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真藤順丈作『宝島』について(その9)

2019年06月04日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
たばこの記述とは関係ないですが、【逃げること】については必ずしも悪いことではないのですね。

271ページ 「昔っからそうさ。おいらはよく知らんのに。グスクもレイもいざとなるとその人のことばっかり。先生だって、ほんとうは忘れられんくせに」
「その人がよく言ったのよ、"逃げたやつはまた戦える"って。とにかく無意味に暴れちゃならん。そんなことをさせるために連れてきたんじゃない」

【煙男との再会〜たばこの再登場】です。

283ページ サチコが乗っていた。ああ、勘弁してくれ、勘弁してくれ。布切れをかまされて、手首を縛られている。膝の上にはリュウを乗せている。いやだ、勘弁してくれ、勘弁してくれ! わざわざ後部座席の扉を開けて、寝た子を起こさないようにサチコに降車をうながしたのは、煙草の煙を夜気に溶かす男だった。
「あんたは、肺がんになってくれたらよかったのに」
「静かに。さっきまで大泣きしていて、やっと寝入ったところなんだ」
あいかわらず煙たい男だった。
ダニー岸との、想像できる限り最悪の再会だった。〜

〜唇や鼻口から漏れだす煙が、寝息を立てるリュウの肺にとりこまれ、グスクの鼻先にも漂ってくる。一家にとってその副流煙は毒ガスに等しかった。〜

〜煙草の火をサチコやリュウに押しつける暴挙には、まだおよんでいない。だけどこの男はたがの外れた嗜虐紳士(サディスト)、他人の悲鳴を栄養にする狂人だ。脈絡もなく人質の目玉をえぐりかねない男には、たとえ一分一秒だって妻子を近づけておきたくなかった。〜

〜返還やガス移送が近いのでね、と煙男が言った。われわれはあらゆる危険分子を駆除しなければならない。その煙のような声。特高警察の残党。思想狩りの第一人者。(つづく)
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空気は読むものではなく吸うもの!

2019年06月04日 | ここで一服・水元正介
5月24日のテレ朝「家政夫のミタゾノ」での名言は、「空気とは読むものではなく吸うもの」でした。

周囲の空気を読んでいる時間があるならば、まずは自分から空気を吸いなさい、そして、生きてる喜びを発散させましょう、ということなのでしょう。深いなぁ、ミタゾノさんは。

パンケーキをふわふわにするのは空気です、っていうのも良かったですね。メレンゲは卵白を半冷凍にしてかき混ぜるといいですよ、隠し味は空気です。痛み入ります。
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