談春 古往今来 | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
☆☆☆
本をなかなか完読できなくて、並行して読んでいる本が5冊。
興味ある本が早いのか、最近買ったのに読み終えたのが、この落語の本。
立川談春さんの本だが、ご自分が書いたものと、他の人が、談春さんについて書かれた
エッセイもありで、あちらこちらで既に読んだことのあることが多い。
(読み終えて、カバーを外すと、帯には、折々のインタビューやエッセイなど
25編を収録〈単独公演全演目も網羅〉、とあります)
よくみて買わなければ、でもほぼ20年間の〈単独公演全演目〉は見ていて
マニアックですが、なかなかおもしろいでおます。、
そして、異色の組みあわせで、お互い尊敬しあう仲の、
さだまさしさんと談春さんの対談は更におもしろい。
気になった処を紹介しますと、
談春さんが、「僕らが入った頃の上方落語と東京落語が逆転しているんですよ。
大阪の若手がビックリするぐらい、みんなうまいんです。でも、みんな洗練を目指すと
輝く個性が感じられない。そうすると誰が誰だか最後まで名前が分からなくなってしまう。
一方で、東京はめちゃくちゃ、バラバラなんですね。このめちゃくちゃは本来、
吉本花月や角座で鍛えられた大阪にあったはずなのに、東京がみんなそうなっていて、
その分、志ん朝師匠が苦言を込めておっしゃった「自由な芸」は増えているんですが・・・」
まさに、そうですね、東京へいけば寄席の匂いがぷんぷん。
繁昌亭は案外上品、東京ではベテランさんが早い出番ででたり、落語家さんも個性派揃い。
末廣や鈴本よりも、もっか私の一番のお気に入りは、浅草演芸ホール。
色物さんも含めての、あの雑多な雰囲気、よろしいな・・・。
さだまさしは、「音楽の世界もそうだけど、ある程度の高みに達した人間って自分に
ないものを求めてくるんだよな。例えばあの高みに達した小田和正さんが、
字余りの歌を歌いたくてしょうがないんだよ。俺と一緒に曲瑠作りしたらさ、
もう喜んじゃうんだよ。いいね、いいねって。俺は俺で、やっぱり小田和正の無口な
歌手というのに憧れる。俺って饒舌な歌詞ばかり書いているじゃない。しゃべり過ぎだよ。
だからあのスタイルで成立する小田さんってすごくカッコいいと想うわけ。
人は自分にないものを求めるよね。
噺家もそうだね。だって志ん生の息子が文楽に憧れて、小さんの弟子が志ん生に
憧れるんだよ。おたくの師匠、談志さんが志ん生になりたいんだと思ったときに、
ああ、談志で十分なのになって思うんだけど、あの人は志ん生になりたいんだよな、
きっと、何でここまで高みに行ってまだ求めるか」、・・・・と。
究めるということは、常に高みを目指して頂上のないもんなんでしょうか。
いつもは裾野でうろちょろしていて、ちょっと上に上がると、
すぐにのぼった気になる私めは、やはり、凡人どまりでおますな。
まあ、あのお喋りのさだまさしさんと談春さんとで語る芸術論は必見ですな・・・。
にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓
ごまめが最近読んだ本です。
レビューは“読書ログ”にて見ることができます。
気になる本を、クリックしてください・・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます