モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 | |
クリエーター情報なし | |
方丈社 |
☆☆☆☆
去年の夏に買って、なかなか読み終えることができなかった本。
中身がおもしろくないのではなく、淡々と進む具合にこちらのペースが合わないというか。
まあ、文庫本なら通勤途中で読めるのですが、単行本は嵩張るのでできるだけ家で。
ということは、寝る前か休日か、どんどん後から買った本に抜かれてしまった。
さて、内容は、内田洋子さんが大好きなヴェネツィアの一軒の本屋から始まる。
その店主にルーツを尋ねると、トスカーナ洲のモンテレッジォという山村に
原点があると・・・・・。
イタリア、トスカーナの山深い村から、本を担いで旅に出た人たちがいた。
村勢調査によると1858年の村の
人口850人中、71人が職業は本売りと記載されている。
こんな、田舎町からなぜ、あの重い本の行商をおこなったのか・・・・。
イタリアの本、普及の物語。
関西でいう、近江商人、痩せた田畑の次男坊、三男坊が出稼ぎに出たように、
モンテレッジォの行商人も一緒。 うまく成功したのは、旅をしながら、色んな情報、
版元、読者の両面から本と共に各地に伝えたから。
今、ネットで色んな情報が手に入るようになったから、
まさに本の価値も本屋の出番も薄れたようで、当時の本の歴史を知れば知るほど、
これから先、本のあり方はどうなるのか、考えさせられる本でおます。
「その人らしさが一番映えるお洋服を見立てるのが洋品店の役目なら、
読んで心が豊かになる本を勧めるのが書店ですもの」と、
今まさに、情報革命、そのなかで足を運んでいただけるお店とは、
本好きの私にとっても、これから本屋に足を運ぶ愉しみって何って・・・
本が本を連れてくる。
一冊の本が、次に手にする本を示してくれる、
無限への拡がり・・・・・本の読むことの原点を感じますな。