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まさかジープで来るとは (幻冬舎文庫) |
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幻冬舎 |
☆☆☆
鬼才と奇才の第二弾。
味わいある言葉が、どんどん湧いてくる。
自由律俳句と、五七五の形式を破り自由な韻律で詠む俳句のこと。
これって、
俳句だったの、裏表紙を見て初めて知る。
自由に気になる言葉を集めて、羅列したものだと思っていたが、
もう少し、句とすれば意図して、推敲されたもんなんだ。
例によって、気になった言葉を羅列しますが、
せきしろさんの方が多くなったのは、
考えると、事象を述べているのがせきしろさん、心情的頭で考えたのが多いのが又吉さん。
今、短歌で考えているわたくしめにとっては、自然に、せきしろさんが多くなったようで・・・・。
それと、我仕事に通じるファッションも取り上げています。
「せきしろ」
シャツの予備ボタンはもう捨てていいのか
ハワイのTシャツを着た老人が震えている
駐車場の隙間を埋めるようにタンポポ
大量の小学生が同じ車両に乗ってきた
犬が顔だけ出している
白髪と同じ色をしているセーター
風が顔に当たって左右に分かれて耳で音に
白一色ではなく模様の入ったシャツだった
いつもと違って見えるのは長袖Tシャツなんかを着てるせい
わかったこれはダウンジャケットの羽根だ
独り水溜まりに映る独り水溜まりにはまる
カレー食べるんだったrら次で降りるが
怒っている女だがシャンプーの香りがする
煮物で窓ガラスが曇る実家
家にいると決めた日の夕焼けが誘う
言っていることは正しいが寝癖
これなんだっけそうコーデュロイだ
回送バスが飛ばしていた
ズボンの裾が早くも濡れているデパートで怒られている児今日二人目
あなたのためにあるような柄
朝食でも昼食でも夕食でも夜食でもないところが自由だ
犬が空を見ているように見えるが真偽はわからない
あの家だけ起きてる
「又吉直樹」
こんな大人数なら来なかった
サラダは取り分けてくれたが
カレーにしか使えない皿を貰った
思っていたより小振りな仏像に合掌
薬を飲んだ朝の小便の色
礼服に数年前の招待状
立ち小便の湯気に怯える