街場の大阪論 (新潮文庫) | |
江 弘毅 | |
新潮社 |
☆☆☆
呆けているのか、それ以上にこの本がおもしろいのか。
実は、文庫本を購入、八割方読んだところで、同じようないい回しが・・・と、
本棚を見ると、単行本で既に読み、感想まで書いているのに、。
でも、最後まで二度読ませるぐらい、この本はおもしろい。
通勤途中で読むことが多いので、興味ある箇所のミミを折って、
あとで見れるようにしているのだが、なんと18ヶ所、
上は、折りすぎて膨れ上っていますが、・・・・今年読んだ中では最高。
気になった箇所とは、
「食い倒れ」大阪を代表する食べ物は何かと問われて、
「たこ焼、お好み焼き」と、答えるのは「わたしは子供です」と告白するのと同義である。
その全く逆の答えにあたるのが「てっちり」であると・・・。
まあ、大阪人は、お好みなんぞは、外ではあまり食べませんが・・。
「日常的なうまいもの」というのは、「わたしにとって地元」という意識の中で
出てくるものであって、ただし、毎日行くからといって、「俺は、あそこの
吉牛の常連だ。今度連れってやる」という話しにはならないとか。
そして「ミシュランガイド東京」のこの手の「経済効果」によって、
銀行とかファンドは、「星で金を貸し」、企業化した調理人が増え、
「飲食業」はどんどん星の取れるような店をつくらせる・・・。
ちょうど、マクドナルドと表裏一体のグローバルスタンダードで
貧弱な《食》が星と輝いていると、痛烈に批判している。
大阪弁について、川上未映子さんの述べていつのを、転用
「自分が大阪弁なのは変える理由が無いからですね。標準語で喋ると、
脳味噌の一部分がすごく硬くなっている気がするんです。
イントネーションが分らんまま、探りながら喋っているから、
すごく疲れてしまう。」と大阪弁で答えていたと・・・。
本渡章さんの「大阪人のプライド」から引用して、
大阪弁は書き言葉にしにくい、ものを考えるには標準語がよい。」と
さらに、「大阪人は、標準語と大阪弁の二重生活を日々おくっている」。
「標準語をしゃべる大阪人は「まじめ」にものを考え、
大阪弁をしゃべる人間は「反まじめ」モードで考える。
言葉の二重生活をする大阪人はしばしば「まじめ」と「反まじめ」の
間で遊びながら考える」と、いや、そんな難しいことより、
私の場合、まあ、仕事と遊び、緊張と緩和で使いわけてるといえば、
結局、同じことですか・・。
その他、「手みやげ」は、「相手さんに「贈られたこと」を余計に意識させない
モノが良い。だから、「残らない」食べ物やお酒がふさわしい」と、雑学的な
生活の知恵が満載・・・・まあ、大阪人にとっての、特定版かもしれませんが。
ケンミンショーのうわべだけではなく、真の大阪を、知りたい方、
この江弘穀さんの「街場の大阪論」お読みください。500円は廉い。
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