気が違う書き方をしているものです。
その、微妙なタッチと時代の呉須の色を、感じとることが、できるでしょうか。




あと、口の造りも重要だと思います。
コルクで栓をして、タールで封印をして、上から何かをかぶせて、ひもか針金で、くくったそうで
上下にある出っ張りも、重要だと聞いたことあります。
この造りのアマイものは、疑問が残ります。




あと、細かく見ていけば・・・
全体のフォルムとか・・
江戸期の長崎の波佐見焼きですから、生地が少し灰色がかるとか、呉須の色と調子はどうだろうか、とか
色々とでてきますが、おおむねは文字で、時代がバレてしまうものが多いようです。
ただし明治になるとコバルトの印判手になりますから、かえって文字だけでは、
真贋が難しいものも、あるかも知れません。




 コンプラ瓶としては、比較的、初期のものと思われます。

    江戸時代後期・波佐見焼・高さ約18,5cm・幅約9cm



北関東の桜も

2009年04月12日 09時37分18秒 | 植物起稿
ところにもよるでしょうが、北関東のサクラも終わりのようです。
ハラハラと散ってきました。




最近、ネットで京劇を見ていて、はたして中国にもサクラは、あるのだろうか?
と素朴な疑問を持ちました。

もともと日本列島等は、大陸の一部ですから、多分大陸にも、山桜タイプのサクラは、あるんじゃないかな?
と、思います。
ただ、中国の公園にあるサクラは、日本からの輸入品らしいので、
観賞用としては、日本産に一歩ゆずるんじゃないかな?と思いました。




サクラの花が、これほど日本で愛でられるのは、日本人の美意識や文化と合っているからであって、
中国では、梅や桃の花の方が、人気はあるような気がします。




サクラの花の美しさは、パッと咲いて、パッと散るから・・なんて一般に言われていますが、
それも、あるかも知れませんが、わたしは、違うとおもいます。
パッと咲いて、パッと散るのは、よく見れば他の植物にもあるような気がします。




桜の美しさは、『華やかさ』と『清楚さ』さという相矛盾する要素を、一つの花が持っているからではないでしょうか?
あの、すういピンクの花色にも、秘密がありそうです。
『華やかさ』だけの植物の花なら、桃とか牡丹とかチューリップとか結構あるような気がします。
『清楚』だけなら、梅とか、リンゴの花とか、梨とかあるかも知れません。

畢竟、芸術の極致は、そのあい矛盾する要素を、兼ね備えたモノとは、いえないでしょうか?
国宝の興福寺の阿修羅像や、盛期の柿右衛門様式も、そんな感じがしますよね。



牡丹返し紋櫛高台鉢

2009年04月04日 21時20分56秒 | 古伊万里=染付中皿
やっと、腰痛より復帰することができました。

七転八倒の苦しみで、約5日間、天井を見ながら、ある考えにふけっておりました。
寝返りも、うてず、トイレに行くのが、一番つらい事でした。
食事をとるのにも、腰にひびくといったありさまでした。

病院で、痛みと炎症をおさえる注射で、かなり回復して参りました。
今は、左足のシビレがいくぶん残る程度となりました。

みなさまのお見舞いの言葉に感謝いたします。m(__)m




これは、返し紋といって、見込みの牡丹紋の描ききれない枝葉が、
そのまま後ろへと、繋がって描き込んであります。

返し紋は、江戸時代、櫛(クシ)の文様として、たいへん流行したそうで、高級櫛の代名詞にもなったそうです。
それを、伊万里にも応用したのでしょう。




高台は、櫛高台になっておりますが、もちろん鍋島ではありません。




ところどころ、釉切れになっておりますが、高温焼成のためであって、くすりの掛け忘れなどではありません。(笑)

   時代は、天明~寛政期くらいではないでしょうか。
                        
 最大直径約21cmほど。