![]() | 桂文紅日記 若き飢エーテルの悩み―清く、正しく…面白く |
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青蛙房 |
☆☆
今の文我さんが編集した、桂文紅さんの日記。
飯食えんでと、終戦後の昭和32年から36年の五年間の日記である。
真面目な文紅さんと、チャラポランな我太呂(後の三代目文我)が一緒に生活しているが、
落語という共通点はありながら、いきざまにはお互い正反対の様な、
でも、文紅さんも、パチンコに明け暮れ、もう止めようと心にことある毎に誓っているが、
何度も誓うというのは、いつも止めることができなかったということで、意思の弱さを感じる。
その割には、我太呂さんの行動、主観の違い、金の貸し借りと、後輩の森乃福郎へのライバル心とか
常にイラつき、そして、周りの噺家さんの出来ばえには敏感で、常に自分との比較で、一喜一憂している。
くじける年の瀬に、自分は何が楽しみに過ごしているのか、落語あるのみ。
生きて今日ある事を、心より感謝する。・・読んでいると怖くなるぐらい心の悩みを叫んでいる。
しかし一方、インテリで筆が立ち青井竿竹のペンネームで新作落語も多く創り、
「テレビ葬式」なんぞ読めば、三枝落語のお手本みたいな話である。
一方、ただ、若き噺家の心の悩みを知るだけではなく、
当時の、落語会の様子、出演者と演目、そしてその出来具合が事細かに書かれており、
四天王が活躍しだす頃の、貴重な資料である。
でも、これを読んでいると、今の四代目文我さん、三代目文我さんより、文紅さんにだぶってしまう。
まあ、そういう意味もあっての、文我さんの編集か・・・・・・・・。
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