ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ひなびたごちそう~島田雅彦

2013-04-18 23:42:00 | 本の少し
ひなびたごちそう (ポプラ文庫)
クリエーター情報なし
ポプラ社

☆☆☆

久々の料理に関する本ではヒット。

うん蓄を語っているようで、B級グルメ以下の料理も・・・。

でもすべて、家庭にて実現可能な料理ばかり・・・。

切干大根のオムレツ、野菜の干し物、アタリメの炒め物、
活ダコのカルパッチョ、火鍋、大根の皮のオイスター炒め、
マグロのカツレツ、牡蠣のワンタン包み揚げ、芋煮
蕎麦のペペロンチー二、ごはんだけのビビンバ・・・。

これらが、読みながら作ってみようとページの端を折った料理の数々。

最後のほうで、著者は、

食べ物についてとやかくいうので、人は私をグルメと勘違いするが、
常にうまいものばかりを食べて入るわけではない。むろん旅先では様々なものを
賞味してきたし家庭では料理に工夫を凝らしてきたが、うまいものにありつくためには、
相応の回り道もせねばならず、うまいものと同じ数だけまずいものを食べなければならなかった。

うまいものを食べれば舌は肥えるが、まずいものを食べれば舌が荒む。

しかし、舌は絶対の判断基準を持っているわけではない。
味覚は相対的なもので、比較的うまいとかまずいと判断することしかできない。
従って、時々はまずいものを食べなければ、うまいものの価値がわからなくなる。

すなわち、味覚のうまいまずいは相対的ものであると・・・。
そういう意味では、それぞれの家の料理、すなわち家庭料理は、
奥深く、それでいて微妙に評価し難いもんですな・・・。

身体が欲しているものをつくって食べる・・・基本中の基本を諭す貴重な料理本でおます。



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