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仕事場である日本と、夫の住むイタリアとを頻繁に行き来していたヤマザキマリさんが、コロナウィルスのパンデミックスにより急遽家族と別れての日本での生活をおくる。
本のタイトルである「歩きながら考える」ではなく「立ち止まって考える」になってしまったと。
今まで当たり前だったことが当たり前でなくなり、ひろく物事を考えるきっかけになった。今の世の中は西洋式のコミュニケーションが世界のどこでも求められていますが、それだけではなく理想的なのは、合理的な西洋哲学と日本的な曖昧を良しとする感性、更に仏教倫理など何種類かの価値観、倫理を比較検討する機会が必要である。
でも。グローバルな視点で物事を考える人間が増えるのは、群衆が多様性に目覚めるほど、その国の為政者は社会をまとめて統括しにくくなるからです。
日本しかり今の世界中の政治家を見ていてつくづく思い知らされてます。
そこでヤマザキさんは、こんな時こそ笑いを、ゆとりをと・・・。日本の近代は、西洋に追いつけ追い越せと必死に身の丈を大きくしようとし続けてきたように思える。ぼちぼち日本らしさと向き合って等身大で歩いてみても良いのではないかと。本当は立派なスーツよりも、時にははだけた浴衣姿に草履で、落語のように「八っあん、熊さん」といって生きる方が楽らのではないかと。
この世に生まれてきたからには何かを成し遂げなければならない、人間として生きた証拠を残さねばならない。などといった義務感を自らに課し、もがき苦しんでるのではありませんか。
生まれてきてしまったからには、つべこべ言わずに生きるしかありません。
ただ、それだけです・・・ただ、それだけです。
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