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「牛と街灯・3」で買った最後の五冊目の本。
女性の情念みたいのものが湧き出してきて、最後には居心地が悪くなってしまった一冊。でも、それも人生、そのものが自分自身とすれば、素直な短歌ばかりです。
思い出が多すぎるから置いていく誰か使ってくれればいい傘
コール音だけであなたが生きていることを確認する月明かり
新聞広告欄に載るような本を読む人でしたあなたは
過去形にすれば事実になるらしい あなたのことが大好きでした
好きな人の好きな人はすぐに分かるあたしを好きなきみとおんなじ
出会わなきゃよかったなんて出会わなきゃ思えないこと 君が好きです
なくしたい過去もあるから人生はルーズリーフで管理している
切り花は枯れるからいい二週間くらいだったら大事にできる
気づかないうちにできてた青アザのようにあなたの記憶になりたい
つめたかった 雨が降っていただけなのか泣いていたのか分からなかった
積読も捨ててしまえばはじめからなかったことと同じになるの?
花言葉知らずに渡す花束の無責任さを許してほしい
現実と夢のちがいが分からない多分しんどい方が現実
どしゃ降りになったら傘を差せるのにどしゃ降りにならない私たち
歌集「こい、きおく。」尾崎飛鳥
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