チョコレート革命 | |
クリエーター情報なし | |
河出書房新社 |
☆☆☆
結構波長の合っている俵万智さんの歌集「チョコレート革命」。
「サラダ日記」(1987年)のあと「かぜのてのひら」(1991年)、
そして10年後の(1997年)に出された第3歌集。
気になった歌を
明治屋に初めて二人で行きし日の苺のジャムの一瓶終わる
眠りつつ髪をまさぐる指やさし夢の中でも私を抱くの
逢うたびに抱かれなくてもいいように一緒に暮らしてみたい七月
クーラーの風に吹かれて鳴っている風鈴の音、君の寝返り
キオスクでチューイングガムを買うようにサラリーマンが買う宝くじ
宝塚の友よりファックスに「幸運」とあり家をなくせど
年下の男に「おまえ」と呼ばれいてぬるきミルクのような幸せ
やさしすぎるキスなんかしてくれるからあなたの嘘に気づいてしまう
肉じゃがの匂い満ちればこの部屋に誰かの帰りを待ちいるごとし
別れ話を抱えて君に会いにゆくこんな日も吾は「晴れ女」なり
「結婚することになったよ」「なったんじゃなくてすることに決めたんでしょう」
スリッパの右と左を間違えたような感じに響くサヨナラ
抱きあわず語りあかせる夜ありてこれもやさしき情事と思う
缶ビールなんかじゃ酔えない夜のなか一人は寂しい二人は苦しい
シャンプーを選ぶ横顔を見ておればさしこむように「好き」と思えり
男ではなく大人の返事する君にチョコレート革命起こす
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