先日、すごくお元気で怒鳴るおばあちゃんの話を紹介したが、今回はさわやかな23〜24歳の1人カラオケ女子と、ドリンバーのソフトクリームで順番を待っていたとき、前の高校生女子が見せた一礼に感動した。
1人カラオケ女子は、突然僕の部屋のドアを開け、いったん閉めてからまた僕の部屋に、カラオケセットを手に入ってきた。「なんだ、小娘、入ってくるならノックぐらいしろよ。どんな教育受けてきたんだ、お前〜っ。親の顔が見て見たいもんだ」などとは言わず、「えっ、どうなされました?」と丁重にお聞きしたら、受付伝票を僕に見せて「ここって、私が予約したのですが、そちらの伝票をご確認していただけないでしょうか?」と上品に言われた。
目を凝らした自分の伝票を確かめると、一部屋ずれていた。「申し訳ありません。すぐ引っ越しますので、いや〜、とんだ勘違いでした」と上着、食べ物、カラオケセットなどを手に隣に移った。一度で済まなかったので、二度めに残ったものを手に部屋を出ようとしたら、「あっ、このワインもありますよ」と引き止められた。
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慌てた僕はセブンイレブンの白ワインを手に「そうでした。本当にすみません----ところで、ワイン少し飲みますか?」などとトンチンカンなことを口にしてしまった。「いえいえ、けっこうです」と断られたが、「なるほど日本の未来は大丈夫だな。老いては子に従えは正しいな」と確信させられた。それに比べて、昨日の決して上品とは言えない罵詈雑言は何なんだ、と思った。
そして、ドリンクバーで、ソフトクリームを2つのカップに山盛りにしていた女子高生は、立ち去るときに僕の方を見て(お待たせした)という声を飲み込み、ぺこんと一礼したのである。「あ〜なんていい子なのだろう」と、清々しい気分になったのだ、僕も「どういたしまして」という言葉を飲み込んで軽く一礼したのである。